ワインの常識に「魚介と赤ワインは合わせてはいけない」というものがある。
これにはちゃんと理由もあって、赤ワインに豊富に含まれる鉄分と魚の酸化物が出会って「フェントン反応」という現象が起こると、魚の生臭さ成分が一気に揮発して口の中に広がってしまうのだ。
最近では「赤身魚は軽く冷やした赤ワインと」なんて売り文句も聞かれるようになったが、これは鉄分の多い赤身魚だからできるマリアージュであって、白身魚と赤ワインを合わせるのはやはり邪道であるとされている。
…のだが、最近ウツボを食べたときに、ふと「これ赤ワインと合わせられるんじゃないかなぁ」と思ったので、試してみることにした。
ウツボと赤ワインをマリアージュさせよう
ウツボという魚を食材として特徴づけるのは、やはりこの
ゼラチンたっぷりの皮。
この皮が美味しい、という声も多いが、はっきり言うと僕は苦手だ。
磯臭さというか、ケミカル臭があるし、ゼラチンの隙間からあふれ出す脂がちょっとくどくて大量には食べられない。
でもこの皮、考えようによっては鶏皮のようだともいえないだろうか。
加熱した時のプルプル感やカリカリにした時の食感も似ている。
さらに、身の質も魚よりは鶏肉に近い。
と考えたところで、「イケるかも…!?」と思いついた。
まず、やや小ぶりのウツボの尻尾よりを3枚におろし、
骨切りを行う。
「ウツボに骨切りは意味がない」が僕の主義だが、今回の場合は別だ。
よく研いだ包丁で、3㎜ほどの間隔で包丁を入れていく。
皮を切ってしまうことを恐れず、すべての小骨をしっかりと切るイメージだ。
唐揚げ粉をまぶし、さらに
クミンを多めにまぶす。
このとき大事なのは、骨切りした皮下埋没骨にしっかりを火を通し、皮の脂を抜いてパリッとさせるイメージを持つことだ。
油から上げて冷まし、高温の油で揚げなおす。
じっくりじっくりよーく揚げて…
…ちょっと揚げ過ぎたな…
まあいいや、ウツボのスパイス唐揚げ、完成!
いただきマース
っとその前に!
今回の助演、赤ワインにご登場願わねば。
今回は、スパイシーでライトなチリのメルローを、軽く冷やして用意。
改めて、いただきマース。
…(・〰・*)
うん、皮がパリッとして、脂と一緒に臭みも抜けている。
クミンのスパイシーな香りが、皮の独特な香りと合わさることでよりエスニックな感じに。
あえて幅広目に骨切りしたので、ぷりぷりした身の歯応えも楽しめる。
そしてそこにすかさずワイン。
タンニンの少ないライトな赤ワインを冷やすことで、果実味が立つとともに渋みを抑えることができる。
メルローを選んだのは酸味が少なく、シナモンや白コショウ、そしてクミンのようなスパイシーな香りがあるから。
…(≧〰≦*)
ばっちりですな。
ウツボの脂は魚よりも肉のそれに近いようで、赤ワインのタンニンとも相性がいいようだ。
生臭さは全く感じられず、身の味が濃厚でワインの味にも負けていない。
これはマジでオススメ。
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆
ウナギ目と赤ワインは相性がいい?
数年前から「ウナギのかば焼きと赤ワイン」というマリアージュが提案されるようになった。
ウナギの脂と焦げた醤油の風味が、赤ワインときれいにマリアージュするのだという。
ウナギとかアナゴの脂はタンニンとの相性がいいのかもしれない。
今後もいろいろ試してみようかな。。
コメント
こんにちは。
ウツボの皮、まさしく同じ理由で自分もあんま好きじゃなかったり。ネットでは美味しい美味しい言われてるけど万人受けする味では無いですよね…。
んでウナギ系には赤ワインですかー。そろそろウナギも釣れる頃だし試して…あっまだ自分未成年やん。
ですよね!万人受けどころか、たぶん過半数はキライですよね!w
まあ一生に1回くらいしか食べない人なら物珍しさもあって美味しく感じるかもしれませんけど…
未成年か~それは残念。飲めるようになったらぜひ試してみてくださいね!
あー、ウナギは、フランスボルドーでも、赤ワインですね。古典有名料理に、ウナギの赤ワイン煮が有る位ですんで。w
いいですねぇウナギのマトロート。。ウツボもマトロートにしたら皮が美味しくなるかな?今度やってみましょう。
これ、すっごく美味しそうですね!(^O^)
軽めの赤ワインと合せるのも非常に食欲をそそります・・・
軽い赤は冷やして飲めるので、魚とも合わせやすいんですよね~。