アメ横でナマズ(クリプトプテルス?)の燻製を買ってみたけど…

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先週末、いつも通りアメ横センタービルをうろうろうろついていると、いつも謎野菜を買う食品屋さんの冷蔵庫に、見慣れない魚食品を見つけた。
KIMG1142
やたらと偏平した魚体で、燻製しているのか体色は黄金色になっており、頭に串を通してメザシ状に連ねているようだ。
見事なしゃくれ顔をしていて、背鰭が無く、代わりに尻鰭が尾鰭の付け根まで続いている。
鱗はなさそうだ。

鰭のカンジからナイフフィッシュかなとも思ったが、シルエットからすると違うようだ。


すみません、これ、ナマズですか?

「ナマズじゃないねー。何だっけな、ソードフィッシュじゃなくて…ちょっと忘れたけど、ナマズじゃないです。」

(ナマズじゃないのか…?あとソードフィッシュは映画の名前だろう…)
そうですか、ちなみにいくらですか?

「500円でいいですよ。(横からタイ人っぽいおばさんが)タイの魚だからね~オイシイヨ~!」

そうですか、じゃあひとつ下さい。

「毎度あり。焼いたり、揚げたりして食べると良いよ~」

なるほど、ありがとうございます。

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結局ナマズなのか…

持ち帰りがてら、写メを取ってせつなさんに送ってみると「ナマズだろう」とのこと。
ですよねぇ…でもナマズじゃないって強調されちゃったんですよ。。

平坂さんにも聞いてみたところ、「クリプトプテルス・アポゴン」ではないか?とのこと。
あ、それ知ってる!
グラスキャットフィッシュの仲間だよね!

…ってやっぱりナマズじゃねぇか!

お店の主人には悪いけど、師匠&友人のほうが間違いなく信頼できるのでこいつはナマズということにしよう。
クリプトプテルス・アポゴンは産地では干物や燻製にして食べられているということなので、こいつはそれに違いない。

いろいろ試してみたけど…

というわけで、我が家の台所に突如現れた謎のアジアンナマズ。
KIMG1158

すげぇしゃくれてて鬚が生えている

すげぇしゃくれてて鬚が生えている


さて、どうやって食べてみようか。

胴体に縦に1本、そしてメザシ状に刺さった串を抜くと、パリッパリになるまで干しあげられて燻製されたとおぼしき身はぱらぱらに崩れてしまった。
そのひとかけらを口に入れてみる。

燻製魚ですな。
ここまでパッキパキに干されると、本来の個性を味わうのはなかなか難しい。
ただナマズにしてはよく脂がのっているなという印象。

干物だからかなりしょっぱいかと思いきや、塩味はごくごくわずか。
燻製のせいか若干のエグ味が感じられる。
そしてかなり固い。

火はとおした方が美味しそうだな。
ということで少し焼いてみた。
KIMG1165
こうすると燻製魚っぽさが良い風味になり、脂が香ばしくてまあまあ美味しい。
でもやっぱりエグ味が抜けない。
ってか強くなった?

焼いてダメなら揚げるしかない。
ということでハサミで適当に切って揚げてみた。

燻製を揚げると大量の泡が出る

燻製を揚げると大量の泡が出る


からりと揚がった

からりと揚がった



風味は悪くないね。
でも塩気が全く感じられなくなっちゃった。

インドネシアでは燻製やカチカチの干し魚を揚げて、サンバルソースをまぶして食べるらしいのでやってみた。

…(・~・*)
うん、これは美味しい。
サクサクの食感とピリッとした濃厚なサンバルソースがよく絡む。
こうやって食べるのが正解かな?

味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆

インドネシアつながりでもう1個。
トゲ・カー・イカン・アシンっぽいものを作ってみた。

イカン・アシンとはインドネシア語で干した魚という意味で、この料理は揚げた干し魚をもやしと炒めたものらしい。
燻製ナマズでやるのかは知らないけれど、まあいいや。

揚げたナマズを砕いてもやしとともに炒め、刻んだ厚揚げも入れて炒める。
KIMG1175

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本来の材料であるところのイカン・アシンはくさやのような臭いがあり、かなりしょっぱいらしいので、それらの要素を補うべく、インドネシアの魚醤「ケチャップ・イカン」…はうちになかったので普通のナンプラーを投入。

最後にインドネシアの甘い醤油「ケチャップ・マニス」…もなかったので九州の甘い醤油で味を調えて
KIMG1180
完成。
全くうまそうな見た目じゃないが、香りはとてもサウスイースト・アジアンシーと言ったカンジ。
淡水魚だけど。

…(・~・)
…うーん、マズくないけど、パリパリに揚げたナマズともやしの食感がどうにも合わないなぁ。
味は悪くないけどね。
この料理自体は、謎のナマズの燻製よりは、西伊豆特産「塩鰹」ないしは「塩ウズワ」でやったほうがいくぶん近いものになると推測。

味:★★☆☆☆
価格:★★☆☆☆

アメ横の謎食材に助けられる日々

というわけでそのポテンシャルを生かせた気は全くしないけど、ナマズの燻製をそれなりに美味しく食べることができた。
アメ横センタービルにはこのような謎食材がそれこそアホみたいに存在していて、とてもすべて食べ切れる気がしない。

これからの季節、外で食材を拾ってくるのがなかなか難しくなってくるので、ここの存在は本当に頼りになるのだ。

…けどなんか、ちょっとそれだけじゃつまんないな…
ちょっと違ったことも考えてみようかしら。

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コメント

  1. べーやん より:

    はじめまして。いつも楽しく見させてもらっています。
    謎ナマズですが、アポゴンよりパービャウのように見えました。
    素人目なので全然違っていたらすみません!!
    これからも更新楽しみにしてます

    • wacky より:

      コメントありがとうございます!

      パービャウ、調べてみましたが、たしかに牙のようすなど、こちらの方が近い感じがします。ありがとうございます。

  2. さかどくん より:

    こんばんは(^^)
    ナマズの類は世界的にポピュラーですねー。
    ところで、話題のうなぎ味のナマズ、食べてみたいですねぇ。。
    かねがね、天然の小河川ものはそっくりな味と聞いていましたので。

    • wacky より:

      味もいいし、どこにでもいるし、デカくなるしで食材にはもってこいですもんね。

      アレはそこまで良い評判を聞かないというか、結局ナマズじゃねーかという声が周囲からちらほらと聞こえてきています。
      ナマズよりは同じウナギ目から代替品を探したほうがいい気がしますけどもねー

  3. 淡水魚の魚醤 より:

    コメント失礼いたします。
    上の方が既にご指摘されていますが、
    こちらはBelodontichthys dinemaで合っていると思われます。
    メコン川で淡水魚の研究をしておりました。

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