先日、馴染みの里山をウロウロしていたら、見慣れない「見慣れたキノコ」がありました。
これは…コガネヤマドリ!?
ポルチーニとして知られるヤマドリタケと同じイグチ目のキノコで、名前の通り金色…というほどでもないですが明るい黄土色、いわゆる鬱金色をしています。
このキノコ自体はとくだん珍しいものではなく、キノコ狩りをしていると年に何度かは見かけるもの。ではなぜ驚いているかというと「なんでこんなところにあるんや!!」となったからです。
わたしがコガネヤマドリを見かけるのは基本的に富士山などの高山地帯。標高1,000mあたりより上の針葉樹林においてで、都心にほど近い標高50mのコナラ林で見かけたのは初めてだったのです。
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ただ、キノコ友達によるとどうも「里山のコガネヤマドリ」は珍しくない存在だそう。千葉や多摩、山梨の「とても高山とは言えない場所」でも普通に生えているのだそうです。
そしてさらに、彼ら曰く「里山のコガネヤマドリは美味しい」。美味揃いのヤマドリタケ軍団の中でもコガネヤマドリは一般的に食用にされず、図鑑を見ても「食毒不明」「食不適」となっているのが普通なのですが、しれっと食べている人も多いみたいなのです。
わたしはというと、高山針葉樹林のコガネヤマドリ(以降『高山型』とする)を一度食べたことがあるのですが、歯ごたえはいいものの特筆すべき味や香りに欠け、ほんのりと苦味もあって美味しいとは感じませんでした。一方で「里山のコガネヤマドリ(以下『低山型』)は高山型とは味が違う」「見た目も違う」という人もおり、場合によってはどちらかが隠蔽種であるという可能性もあります。
今回わたしが見つけた「低山型」は、いつも見る「高山型」と比べるとかなり小さく、弱々しい印象を受けましたが、子実体のサイズは環境によって変わるのであまり参考にはならないでしょう。
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細かい研究は学者先生方にお任せするとして、わたしにできることはとりあえず食べて味を知ること。
持ち帰り、食べてみることにしました。
今回はシンプルに味を見たいのでバターは用いず、サラダ油で10分ほどしっかりとソテー。
味付けは塩のみでいただきます。
(`・〜・´)…
これは…美味しい…!
サクサクコリコリとした歯ごたえ、噛むとわずかに広がるヘーゼルナッツのような香りはヤマドリタケモドキによく似ています。そしてあと口にハッキリとした甘みが残り、ほんのちょっぴりアカジコウを思い出させます(あそこまでハッキリと甘くはないけど)。旨みもそれなりにあり、優秀な食用菌と言えそう。途中ほんのわずかに苦味が無きにしも非ず…というところでしょうか。
食べてから数時間は中毒症状が出ないか注意していましたが問題なく、十分な満足感とともに試食を終了しました。もちろんこれをもって「低山型コガネヤマドリは美味しい食用キノコ!」と断言するつもりは毛頭ありませんが、今後も見つけたら普通にもって帰って食べるだろうな…という感じです。
高山型もまたトライしてみなくては…
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