先日キノコ狩りに行きましたらば、ちょっと見たことないキノコが群生しているのを見かけまして。。
パッと見はクリタケやクリフウセンタケに似ていますが、発生していたのは彼らが生えないカラマツやアカマツ、モミの針葉樹林。
そして束生(束になって生えること)していたのはこれだけで、あとは単生(ぽつりぽつりと出ること)でした。
かさの表面は淡い茶褐色で、柄には細かいささくれがいっぱい。持ってみると持ち重りして、柄が予想より長く地中に刺さっています。
特徴的なのは匂いで、ちょっと鼻に引っ掛かるような生臭みのある松脂臭があります。なんだこれは、嗅いだことのない匂いだ……
こりゃあ分からんと持ち帰り、図鑑を見てもピンと来ず。やむなくTwitterで聞いてみたところ、有識者各位から「フキサクラシメジでは?」という返信が次々と届きました。
なんと! と思いながら改めてヤマケイ図鑑を見てみると、特徴がほぼ一致。図鑑掲載の写真ではだいぶ白いですが、ネットで調べる限りは淡い茶褐色くらいのものが多いみたいです。
そしてあの特徴的な匂いは「魚のようなやや不快な香り」となっていました。うーん……合っているような、なんか違うような…(;´д`)
でも、この匂いについても個体差が大きいということなので、とりあえずフキサクラシメジの可能性が極めて高いということでオッケーとしました。
フキサクラシメジ、臭い
フキサクラシメジは食用として人気の高いサクラシメジの近縁種で、こちらも食用とされているようです。
ただごく一部の地域を除くとあまり好まれないキノコのようで、見つけても採取されないことが多いです。
話を聞くに、理由はやはりその匂いのよう。ぼくは上記の通り、採取時には「生臭さとヤニ臭さ」だと感じたのですが、一般的には「魚の干物臭」「汗臭さ」などと表現されるようです。
さらにはネットを見ると「チン○ス臭い」と胸元インハイ165km/hストレートな表現をされてる方もいました。いやいやそれはちょっと言い過ぎでしょ……
と思っていたら、持ち帰ってかごから出して改めて嗅いでみたら、松脂臭の向こうからチ○カスの匂いがフワっときました。
ワインソムリエ風に表現すると「冠雪麗しい独立峰の山麓に広がる雄大な針葉樹林で、締め込み一丁でモミの木を切る筋骨隆々の木こりのふんどし(三日目)」みたいな感じでしょうか。マトモに嗅ぐとウッとなります。
どうやら本家サクラシメジと同様に蒸れやすく、痛みやすいキノコのようです。さっさと調理してやらないと台所中がふんどしになるバイ。
フキサクラシメジを食べてみた
流水でゴミや土を洗い流し、きれいにします。
よく洗うと香りはあまり感じなくなりました。これならワンチャンいけるかも……
ということで、まずは味を知るべく
そのまま素焼きにしてみました。
醤油をかけていただきます。
いただきまーす
……(;´д`)ぐはー
やっぱりくせぇ……でもチンカ○じゃない!
これは、なんだろ……
……もう一口……
……(;´д`)くせー
あ、分かった! これあれだ、新築の家の中の、針葉樹の材と接着剤やらなんやらの匂いが混ざったやつだ!
ドアを開けたときのあのムンとくる不快感が口のなかで爆発します。○ンカス臭と新築臭がこんなにシームレスに繋がるとは、驚きを隠しきれません。これ飲み込むのしんどい……
しかも臭いだけでなく、サクラシメジに共通する苦味もありますね。旨味はまあまああるようには思いますが、これはシンプルな味付けはしんどいです。
というわけで、まず一旦ゆでこぼし、
アケビの皮と一緒に多目の油で炒めてから味噌、みりん、日本酒、砂糖で煮てみました。
……(´・~・`)うーん
苦味がアケビのさわやかな苦味で上書きされて、食べられるようにはなった。でも匂いが上書きされ切ってないし、ものによってはまだだいぶキツいですね。
ゆでこぼしのためか旨味も抜けきってしまい、魅力はコリコリシャキシャキとした食感だけ。
この調理法は良くなかったな……
味:★★☆☆☆
価格:★★☆☆☆
美味しく食べてるよーという地域の皆さま、よかったら美味しい食べ方を教えてください……
コメント
豆と一緒に炒るとかごま油で天麩羅かしらん?
ごま油使ったんですけどねー(´・ω・`)