「海の馬刺」コブダイのデコ刺を食べてみた

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以前開催した「岡山野食会」の際にコーディネートしていただいた、笠岡市地域おこし協力隊のてらだいおりさん。
活動内容をブログにされていて面白く読ませていただいているのですが、なかでも特に興味深かったのがこちらの記事。

コブダイのコブの食べ方は馬刺しでした!

コブダイが、馬刺に……!?

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「コブダイのこぶ」≒「馬のたてがみ」?

西日本、特に九州で馬刺しを食べたことがある人なら、赤身と一緒に「真っ白な肉」が盛り付けられているのを見たことがあるはずです。

あれは「たてがみ」と呼ばれる首周りの肉で、見た目の通り脂がのっていて非常にジューシーです。

一方でコブダイ

ベラ科の巨大魚で、大きく成長するとメスからオスに性転換し、おでこと顎がこぶ状に肥大するのでこの名があります。

そしてこのこぶですが、こちらも内部はほぼ脂身です。なのでここだけを刺身にすれば、たてがみのようなジューシーさを楽しめる、というのです。
なんだそれスゲー発見じゃんビックリしてる やってみなくては🎵

でかコブダイを釣ってきた

というわけで向かったのは兵庫県。大阪湾から瀬戸内海にかけてはコブダイの巣と言われており、身近な堤防の足元からモンスターのようなコブダイが現れることで知られています。

ちなみにぼくが初めてコブダイを釣ったのは東京湾でしたが、生息数はあまり多くないようで狙って釣るのは簡単ではありません。あの時のビッグワンは、完全にはるき船長のおかげでした。


別件取材に託つけ、釣竿を担いで神戸に向かい、師匠のアドバイスを受けて頑張ってみます。

釣り方は半フカセの落とし込み釣り、エサはムール貝の半貝で、寄せ餌もムール貝というかぶせ釣りスタイルです。タックルは曲げに強いグラスファイバー製のいかだ釣り竿、4,000番のスピニングにPE5号、タルサルカンを介してフロロ12号をリーダーにします。針はヒラマサ磯針11号。


神戸から淡路島、再び本土と大阪湾岸をうろうろし、最終日の夕方にようやく

ゲットだぜ!😆
66cm推定5kg、まあまあサイズのコブダイです。このくらいのサイズになると、メスからオスへの性転換がぎりぎり完了しているかな……という感じですね。

コブもまあそれなりに。
サイズのわりに顎がでかくてパンチの効いた見た目ですね。カッコいいなぁ。、

コブダイをはじめとしたベラ科の魚は、野締め(自然死)させると臭い粘液を出して食味が悪くなってしまうそうなので、これも釣り場で締めて血抜きまで済ませておきます。
持って帰って食うぞー!

コブダイの「馬刺し風」を食べてみた

三枚に下ろして皮を引き、脂ののりを確認します。

ふぅむ……まあまあかなぁ。
コブダイはオスに性転換すると、身体中の脂肪をおでこのこぶに集めるようで、皮下脂肪が減りさっぱりした味になります。
多くの資料に「コブダイは大きいほうがうまい」と書かれていますが、上記の理由から身の美味しさは60cm程度をピークに下がっていくものと考えるのが自然で、また以前この推測をブログに載せたところ多くの方からご賛同いただきました。やはり食べ比べは大事ですね。

とはいえ! 今回は仮に身がさっぱりでも全然無問題です。なぜなら


こぶの刺身があるからさ!

熊本の馬刺しでは、サシの入らない赤身とたてがみを会わせて盛り付け、一緒に食べられるようにするのがポピュラーです。コブダイでもやってみました。

じゃじゃーん! コブダイの「馬刺し風」お造りです。
さっそくいただきましょう。

シェフちゃんが買ってくれた美味しいスダチポン酢をつけて、いただきまーす

……(;~;*)うん…めぇ……! 
こいつぁグレートですよ!!

コブダイはいわゆる磯魚の代表格で、夏場などは磯臭さを感じることがあります。そのためコブも多少の臭みを覚悟していたのですが、全く感じません。
牛の脂身から獣臭さとしつこさをとっぱらい、甘味を足したような……まあそんな難しい例えをせずとも、マダイの上質な脂肪をきゅっと集めて塊にしたという感じです。
これを、身の後ろ寄り、尾ひれの際の強く締まった部分の刺身と合わせて食べると

いやマジでたまんないっすわ……ムチムチプリプリした歯応え抜群の肉に合わさる、甘味たっぷりながらさらりととろけて嫌味を全く残さない美しい脂身……。
今季ここまで食べた刺身のなかでいちばん上ですね。なるほど、オスのコブダイはこうやって食べたらいいんだな。

味:★★★★★
入手難易度:★★★☆☆ 最近都心でもときどき見かけるけど、あれは野締めなのではないかな


てらださんのアイディア、素晴らしかったです。早くまた岡山で(ほかの場所でも)野食会再開したいなー。

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魚介その1(魚系)
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野食ハンマープライス

コメント

  1. より:

    旨そうですが、コブ付きの兜煮食べた後にリバースした胃腸の弱い私には無理そうだ…

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