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さて、というわけで採取してきたショウロを食べるわけですが……ちょっと待った!
あなたのそのショウロ、本当に食べられますか?
ショウロはおもに海岸沿いのクロマツ林に発生するのですが、こういう環境は他の菌類にとっても好ましいものなので、多種多様のキノコが発生します。
本種には
・3㎝内外の不規則な球形
・空気に触れたり触ると赤紫色~赤褐色に変わる
・初めは断面が白く、やがて褐色に変色していく
という同定に役立つ特徴があるにはあるのですが、そもそもキノコ型をしていないということもあり、キノコの採集・同定に不慣れな人だと別菌と間違えてしまう可能性が高いと思われます。
紛らわしいものについてまとめておきましょう。
ショウロとゆかいなそっくりさん
一番紛らわしいのは、ショウロとごく近縁のホンショウロですが、これは空気に触れると赤紫色ではなく黄褐色に変わります。
ホンショウロという和名については混乱を招くため、ショウロモドキなど別名にした方がいいのではという意見もあるようです。
和名に限らず「本○○」という命名って勇気いるなあと思います。
先行する者に対し「てめーはニセモノだ!」って言ってるようなもんじゃないですか。
ホンショウロはなぜそう名付けられたんでしょうかね。こちらの方が先に学名記載されていたとか……?
このほか、黒色に変わるオオショウロ、初めから表皮が黄色~オレンジ色のアカショウロなど、近縁種がいっぱいあります。
紛らわしいことこの上ない。慣れないうちはちゃんと色を確認せんといかんですな。
これらのキノコのうち、ホンショウロについては「麦ショウロ」と呼ばれ、香りや味が悪いという記述を確認しました。
つまり食っても問題はないけど美味しくないってことだと思います。
ワイだったら怪しくてもとりあえず食べちゃうだろうな(オススメしません)。
同じように、食べてしまっても問題はないけど、ショウロじゃないやつといえばホコリタケ。
これも海岸の松林にめちゃくちゃ多いです。
雨の後は表皮の鱗片が脱落するからなおさら見間違えやすくなります。
でも、ショウロと違って足があるから、採取すればすぐに違うとわかるけどね。(ショウロは足がなく、菌糸がまとわりついている)
毒はないけど食べられなくて紛らわしいキノコもあります。
コツブタケがそれ。
黄褐色~焦げ茶色で、砂地に埋もれるように発生するので見つけるとぬか喜び半端ないです。
でも見分け方そのものは非常に簡単で、内部がめっちゃ粒々なのですぐにわかります。
あとなんかジュルジュルしてるのでそれも確認しましょう。
一番気をつけないといけないのは、似ていてさらに毒があるやつ。
ニセショウロ科のキノコたちがこれにあたります。
表面にゴマ粒模様がついてるもの(ヒメカタショウロ)はすぐわかるので避けましょう。
あと、こやつらの最大の特徴として「断面があんこもち風」ってのがあるので、とにかく断面を見る。
ショウロは食べる前に必ず断面を見るようにすれば、そこで違和感に気づくはずです。
前回の記事で書いた通り、北部九州ではショウロは人気のあるキノコ(というかキノコ狩り自体が非常にマイナーな土地ではあるんだけど)なのですが、やはり福岡市でショウロとニセショウロを誤認し食中毒を起こしたという報告があります。
キノコ狩りの最大の敵は己の心、美味しそうだと思っても、食べる前に必ず確認をしましょうず。
まとめると、ショウロを採取したときは表皮のワインレッドを確認、さらに切断して断面のようすと変色を見てね、ってカンジですかね。
試食記は次回……
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