※※※福岡野食会、引き続き募集中です※※※
 1/25 12:00~ 福岡市 樋井川テラスにて開催
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 さて、昨日も登場した北海道のなべこわしことカジカ(トゲカジカ)さんですが、この時期、産地の人が身よりも楽しみにしているのが



 卵巣。
 カジカの卵はイクラと同じように生食できるため、これだけ単体で販売されたりもするそうです。近年高騰が著しいイクラと比べると遥かに安く(浜値でキロ10円らしい)「庶民のイクラ」なる呼ばれ方もされているとのこと。
生食用魚卵といえばイクラ、タラコ、トビコなどありますが、カジカはそれらのいずれとも種類の異なる魚。いったいどんな味がするのか、気になります。庶民のイクラというのならやはりイクラに近いのか……?
イクラとは違うけど「塩筋子」は美味しい
取り出した卵巣を2つに分けて、まずはイクラ風に醤油漬けを作ります。


 ……っとここで、卵巣を包む腹膜に不穏な影が……!
 これは……間違いなく……



 ……アニサキスですね。厳密には近縁のシュードテラノーバですが、胃のなか引っ掻き回して激痛をもたらすのは一緒です。
 カジカは北の海の魚である上フィッシュイーターでもあるので、アニーちゃんがいるのは当たり前ではあります。
あまりに大量にいるのでとりあえずかき集めて見ましたが……


 こんなにいると、いかに寄生虫といえど食べ出がありそうですね。やってみようかな……→やってみた
 話を戻そう。。
 こんなにアニサキス類がいるのでは、卵巣の生食はなかなかに危険を伴いますね。案の定卵巣のなかにも数匹目視できました。
 となれば大事なのは、何はなくとも


 熱湯処理。
 イクラをほぐすとき同様、70℃程度の湯のなかに卵巣を入れて手早くほぐします。これでアニサキスがいたとしても殺虫できるでしょう。



 ほぐしたら素早く冷水にとり、水気を切ってみりん、醤油、だし汁で作った漬け汁に投入。
 数時間で味付けが完了します。



 なべこわし卵の醤油漬け、できた! いただきますー
……(`・~・´)
 うん、美味しい。美味しいけど、あんまり面白くないですね。
 カジカの卵、粒が小さいうえにイクラほど風味があるわけでもなく、トビコのような食感もないので、素直に漬け汁の味に染まりすぎてしまうみたいです。なんて言うか、魚卵の香りのついたダシつゆで作った人工
 イクラ(小粒)みたいな感じ。なんかねぇ、もったいないのよぅ……
 こうなったら……もう、あれやるしかないな。
残しておいた半分を、アニサキスを殺すために真空パックに入れてうちの業務用冷凍庫でぱっきぱきに凍らせて24時間おき、


 飽和食塩水に日本酒を入れたもので解凍しながら塩を入れます。






 重しをしながら冷蔵庫で寝かして塩を馴染ませれば



 完成! なべこわしの塩筋子!
……ちょっと見た目がいまいちですが、


 ご飯にオンするとほら、いい感じ。
 いただきまーす
…(≧~≦)これこれ!
 塩で凝縮したカジカの卵はまるで粒の大きなカラスミのようで、コクのある脂でねっとりとした質感があります。ご飯と日本酒がエンドレスになるやつだ!
味:★★★★☆
 価格:★★☆☆☆
 美琴さんによるとカジカによっても卵の味が変わってくるらしいので、極めていくと奥が深そうです。イクラの代用なんかじゃなく、普通に絶品魚卵としてありがたくいただいていきたいですね。。
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コメント
これっす。
北海道の実家にしばらく住むことになり、こいつを買いました。スーパーでは、上の写真の半腹で200~300円ですね。未成熟で赤すぎてもダメ、育ち過ぎて白すぎてもダメ、とネットブログで読んで、オレンジ色のやつをゲット。母親に
「イクラみたいに醤油漬けにして。余計なもの入れなくていいからね」
と言います。前に何も言わず渡したときは、だしパックとか余計なもの入れられました。東京で売ってないから、どういう味か知りたくて試してるのに…
出来上がったものを食べてみると、妙に味が濃い。聞くと化学調味料を入れたと言う。またしても台無しに。そんな思い出…
地元民も、味の開拓精神の無い人たちは買わないんですよね。ネット全盛のこの時代にも。もったいない。ボタンエビとかも安いんですよ~。
道北出身ですがうちの実家でも皆好きでしたねぇ、カジカのこっこ。
大きすぎると皮が固くて固くてひどかったなぁ。(イクラの固いのよりよっぽど。)
なんだか懐かしくなりました。