海藻はフロンティアだ② ヒジキの代替?オオバモクは美味しい

 
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春先の大潮の日にはたくさんの人が海辺に繰り出して、潮干狩りや磯遊びに興じる。
三浦半島周辺は、ギンポ釣りで有名になった鎌倉の和賀江嶋のような遠浅の海岸が多く、大潮の日には潮間帯の生物や海藻を手に取って観察することができるため人気が高い。

目につくヒジキにご注意を!!

ヒジキ,三浦

一面のヒジキ 春の三浦の磯はどこもこんなカンジ

2月から4月の間、三浦の磯で一番目につく海藻は、間違いなくヒジキである。
こういうことを言うと「いやワカメだ」「アオサだ」と反論が出てくるかもしれないが、それらの海藻はぱっと見ですぐにわかるので目につきやすく、たくさん生えているように見えるだけなのだ。

ヒジキを知らない人はほとんどいないと思うが、生育中のヒジキを見てそれとわかる人は意外なほど少ない。
つる状で1m以上の長さになり、茎も葉も気胞(浮き袋)も細長い紡錘形をしているので慣れればすぐにわかるので、覚えておいてほしい。



なぜヒジキについて強調しているのかというと、昨日の記事で記載したように、基本「採取してはいけない」海藻であるからだ。

以前、とあるきっかけでお世話になった鎌倉警察署の刑事さんに聞いたのだが、管区内で検挙数が最も多いのが「ヒジキの密漁」なのだという。

先述の和賀江嶋にも、ヒジキは大量に生えている。
磯遊びの時に目について気になり⇒スマホで検索してみるとなんとヒジキ!⇒少しもらって帰ろうかな⇒タイーホ という例は非常に多いらしい。

うっかり手を出して、お巡りさんの手を煩わせないよう、読者諸兄には十分ご注意願いたい。

ヒジキがダメならその近縁種を採ってみよう

とはいえヒジキは非常においしく、また栄養価も高い。
ごま油で炒めたり、タケノコや竹輪と炊き合わせたり、鶏肉とともにご飯に炊き込んだり…古くから慣れ親しまれているだけあって、汎用性が非常に高い。
もちろん、価値が高いからこそ漁業権が設定されているのだろうけど…

しかし、ヒジキが属する「ヒバマタ目ホンダワラ科」には、他にもたくさんの種があり、その多くは潮間帯に生息している。

三浦周辺では、ホンダワラ科の海藻で漁業権が設定されているのはヒジキとホンダワラ、アカモクのみで、それ以外の種はどこでも採取可能だ。

というわけで、何種か採取してみて、ヒジキの代替になるものはないか、試してみることにした。
ホンダワラとアカモクに関しては禁漁地域も限定されているので、それぞれ採っていい場所をランガンして採取することにした。

ヒジキがダメならオオバモクを採ればいいじゃない

今回採取した海藻は、ホンダワラ科のものでは
・ホンダワラ(?)
ホンダワラ
・アカモク
アカモク
・タマハハキモク
タマハハキモク
・オオバモク
オオバモク,三浦
の4種。

これらのうち、上の3種に関してはアクが弱く、さっと茹でるだけでも美味しく食べられたが、オオバモクに関しては、茹でただけでは葉が固く、苦みとエグ味もあって食べることはできなかった。

オオバモク,料理

茹でると美味しそうな緑色にはなるんだけど


見た目にも大きく固く、ヒジキを含め他の種類とは明らかに印象が違う。
正直なところ、美味しそうには見えない。

しかし本家ヒジキも、軽く茹でただけでは苦みが強く、食べることができない。
茹でたものをゴザに広げて干しあげ、再び戻してから調理することで、あの独特な風味と食感が出てくるのだ。

というわけでオオバモクもヒジキと同じ手順で下処理をしてから、調理してみることとした。



まず、容量上限の水とオオバモクを圧力鍋に入れ、1時間以上煮る。
圧力が抜けるのを待ち、煮汁を捨て、流水でよく洗う。

煮汁、オオバモクともにヒジキと同様真っ黒になる。
匂いも完全にヒジキのそれである。

水をよく切り、干し網に入れてカラカラになるまで干しあげる。
葉は大きいが、大体2日ほどでカラカラになってくれる。

オオバモク,乾燥保存

色と香りは完全にヒジキ


これを水で戻し(30分ぐらいで戻る)一口大に刻む。

ごま油を引いたフライパンで鶏肉、油揚げ、コンニャクとにんじんを炒め、オオバモクを入れてさらに炒め、白だしとみりんで好みの濃さに味付けをする。
オオバモク,炒り煮
汁気が飛ぶまで炒り上げて

オオバモク,鶏肉,炒り煮

色味がちょっと残念


完成!
…表面の黒い皮が剥げて見た目は微妙だな…
まあいいや、いただきマース

…(・~・´)

あれ、すごいうまい
歯ごたえ、香り、味それぞれがヒジキとコンブの中間のようなイメージで、サクサクとした歯触りにごま油がよくからんで大変美味しい。
固そうだった茎も、一度干すだけで気にならなくなり、繊維質なところもなく食べやすい。

今回は念のため長めに火を通したけど、さっと炒めたぐらいだともっと歯ごたえが良くて面白いかもしれない。
これは今後のハンティングリスト入り確定だな…

味:★★★★★
価格:★★★☆☆ ヒジキより美味しいんでないかい?

久しぶりに、まったくノーマークの素晴らしい食材を見つけられて嬉しい。
でももしヒジキが採り尽されたら、漁師さんも採りだして、漁業権設定されちゃったりしないとも限らない。

今後もこっそり採るようにしよう。
皆様もどうぞ、ご協力よろしゅうお願いします。

 
 
 

コメント

  1. せつな より:

    まぢで!
    そこまで手間かけたことなかったから完全ノーマークでしたよ。
    だいたい干潮になって何も釣れなくなって帰るパターンが多いから、大潮で干上がってる一面のコイツらなんか宝の山じゃないですか。

    • wacky より:

      そうなんですよー!確かに、普通の人はこれだけ手間をかけるぐらいなら乾燥ヒジキを買っていくと思うんですが、漁師さんなんかは採って新たな名産にしてもいいと思うけどなぁ…でも漁業権は反対w
      春に三浦の磯でボウズ覚悟の釣りをするなら、帰りに採っていくという選択肢があってもいいと思います。。

  2. 通りすがり より:

    まさかと思って適当に拾ってきて書いてある手順で下処理したらこれは……毎日でもおかずにしたい……
    個人的にこのHPで一番役立った記事です!

    • wacky より:

      お役に立てましたなら良かったです!
      こういうノーマークの食材がゴロゴロしてるので海藻は面白いんですよね!今年の冬もいろいろ挑戦してみます!

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