タコの沖漬けも結構美味いもんなのよ

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先日、福岡・姪浜の朝市に行ったところ、テナガダコがたくさん売られていました。

ぼくが子供の頃は、テナガダコは「夏のタコ」という認識でしたが、ここ数年、真冬の間もまとまった漁獲があるようです。なんでしょうね、これも温暖化なのだろうか。
もちろんテナガダコ自体は冬も元気に活動しているので、獲れておかしいというわけではないですが……博多湾も東京湾と同様に、海水温が上がってカレイやアイナメといった魚たちが少なくなってきてしまっているみたいなのでちょっと心配です。冬に獲れるのは冬の魚たちであってほしい茸本さんです。


それはそれとしてテナガダコ、美味しい上にクッソ安いので大好きです。今回は豊漁だったこともあるのか、全長70㎝くらいあるビッグワンも1杯150円で売られていました。

テナガダコ、昔は「水っぽくてどうしようもないタコ」という認識でとても安かったのですが、近年は韓国のタコ生食料理「サンナクチ」の影響もあってそこそこ値が付くようになってきた……という印象だったので、この値段は久しぶりの感覚です。

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あけましておめでとうございます! 今年も野食ハンマープライスでは、できるだけたくさんのユーズフルかつトリビアルな野食情報をお届けしてまいりたいと思っております。今年も昨年まで同様にご愛顧を賜りたく、心よりお願い申し上げます。 さて、...

とりあえず6匹ほど購入。

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テナガダコの沖漬けは結構傑作かも

テナガダコが値上がりしたきっかけは前述の通りサンナクチだと思うのですが、さらにメタな観点からいうと「『タコの生食』という食文化がわが国でも盛り上がってきた」というのがあると考えます。

一昔前は「タコは加熱して食べるもの、火を通しても柔らかく仕上げるのがプロの技」という認識が強く、特に関東においてはタコの刺身はキワモノに近い扱いを受けていた記憶があります。タコの吸盤には雑菌が多いので生で食べるべきではない、という意見もよく聞かれました。
風向きが変わったのは、2000年代に入り生のミズダコが関東にもたくさん流通するようになったころ。そぎ切りにした生のミズダコをしゃぶしゃぶにする「タコしゃぶ」やカルパッチョといった調理法が人気を博し、「生のタコ美味しいやんけ」という認識が広がったのです。ミズダコもテナガダコと同じように水っぽいタコなのですが、生で食べるときはその柔らかさ、弾力の弱さが一転して魅力になるのです。結果としてミズダコの足は「歩留まりよく下処理も難しくない人気の刺身材料」となって価格が高騰しました。テナガダコもそれに続いていると考えるのは自然です。


まあそんなわけでテナガダコは生食が一番いいと思うのですが、今回安値で手に入ったこともあって、失敗覚悟でいろいろなメニューを試すことが可能になりました。しかも持ち帰ってきてもまだ元気に動いているほど活きがいい。となれば、あれ、やってみるしかないでしょう。

まず、しょうゆ、みりん、日本酒、昆布、砂糖を煮切り、ニンニクとショウガを入れていい感じのつけ汁を作ります。

ちなみに福岡の薄口しょうゆは砂糖と出汁がすでに入っているので、これを日本酒で伸ばして煮切れば「即席いいカンジの出汁」が作れます。
味はちょっとしょっぱめにするのがコツ。

テナガダコは塩ないしは酢で迅速にぬめりをとり、

活けのまま先ほど作ったつけ汁にドボンします。そう、沖漬けですね!

しばらく放置し、タコの動きが止まったら、冷凍庫で凍らせます。
半解凍状態で取り出し、薄めにスライスします。

完成。
ご飯に乗せていただきましょう


……(≧〰≦)ウマイ
醤油の力で余計な水分が抜けつつも、柔らかさも保っており、噛みしめるとちょうどいい歯ごたえの後にタコの風味がぶわっと広がります。


肝はかなり上級者向けの味で、生臭いのが苦手な人はウっとなるかもしれませんが、好きな人はこれで焼酎がエンドレスになっちゃうでしょう。タウリンが1000㎎どころではないほど含有されているし、ニンニクとショウガがゴリゴリに効いているので食べていると元気がモリモリ湧いてきます。

味:★★★★☆
価格:★★★☆☆


美味いけど、生のタコはあまり消化が良くないのは確かだと思うので食べすぎないようにお気を付けください。
たぶんこのままオリーブオイルでソテーしてパスタとかに入れても優勝すると思う、勝利が確実すぎて敢えてやってはいないけども。。

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魚介その2(魚以外)
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