ケヤリムシを食べてみた

スポンサーリンク

海釣りでは様々な餌を使うのだが、それは大きく3つのグループに大きく分けることができる。身餌、アミ・エビ、 そしてゴカイ系の虫エサだ。

この中で虫エサは汎用性の高さが売りの万能餌だが、見た目がミミズなことや購入すると高いことからあまり好きでない人も多い。
筆者は投げ釣りをするので虫エサをよく購入するのだが、グラム単価で考えると松阪牛より高い。(30gで500円とか)これをなんとか自前で用意できないかと思い、いろいろ探してみる中で思いついたのが磯の固着系ゴカイ「ケヤリムシ」だった。

ケヤリムシ 料理
過去、ギンポ釣りの記事で登場しているケヤリムシだが、どこの磯にもそれなりに多く生息し、鰓を広げているのですぐ見つけられる。近づくと鰓を引っ込めてしまうが、泥で作った管の中で固着生活をしているので、巣ごと採取してしまえば簡単に手に入れることができる。

何せゴカイの仲間だし、近縁種で同様の固着生活を送る「エラコ」 は北の海の特エサとして有名だ。
これは間違いなく大漁だろう。。

さっそくいつもの磯に行き、採りたてのケヤリムシをちぎって岩の隙間に落としてみた。

すぐに四方からハゼが寄って…来ない。
隣の岩の陰からひげを見せつけているゴンズイ殿も…来ない。

おかしい。
色も見た目もエラコそっくりのケヤリムシでなぜ釣れないのか?

あわててネットで検索してみても、ケヤリムシで釣りをしているサイトが出てこない。アクアリウムの情報ばっかりだ。

結局、一時間ほどやって一匹の魚にも興味を持ってはもらえなかった。
私見だが、切った時に強烈なにおいを放つものが多い虫エサの中では断トツで匂いが薄く、また固着生活のため青イソメのように動いてアピールするわけでもないので、釣り餌には向いていないようだ。(エラコはかなり臭いらしい)

スポンサーリンク
スポンサーリンク
 

餌にならないなら自分で食べればいいじゃない

がっかりしつつ、そのまま調べていると、なんと「エラコは生で食べられる」という記述が目に入った。
なんでも、漁師が口寂しさを補うために、漁の最中に時々つまむらしいのだ。

マジかよ…だってエラコって人によっては皮膚が荒れたりするらしいじゃん…てか臭いんやないとかね…

まぁでも、口の肥えた漁師がわざわざ食べるんだからきっとそれなりにおいしいのだろう。虫エサでもユムシは結構美味しいし、有明海周辺じゃ市販もされとるもんね。

と、ここで悪魔のささやき。「ケヤリムシ、食べたらうまいんじゃね―の?」

彼女の死角でこっそり2匹ほど採取すると、クーラーボックスにしまってこっそり川崎まで持って帰ってきたのでした。

ケヤリムシはおいしい

ケヤリムシ 料理
改めて見るとこれ、人の食いもんじゃない。

ゴカイだよね、どう見ても…
でもせっかくとってきたので、ユムシを思い出して調理することにした。

包丁を入れると「シュパッ」と紫の体液があふれ出す。グロい
水洗いしながら内容物を洗い流すも、なかなか取れない。爪で掻き出すようにして洗うと指先が紫に染まった。勘弁してほしい。

ケヤリムシ 刺身
よく洗ったものをまな板の上において記念撮影…

あれ?ミル貝?(笑)
色と剛毛がちょっとアレだが、身は思った以上に肉厚で食べ出がありそうだ。

一口大に切って、刺身醤油をつけて口に放り込む。

…(・~・;)

あ、これ美味しいわ。
ユムシより柔らかく、白ミル貝の内臓の皮を食べているような食感。
味も貝系の甘みがあり、予想以上に臭みがない。ほとんどないといってもいい。
懸念の剛毛だが、さほど舌に当たらず気にならない。

これはびっくりである。
ネタに走るつもりで「マズイのはしゃーないとして、腹壊したらどうしよう」 というぐらいに思っていたが、予想外の結果だ。
これでまた僕の食生活がひとつ豊かになった。

有用だけど、乱獲はしないでね

ただ、ゴカイの仲間は体質によっては肌荒れや炎症の原因になるほか、岩イソメなどのイソメ類には毒があるのでそもそも食べてはいけない(ゴカイ類は無毒)などの注意事項をいちいち説明するのがめんどいので、賢明な読者諸兄は食べないでください。ホントに食べていいかまだ分からんし。
貴重な磯の固着生物なので、必要以上の採取も禁止。
釣り餌にもならないし、役に立たないので存在すら忘れてしまえばいいと思います。

…さて、僕は今晩のつまみを確保しに行きますかね。刺身以外にも煮たり焼いたりして食べてみたいな。いまんとこ腹も壊してないし。。

ケヤリムシ:★★★★★★☆☆☆☆ 200円/匹 ゲテモノ系居酒屋にあってもおかしくないかな。

備考:★の数は味、採りやすさ、コストパフォーマンスで決めています。
価格は種類、味わいが近いもの、スーパーマーケットにおける価格から、「これくらいならお店に売られてても買っていいぜ」という金額を独断で決定しています。その際参考にしたものを後ろに記載しています。

スポンサーリンク
 
スポンサーリンク
野食 魚介その2(魚以外)
スポンサーリンク
茸本 朗をフォローする
野食ハンマープライス

コメント

  1. upiyama より:

    ウツボ記事検索から漂流してきましたが、とても面白いサイトさんでかなり笑わせていただいちゃいました……(´ω`*)
    海無し県からウツボを求めてさ迷っているのですが、再来週には釣ってここの捌きかたを参考にさせていただこうと思っております。
    多謝

タイトルとURLをコピーしました