憧れの「サカタザメの吻」を食べた!

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先週の金曜日、朝起きてみると岡山中央卸売市場・豊栄水産の翔さんから「TEL me!」ラインが入っていた。
眠い目をこすり早速電話をかける。

~♪
おはようございます茸本です…(ねみぃ…)

「おはようございます~大丈夫ですか~生きてますか~」

はい元気です(福岡の小学生風に)

「よかったーキノコ食べ過ぎて食あたりになってないかと心配してましたよ~」

今のところなんとか無事です。
でもそろそろお魚食べたいですね…

「でしょーそうじゃないかと思ってサカタザメ、送っときましたから!
KIMG0083
なんと!Σ( ゜Д゜;)

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憧れのサカタザメ

サカタザメは「サメ」とつくがエイの仲間に分類される軟骨魚類の一種だ。
サメを上から押し潰して、エイの頭を移植したようなパンクな形状をしている。

和名における「サメ」「エイ」は、下半身と尾びれがサメ型をしていればサメそうでなければエイと分けられているのに対し、分類学上は鰓穴が横を向いているとサメ下に向いているとエイということになっている。
そのため「~ザメ」とついているのにエイの仲間、というパターンのものが多い。

まあ、どちらにしても軟骨魚類だから、あまり区別の必要が無かったのかもしれない。


福岡に住んでいたころ、姪浜の朝市でこのサカタザメをしょっちゅう見かけた。
どちらかというと南方系の魚だが、対馬暖流の流れる北部九州でもそれなりに水揚げがあるようだ。

見た目のカッコよさ、そして漁師さんの「サメの中じゃかなり上だよ!」という売り文句(エイだけどな)から、一度購入してみたいと思っていたのだが、両親(とくに父親)が軟骨魚類が嫌いで、ついに購入することはかなわなかった。

だから長いこと憧れの存在であったのだが、ついに今、我が手中に収まらんとしている!

ちなみにキロ1000円でした。安い憧れだな…

サカタザメと「吻」を刺身で食べてみた

締めて「神経抜き」まで施されたサカタザメ。
KIMG0083
新鮮なサメやエイは、不思議なことに生臭みが全然ない。
多少ある匂いも、いわゆる魚の匂いとは全く異なるものだ。
もちろんアンモニア臭は全然ない。


胸鰭?の下から包丁を入れて頭部と胴体を切り離し、内臓を取り除く。
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頭部以外の体型はサメっぽいのかと思っていたが、頭部ほどではないにしろ上下に扁平で、いわばマゴチ体型だった。
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というわけで、まず3枚におろし、それから小骨に沿って上下2枚に分ける変則5枚おろしに。
KIMG0097
サクがとれた。
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身質はサメやエイのような弾力のある肉と、スズキのような淡泊でしっとりとした白身魚の身のあいのこのような、独特な質感。
身が非常にきれいで、やはり臭みは一切ない。
ぼうずコンニャクさんのところでは「刺身は味が無いので湯引きにするべき」と書いてあったが、これだけ上品な白身、やはり生で食べたい。

ということで、カルパッチョに。
薄めに造って皿に盛りつけ、大葉を刻んで乗せ、オリーブオイルを回しかけてクレージーソルトをふた振り。


さて、これだけでももちろん良いのだが、やはりサカタザメなのだからアレを食べねばならんでしょう。

そう、吻の先端

向こうが透けている部分だけを切り落とし、
KIMG0101
中心に走る固い部分を取り去って、柳刃で表皮を剥きとる。
KIMG0102
一見高度なテクニックに見えるが、包丁を進めるだけで勝手に表皮だけが薄く削げていくのでとても楽だ。

吻の先端は軟骨なのかと思っていたが、触った感じはクラゲやナタデココをより高弾力にしたようで、押し固められたゼラチン質といったイメージである。
KIMG0106
これをカルパッチョの中心に添えて、
KIMG0113
完成!

いただきマース
まず身から…
…(゜~゜*)
アラ上品。
非常にしっとりとしていて軟骨魚類らしさを感じるが、神経抜きのおかげでアンモニア臭が皆無なので、万人受けしそうな味わい。
肉がしっかりしているのでオリーブオイルととても良く合う。
確かに風味は強くないので刺身にして醤油で食べてしまうとやや物足りないのかもしれないが、カルパッチョやセビーチェのような洋風スタイルにすると持ち味を発揮しそうだ。

味:★★★★☆
価格:★★★☆☆

そして吻。

…(゜~゜;;)
こ、これは噛み切れない
食感はあくまでぶりぶりなのだが、弾力がありすぎて相当噛み続けないといけない。
しかし口中で温められすぎると、じんわりとあふれ出てくるエキスのかすかなアンモニア臭が感じられてきていまいち。
生で食べるなら、もっと小さく刻んだほうがいいな…

味:★★☆☆☆
価格:★★★☆☆

軟骨魚類入門に最適

とりあえず身と吻を食べてみたが、他のサメやエイと比べて身質が普通の白身魚に近く、臭みが少ないのでとても食べやすい。
鮮度保持については気を配る必要があると思うが、軟骨魚類の入門編としてはとても良いのではないかと感じた。

残りの頭部、鰭そして内臓についてはしばしお待ちを!

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魚介その1(魚系) 豊栄水産
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コメント

  1. さかどくん より:

    こんばんは(^^)
    アカエイとかカスベよりうまそ~。
    市場の岸壁下によく棄ててあった。
    もったいない!

    • wacky より:

      それを捨てるなんてとんでもない!!
      これは普通のエイやサメよりもかなり美味いと思います。もともとエイ・サメを食べない地域なら美味さを知る由もないですが、「よく分からん」という理由だけで廃棄したのだとすれば重罪ですよ

  2. さかどくん より:

    こんばんは(^^;)
    アカエイならスーパーに売っています!煮付けも売っています。
    あまり獲れないからかなぁ。
    まぁ、アカヤガラも捨てちゃう土地柄。

  3. 牛乳 より:

    はじめまして!
    いつも楽しくブログをよませていただいています。
    先日、サカタザメを買い食べたのですが、その際内臓を煮付けにしました。吻は牛すじのようにトロトロと美味しく、肝はプリプリとしていてモソモソせず味は非常に良かったです。鮮度が悪く生臭くなっていましたが…
    卵巣のような部位は黄色く、噛むと少し粉っぽく栗ご飯の栗のような色、食感で面白かったです。個人的には好みではありませんでしたが…

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