“猛毒カワハギ”ソウシハギは結局、食べていいのか否なのか

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魚介その1(魚系)

筋肉さん(@keisunkamaboko)から誕生日プレゼントをいただきました。


ソウシハギです。三宅島で釣れたものだそう。
数年前に横浜で釣れたことでちょっとニュースになりましたが、本来は南西諸島や伊豆諸島など、冬の水温が18℃を下回らない温暖な海域に棲息する魚です。


ウマヅラハギより馬面な顔(とくに口がすごく……馬です……)、うちわみたいにでかい尾びれ、表皮の唐草模様などいろいろパンチが効いており、一度見たら忘れない系の見た目をしています。

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危険なカワハギ・ソウシハギ

このソウシハギですが、本土で水揚げがあると必ずニュースになります。なぜならカワハギのくせに毒を持っているから。
しかもその毒は近年注目度の上がっているパリトキシン、フグ毒の何倍もの強さを持つ猛毒です。

パリトキシンは一部のスナギンチャクが生成する毒で、それを食べる魚の内臓などに蓄積されます。とくにアオブダイの内臓にはかなりの確率で含有されており、中毒事故や死亡事故が相次いだことから、いまではアオブダイは「食不適の猛毒魚」という扱いを受けるようになっています。

自然毒のリスクプロファイル:魚類:パリトキシン様毒

ソウシハギはアオブダイと比べると古くからパリトキシンを含有することが知られていました。そのため多くの図鑑で有毒魚として掲載されており、多くのメディアで「危険な魚」「食べたら死ぬ猛毒魚」として扱われています。漁獲されたら当該地を管轄する保健所からプレスリリースが出ることも多いですね。

ホントに食べたらあかんの?

しかし、実際のところこのソウシハギ、食べてはいけない魚なのでしょうか。

ふつうに水揚げがある沖縄地方では、ソウシハギは現在でもしばしば食べられているといいます。筋肉は無毒であるとされているためです。
確かに「自然毒のリスクプロファイル」でも、ソウシハギでの中毒事故は家畜のものは報告されていますが、人間のものについては報告されていないと記載されています。

我らがぼうずコンニャクさんは「内臓に毒を持つことから「毒魚」などと報道され、一部愚かなマスコミがはしゃいでいるのが残念。節度のある報道をすべきだ。」と書かれています。
沖縄では魚の内臓を食べる文化があまりないので、ソウシハギについても食材として危険なく扱われてきたのだそう。


となれば後はどういうアプローチをすべきか、個人個人にゆだねられるということになります。ぼくはもちろん、食べてみたい。

ということでやっていきましょう。

ソウシハギ、結構美味いよ

ソウシハギはカワハギの一種なので、皮を剥かないことには調理ができません。そもそもこの柄を見てるとあんまり美味しそうに思えないし(;´∀`)
ということで口元に切れ目を入れて皮をペリペリ剥ぎ、

頭を落として内臓を引っ張り出します。


これがくだんの肝臓。もしテトロドトキシンが含まれるものであれば、このまま無造作に捨てることは法律が許してくれませんが、パリトキシンはそういったルールはないのでどういうふうに捨てても構いません。自分は一応厳重に包んで廃棄します。
消化管の中にもパリトキシン生成生物が入っている可能性があるので、丁寧にナイナイします。


三枚におろしていくと

ウマヅラハギみたいに血合いが目立ちますね。生臭みがあると困るのである程度そぎ落として

サクにとり、キッチンペーパーで包んで数日寝かせます。見た感じちょっと水っぽいので水分を抜きつつ、旨味を出させていくイメージです。

カワハギ類はフグと同じく寝かせることで旨味が出るのですが、どうしても肝と合わせて食べたいので、熟成の時間を取るのが難しいという欠点があります。ソウシハギの場合は肝を気にする必要がないので好きなだけ寝かせられます。なるほど、こんなところにソウシハギの意外なメリットがありました。


あとは、この身を薄造りにしてフグっぽく盛り付ければ

ソウシハギの薄造り、完成!
いただきまーす


……(`・〰・´)ふーん、うまいじゃん
歯ごたえはサクっとしており、予想通り水分が多く、カワハギよりはウマヅラハギに近いかなという感じです。
寝かせたおかげで旨味がしっかりと出ています。キッチンペーパーより脱水シートを使った方が美味しくなるかも。ポン酢とアサツキでばっちりな味わい。


もう半身は骨ごとまーす煮にしてみましたが、出汁が良く出ていてなかなかのものです。加熱すると肉がしっとりとしていて、ちょっと脂があるようにすら感じます。
血合いの生臭さは気になりませんでしたが、全体にちょっとだけ磯臭さがあるかな。でもそれが沖縄の魚っぽくていいなあ。

味:★★★☆☆
価格:★★☆☆☆


万が一に備えてまずは少量だけ試食してみましたが、全く問題はおこりませんでした。やはり身は問題ないように思います。

ただ難しいのは、パリトキシンは毒成分としてはまだ未解明な部分も多いというところ。先のアオブダイについては内臓だけでなく、筋肉を食べて中毒した人の例もあるといいます。海域や個体による差も大きく、安全性という側面については断言しがたい物質です。
最近このブログでよくあるまとめ方「食べるなら自己責任で」という形になってしまうのが大変残念ですが、そういう形にさせていただきます。個人的には今後も食べたい魚ですし、安全なものだとも思います。


筋肉さんありがとー!(≧∀≦)

ひれ酒楽しみ

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コメント

  1. マツオ より:

    身の旨みだけを比較対象としたら、本カワ、ウマズラ、ウスバハギの順でどのへんに入ります?

    • 茸本 朗 より:

      ウスバハギと同じくらいですね。本カワはもちろん、ウマヅラにも及ばないと思います。。水っぽいんですよね~ともかく

  2. yama より:

    ソウシハギって内蔵と皮膚に毒が貯められ易いと言われてるようですね。普通の河豚毒も内臓の毒が処理時に移ったり、(慎重にやらなければ直に移り危険なのに時間でも染みて移るらしい)海域の変化や交雑で死亡事故になってきてると言われますから怖い。
    クサフグみたいに肉全部の全身に毒が詰まってるのとは違う事が多いですが、パリトキシンの蓄積には未解明なところも有りそうですからね

    • 茸本 朗 より:

      フグ目魚の毒に関する情報は日々アップデートされているので、昔の知識で食べていると大ケガをしかねないのが怖いですね。
      クサフグも一応、筋肉だけは食べられるようですよ。食べたくはないけど……

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