初めて行った干潟でハマグリ・シジミをしっかり採るコツ

干潟遊びは春~初夏の遊びとしては最も盛り上がるものだと確信している。

眉間にしわを寄せてメジナだの乗っ込みチヌだのを釣ってる御仁も、この時期ぐらいは童心に帰って干潟をほじくり返してみればいいのにと思う。
5月病にも効くと思うよ、この楽しさ。
潮干狩り,収穫
さて、先日は2日にわたりとあるマイナーな干潟を訪れ、ハマグリやアナジャコをはじめ、様々な土中の宝を掘りだすことに成功した。
初めて行った干潟でもある程度の結果を残すことができたのは、それぞれの生きものたちの習性をある程度理解していたからだと言えそうだ。

隠すのも何かつまらない気がするので、干潟遊びのキモともいえる彼らの習性について、自分が知っていることをまるっとさくっと放出してしまおうと思う。
読んで下さる皆さんも、わが知識こそ正解!という自信のある方はどんどん教えてください。
楽しく干潟を耕そう!(酷い筋肉痛に苦しみながら)

 

ハマグリとシジミは同じ場所を探そう

いまや幻となった江戸前ハマグリ
大きな本ハマグリ
ハマグリ,東京湾
外洋性のチョウセンハマグリや、放流されたシナハマグリではない、本ハマグリがこんな工業地帯の干潟にゴロゴロ生息している…たぶん2週間前の自分に言っても信じてはもらえないと思う。
ただ残念ながらというか当然ながらというか、アサリと比べると生息密度は低い。
小さな個体も多く、継続的な繁殖がなされていることは間違いないが、それでも殻長4cm未満の個体は放流してもらうようお願いしたい。
コツさえ知っていれば、4cm以上の「ハマグリ!」というカンジのものが両手いっぱいには採れるはずだ。

また同じ場所ではぷっくりと膨らんだ大きなシジミ(ヤマトシジミ)も採れる。
シジミ
当地のシジミは市販のものと比べると茶色みが強い。
大きくても2㎝はないくらいのものが多いが、汁物にするとすさまじく濃いダシが出て、十三湖や宍道湖のものと比べても全く引けを取らない味わいだ。

同じヤマトシジミでも、例えば多摩川河口域の川崎側に生息しているものだと、殻長はゆうに2㎝を超える大きさで、色は輝きのある純黒である。
デカいシジミ
それだけならいいのだが、残念なことに非常に泥臭くまた鉄臭い。
紹興酒や生姜・ニンニクの力を持っても全く打ち消すことができず、泣く泣く捨てた思い出がある。
生息域の違いで食味にも大きく影響することがあるので、気を付けなければならない。

捕りたい獲物から掘る場所を決めよう

さて、ハマグリ・シジミを採るためには、まずは真水の影響力を考える必要がある。

アナジャコにも言えることだが、アサリやマテガイと比べると、ハマグリとシジミは真水の影響が強いところに多い。
一つの川の河口干潟でも、塩水くさびの影響が感じられる流心寄りにはアサリやホンビノスガイが、岸寄りの粒の粗い砂泥が積もっているところにはハマグリやシジミが生息している。

このような違いから、ハマグリ・シジミはアサリよりは岸寄りの、潮の引いていくときに早い段階から干出し、満ちていく中で遅くまで陸地が残る場所というのがポイントになる。

三番瀬,市川

干潟は単調に見えて、泥の粒の大きさや淡水と海水の影響など様々な要素が違いを生み出している

また、河口干潟というのはだいたい流心が深く、岸に向かうにしたがって一度わずかな盛り上がりがあり(自然堤防)ふたたびやや低い湿った場所があって(後背湿地)岸に向かって緩やかに高くなっていく。(上記2つは地理用語ですが、本来はもっとマクロな地形を説明するのにつかわれます)

ミクロな視点で見ると、ハマグリは自然堤防の周辺に多い。
潮干狩りとなると、一目散に沖合の水際線まで行ってしまいたくなるが、その気持ちをちょっと律して少し手前側を掘ると素晴らしい“掘果”を得られることが多い。
また、潮が満ちてきても最後まで海水に浸からない自然堤防上は、ライバルたちも見逃しやすいので、その点もオススメなのだ。

ホームグラウンドの一つ、江戸川放水路の航空写真。 青矢印が淡水を含んだ反転流、緑で塗りつぶした部分が自然堤防で斜線部分が後背湿地。

ホームグラウンドの一つ、江戸川放水路の航空写真。
青矢印が運河からの流れ込み、緑で塗りつぶした部分が自然堤防で斜線部分が後背湿地。


シジミは自然堤防の頂上から少し下ったところや、後背湿地の方に多く生息する。
掘るときは泥の質について注目するようにしたい。
足が埋まって抜けなくなってしまうような、なめらかで青黒い泥は、内部では還元が起こっており、採れるシジミはどれも鉄臭く食べられない。
同じ場所でもホンビノスガイは美味しいのだが…

これらの地理条件のほか、塩水くさびや運河からの流れ込み、塩分濃度の違いなどの微少条件が生息密度を大きく左右する。
初めて行った干潟では、まず周囲を大きく見渡しながら、ここぞ!というポイントを推測するのが名人への近道だ。
このあたりは経験がものをいう。

ハマグリもシジミも、拍子抜けするほど浅いところに生息している。
大きなシャベルで3~4㎝ほどの深さを一掻きすれば、すぐに貝殻が露出するはずだ。

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単調な泥の中から光り輝くきれいなハマグリを見つけたときの感動はなかなか言い表せない。
シジミの場合はもっと簡単で、潮が満ちてきた波打ち際を軽く一掻きし、水が澄むのを待てばいくらでも拾うことができる。
他の人がほじくり返した後を巡って拾い集めても、市販品1パック分は採れるだろう。

欲張って大きな貝まき(※違法)で砂をごっそりかき集めても、ハマグリもシジミもたくさんは取れないのだ。
世の中はうまくできている。

江戸前ハマグリ・シジミの上手な砂抜きと美味しい食べ方

こうして採った貝たちは、持ち帰り次第速やかに砂抜きをしてしまいたい。
通常、貝の砂抜きは生息しているところの海水を用いて行うのが鉄則だが、河口干潟の場合はできるだけきれいな水を持ち帰るようにしたい。
満ちてくる海水を汲むようにするほか、シジミなどは強いのでミネラルウォーター+食塩でも十分に砂を吐く。
やや抵抗があるかもしれないが、その場で海水を舐めてしょっぱさを覚えておき、帰宅後の食塩水づくりに生かすのが最良だろう。

ハマグリ,シジミ,砂抜き

貝の上にペーパータオルを敷き、その上から塩水を入れると汚れやゴミが濾されてきれいな水に貝を漬けることができる。また貝が噴出する水が容器の外に出ない。


ハマグリと言えば焼き蛤が一番、という人も多いが、どれほど上手に砂抜きをしても、河口干潟のハマグリの場合どうしても後味にわずかに泥の風味が残る。
そのためただ焼くよりも酒蒸しやワイン蒸しのほうが、人を選ばない美味しさに仕上がる。
焼き蛤
ハマグリ酒蒸し



以上、どの干潟でも使えるハマグリ・シジミ捕りのコツをまとめてみた。
これ以外にも「うちのホームグラウンドじゃこうだぜ!」という情報があれば、差支えない範囲でぜひ教えてほしい。
集合智でかしこくスマートな潮干狩りの達人を目指しませう!

 
 
 

コメント

  1. 浅野 より:

    静岡県の浜名湖です。いつも興味深いレポートありがとうございます。
    私はカガミガイの大きいのが取れると持ち帰ります。アサリは砂出し・潮出しと数時間食べられないので砂を吐かないうえに、砂玉まで持つカガミガイをいきなり調理してます。洗って沸騰した湯に入れて口が開いたら水に浸けて冷まして身を取り出します。貝柱の中央よりに茶色か黒の8mmくらいの砂玉を包丁でえぐり取り流水で貝全体を洗います。ダシのない貝ですのでゆで汁は捨てて身を醤油バターでソテーします。貝の味が薄い貝なので脂肪とお旨みを加える調理が合いますし、貝が苦手な人でもクセがないので食べやすいです。

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