要注意外来生物「ナガミヒナゲシ」の種はめっちゃ美味い

今いちばん厄介な外来植物の一つ・ナガミヒナゲシ。
地中海沿岸地域からムギの伝播に乗って世界中に広がったとされる草で、強烈な生命力が特徴。都心部だろうがコンクリートジャングルだろうが気にすることなく、ちょっとした隙間に繁茂しています。

花の見てくれだけはよく、そのせいで園芸種と間違われて大事にされているのをよく見かけますが残念ながらそれ侵略的外来種なんですよねぇ……

花が咲き終わると右のような典型的ケシ科型果実をつけ、中にとんでもない量の種子を作ります。

種子は塩粒程度の大きさ。果実の蓋状の構造物にはまるでコショウ瓶のような小さな穴が開いており、果実が風になびいたりすると種子がパラリぱらりと散布されます。刈り取りの際にも簡単に種子が溢れるので根絶が難しいのだと言われますが、そうじゃろうなぁ。。

なんですけど、冷静に考えたらこれ「芥子の実じゃん」ってなったので、食べてみることにしました。

ナガミヒナゲシの種、ちょううまい

意外と知られていませんが、あんぱんの上に乗っている白くて小さな粒は、ケシの仲間の種子です。通称「芥子の実」と呼ばれています。

ケシといえば麻薬あへん・モルヒネ・ヘロインの原料として知られますが、その種子は食用としても世界的に知られており、種類を問わず利用されます。種子自体に麻薬成分は殆ど含まれていないようですが、麻薬の取締の厳しいシンガポールなどの国では流通が禁止されているところもあるようです。
ちなみにナガミヒナゲシには麻薬成分が含まれていないのでがっか……安心ですね。

あんぱんの上の芥子粒と比べると、ナガミヒナゲシの種子は直径が半分ほどしかなく非常に細かいです。果たして同じように利用できるのでしょうか。
とりあえず、生だともそもそしてあんまり味がなさそうだったので、乾煎りしてみることに。すると……

！！　なんか色が徐々にグレーになってきた！

20秒ほどで全体が変色しました。
それと同時に、ごまを炒ったときのような香ばしい香りがキッチンを包み込みます。これ、かなり期待できそう……

煎り上げた種子を、あんぱんの上にドザーっとぶちまけます。

芥子の実マシマシあんぱん、完成！！　いただきまーす

……(≧～≦)最高じゃん！！
まずですね、香りが非常に香ばしく、黒ゴマを煎ったときのそれにそっくりです。そして噛みしめると、こんな塩粒程度のサイズであるのも関わらず非常にぷちぷちとした質感があり、そして濃厚な味わいがあります。こちらも黒ゴマそっくり。

でも黒ゴマよりも更にオイリーというか、油っぽさが強いですね！　
成分は誰も調べてないでしょうけど、なんだかオレイン酸とかいっぱい含まれてそうな健康に良い油の味がします。
あんぱんとの相性はもちろん抜群！　というか、これ煎ったやつをそのままあんこに混ぜたら中華のごまあんを超えるやつできるよ。

味：★★★★☆　
入手難易度：★☆☆☆☆

これはもう全力でオススメ。皆さんの家のご近所にも間違いなくあるでしょうし。
この味の良さは正直、予想外すぎる。みんなで食べて駆除に貢献しましょう。