神奈川の残念アイゴは「あのB級グルメ」の食べ方がオススメ!

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最近、関東周辺の海でもアイゴが増えています。

温暖化のせいか黒潮蛇行のせいかはたまたそのいずれもか、なんにしても増えてしまっています。三浦~伊豆にかけては特にひどい。
なんで「~しまった」なんて言い方をしているかというと、海藻を主食にするこやつらが増えすぎることで、海底の砂漠化(いわゆる磯焼け)が進んで生物相が貧弱になってしまうからです。まあこの磯焼けもまた水温上昇のせいといわれており、アイゴにすべての責任を負わせるのはフェアではないのですが。。


さてこのアイゴ、関東の人にとっては新顔の魚ということもあり、また鰭に毒棘を持つこともあって、魚屋に並ぶことはほとんどありません。

なのでこの魚に出会うことが多いのは釣り人なのですが、彼らにとっても基本的には外道なので喜ばれはしません。
関東のアイゴは最大で40㎝近くなり、弾きの強さも強烈で釣って楽しい魚だとは思うのですが、残念ながら人気は皆無です。それはひとえに毒の存在があると思うのですが、そこに加えて「食味の悪さ」も理由なのではないかと思うのです。

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神奈川のアイゴは皮ごと喰え!

アイゴなど、岩礁帯に棲息し海藻を食べる魚たちは、その地域の海藻植生によって食味が大きく変化します。福岡県などの九州北部、また最近増えてきている瀬戸内海などではアイゴはあまり大きくならない代わりに磯臭さが少なく、美味だといわれています。瀬戸内のものは内臓すら臭みがなく、丸ごとの煮つけがとても人気があるのです。


一方で関東や伊豆のアイゴは大きくなるのですが、釣り上げたとたんに顔をしかめたくなるほどのアンモニア臭さを放つものがいます。そこまででなくても、触った手の臭いを嗅ぐと腐った海藻の匂いがしてげんなりするのが普通です。
「釣ったらすぐに頭ごと内臓を捨てて、血抜きしたら匂わない」なんてアドバイスもよくいただくのですが、残念ながらこちらのアイゴは皮が臭い! ので内臓を出したところでどうしようもないのです。いったい何を食べたらそんなに臭くなるんだねキミタチ……?

というわけで関東でアイゴが食用魚として人気が出ることは近々には想像しがたいのですが、しかしそんな彼らを美味しく調理する調味料をこの度見つけました。
それはシロコロホルモンのたれ

時は来た! 「シロコロホルモン」と今こそ向き合う :: デイリーポータルZ

これは簡単に言うと味噌を主体にみりん、しょうゆ、豆板醤、ニンニク、ショウガを混ぜたタレで、食材の匂いを消す力が非常に強いです。シロコロホルモンは神奈川の厚木というところのB級グルメなのですが、当地ではホルモン「シロ」を生のまま切り開かず、筒状のまま焼いて食べるので、濃くて臭い消しの力が強いタレを用いるのです(そもそも非常に鮮度のいいホルモンを使うというのが大前提だけど)。

これを一口大に切ったアイゴにまぶして揉みこみ、焼けばおっけー! ……なのですが、ここでひとつコツがあります。
それは「アイゴの皮を剥がない」ということ。

関東のアイゴの皮は前述の通り非常に臭く、とても食べ物とは思えない臭いがするのですが、しかしその磯臭さもシロコロホルモンのタレの前にはすぐに霧散してしまいます。そして実はアイゴの皮、それ自体は厚みがあってゼラチン質が豊富で、食感がとてもいいのです。鱗も非常に細かいので取らずにそのまま調理することができます。
おススメの調理法は、3枚におろしたアイゴを皮つきのままサク取りし、腹骨をすいてから1㎝幅に切ってタレを絡め、ごま油を引いたフライパンでさっと焼く、みたいな感じです。


これをご飯に乗せて食べるとメタクソに美味いです。玉ねぎと一緒に炒めてビールの当てにするのもよし。

味:★★★★☆
価格:★★★☆☆



あ、アイゴが釣れた時に鰭の毒棘を切り取ると思いますが、背鰭の最前部に前方を向いた隠し棘が1本あるので、そちらも忘れずに切り落とすようにしてください!
福岡だと常識なんだけど、こちらの釣り人はまだアイゴに慣れていないと思うので。。

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コメント

  1. カーエーオイシイよ より:

    初めまして。いつも楽しく勉強させていただいております。

    ウチナンチュですが初見の調理法です。ぜひ試させていただきます!

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