テッポウエビの刺身がアマエビの上位互換だった件について

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瀬戸内野食会の日の朝、コーディネーターのてらださん(笠岡地域おこし協力隊)のご案内で、笠岡周辺の市場と直売所を巡ってきました。


朝一番のセリも見せていただいてめっちゃ楽しかったです。動画もあるけどどっかで公開できないものか……


さて、このブログではこれまで何度も瀬戸内の魚を取り上げてきました。
当地で鮮魚を取り扱われている翔さんのお力添えもあり、関東在住の人間としてはかなり多くの種類の瀬戸内魚介を、最高の鮮度で食べてきたという自負があります。

しかし、今回実際に瀬戸内の市場を巡り、まだまだ食していないものたちが沢山あることを痛感しました。
その中でも最もグッと来たものがこの

テッポウエビです。

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テッポウエビ、すごい甘い

テッポウエビって食えるの? と思った人、その気持ちわかります。ぼくも割とびっくりした。

モンハナシャコと並ぶ指パッチン(ハサミで衝撃波を発生させて餌や敵を破壊する)の名手だったり、自分で掘った巣穴にハゼを共生させて身を守ったりすることで生物クラスタには馴染み深い生き物ですが、まさか食用として商業的価値があるとは思わなかったです。

てらださんに聞くと「そんなに珍しいわけでもないです。先日も買いました。」とのことで、このあたりでは一般的な存在のようです。いいよいいよ、そういうのもっと、もっとちょうだい!!(ノリさん風)

一山50匹くらいで900円、居酒屋のツマミで出すにはちょうどいいくらいの価格帯でしょうかね。
びちびちと跳ねていて鮮度も抜群。一山頂いて、氷で締めつつ持ち帰ってきました。


食べる前に観察をしましょう。

指パッチン用のハサミは大きく発達してはいますが、水を一瞬で蒸発させて1000℃超の気泡を生じさせるような造りにはとても見えません。
茸本さんも指パッチンには相当な自信がありますが、もっと頑張れば指からソニックブームを出せるようになるのでしょうか。
オレ、テッポウエビ、タベル、テッポウエビノチカラ、テニイレル……


とりあえず、剥き身にしてみましょう。

頭をとってお腹側から殻を剥き、身を取り出します。殻の身離れはとても良く、沢山剥くのもそこまで苦にはなりません。


胴の後ろ寄りにある斑点模様は殻を剥いても残ります。なんだかスズメガの幼虫みたいで食欲失う人居そう。


少し水っぽさを感じたので、半分は塩をして少しおいてみました。 


とりあえず、このまま生でいってみよう…… 

……!(≧~≦)!
うまい! 甘い!
甘いですね、アマエビかってくらい強い甘味があります。というかアマエビ超えてないかなこれ。
食感も剥きたてのものは非常にぷりぷりしていて、小さいながら非常に「エビ食べてる感」が強いです。


そしてミソ、これが本当に旨味が強い。ボタンエビ以上ですね。小さなエビだから鮮度落ち早いだろうし、ミソまで生で食べられるようなことは少ないんだろうけど、活けが手にはいるようならミソごと刺身にすべきですね。


塩をしたものは……これも素晴らしい!
塩したてなのでややしょっぱいですが、ねっとりとした質感が生まれて甘味もより引き立っています。このままふた月も寝かせれば高級酒肴となるでしょう。富山風に昆布締めにしてもうまそう。


残った殻は水から煮て出汁をとり、雑炊にしてみました。

……あんまり強くないな。。身からいい味出るタイプなんでしょうね。からっと揚げて食べちゃった方がいいな。

味:★★★★☆
価格:★★★☆☆


瀬戸内海沿岸、とくに岡山の魚食文化は極めてユニークであり、庶民的ないわゆる“惣菜魚”には首都圏では全く想像もつかないものたちが数多く見られます。

これらは現地ではごく当たり前の存在なので、もし仮にぼくのようなよそ者が現地の仲買いさんに「変わった魚介類が欲しい」と注文しても、彼らには「変わったもの」という意識がないので「そんなもんねーよ」と言われてしまうこともしばしばあります。


なのでやっぱり、自分で市場や直売所を見るのに勝るものはないんだよなぁ……てらださん本当にありがとうございました。またよろしくお願いします!

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魚介その2(魚以外) 魚市場
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