英国の誇り「ウナギのゼリー寄せ」をウツボでやってみた

イギリスを代表する料理といえば

…フィッシュアンドチップス!
いいですねぇ、今度作りましょう。

…ショートブレッド?
素晴らしい、実は僕の得意料理(お菓子)だったりします。

でも今日はそれじゃなくて

Wikipedia「うなぎのゼリー寄せ」より

Wikipedia「うなぎのゼリー寄せ」より

ウナギのゼリー寄せの話をしたい。

 

ウナギのゼリー寄せとは

イギリスといえば日本人の旅行先としても人気の地域だ。
戦前まで含めれば日本との交流も盛んで縁も深く、カレーライスをはじめ意外なところで食文化のつながりも合ったりする。

以前あるサイトで、アルバイトをしてお金を貯めたら何をしたいか調査をしたところ、海外旅行という答えが一番多かったとのこと。
お金を貯めてイギリスに行くのも面白いかも…。

バイトで稼いだお金の使い道

しかし、そのイギリスの首都ロンドンが誇る名物料理「ウナギのゼリー寄せ」には注意が必要だ。
この料理、全体的に評価の芳しくない英国料理の中でも圧倒的に不評だとされている。


Wikipediaによると「ぶつ切りにしたウナギを煮込んでから冷やしてゼリー状に固めたもの」
ウナギを料理したことがある人間ならこの調理法のやばさがわかるハズ。


日本ではウナギは割いて硬い骨を取り去り、じっくりと焼くことで脂を爆ぜさせながら泥臭さや川臭さを適宜抜き、さらに山椒やワサビなどで風味をつけることで美味しく食べられている。
英国以外の海外諸国ではこれに燻製の工程が加わったり、あるいは香味野菜や赤ワインで煮たりすることで匂いを消す。

臭みをとるっていう考え方はイギリスにはないのだろうか?


この料理、当然日本では食べられるところは少なく(あるのか?)食べたければお金を貯めてイギリスに飛ぶか、自作するしかない。
とはいえ現在の関東地方では、美味くなるかどうかわからない調理実験にウナギを使うことは、価格的にも道徳的にもちょっと難しい。


であれば
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君の出番だ!

先日釣ってきたウツボの後半身で代用してみることにした。

ウツボのゼリー寄せを作ってみた

改めてレシピを確認すべく、ウィキピーディア先生に再登場願おう。

通常、ウナギは身を筒状にぶつ切りにされた後、酢と水にレモン汁やナツメグを加えたもので煮込まれ、さらに煮汁ごと冷やされる。wikipedia うなぎのゼリー寄せ より引用-


まああれだ、僕ら日本人とは常識が違うのだからしょうがない。
ここはヘンに手を加えることなく、そのままの英国を楽しもうではないか。

ということで、まずウツボの上下のヒレを付け根の骨ごと
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切除。
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それを2㎝ほどの幅で筒切りにして鍋に並べる。

ひたひたになるくらいの水を入れて、そこに
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レモン半個分の果汁
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酢、ナツメグと塩少々を入れて、弱火でゆっくりとゼラチンを煮出す。
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1時間ほど煮て、冷えたら器に移し、
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冷蔵庫で一晩冷やすと。
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おお、固まったぞ。
うなぎで作る場合、固まり方が甘くなるのでゼラチンを追加することもあるらしいけど、さすがウツボだけあってその必要は全くなかった。


皿に盛り、チリビネガーをかけて食べるとのこと。
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いただきマース

…(・~・)
…あーね、うん、なるほど。
まあ、こんな味じゃないですかね。

感想ですが、まずこの料理、チリビネガー選手がいないと全く勝負にならないだろうね。
臭み消しをしてないので当たり前なんだけど、そのまま食べようとするとウツボの磯臭さが非常に立ってしまい、かなり苦しい。
でもここにチリビネガーの酢臭さとスパイシーな風味を加えることで、料理として一応の調和がとれる。


とはいえそれでも、口に入れるとウツボの右ストレートが高速で放たれ、それをチリビネガーが紙一重でよけながら右でカウンターをぶち込むような非常に危なっかしい戦いが口の中で展開される。
あるいは先発が大炎上からのチリビネガー投手のロングリリーフ(8回1/3 4失点 6四死球)みたいなイメージ?


よそ様の料理だし、できるだけ肯定的評価をしようと心がけたんだけど、一口食べるとどうしても
「明日またここに来て下さい、もっと美味いウナギ料理を食わせて見せますよ」
と山岡さん的セリフが口を突いて出そうになる味わいだった。

味:★★☆☆☆
価格:★★☆☆☆



このまま食べ続けても感想は変わらなさそうだったので、
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再び鍋に戻し、煮溶かしてそこに少しの酢とブイヨンを追加。
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そして再凝固。

…(・~・*)
うむ、これはなかなか。
最初に煮た時に酢とレモン汁を入れてしまったので、洋風の方向にリカバリーを試みたのだが、うまくいってくれたようだ。

ウツボの風味は酢によってある程度抑えられ、ブイヨンの風味とウツボ由来のゼラチンが異種間マリアージュを果たす。
これ、身をほぐして骨を抜いてから型に流して固めたら、立派な前菜「ウツボのアスピック」になるんじゃないだろうか。

味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆



英国ではマスを茹でて身をほぐし、酢をかけて食べるという料理があるという。
そもそも臭みの少ないマスは茹でて臭みを取り、ウナギは逆に臭みが丸ごと内包される調理法で食べているというのは、外国人の僕から見ればとてもユニークに見える。


幼少時から林望先生の「音の晩餐」を読んで育った僕は、たぶん他の日本人よりは英国料理が好きな方だと思うけど、それでもやっぱり魚は日本の料理が一番美味しいと思った(小並感)
ウツボはフィッシュ&チップスにしたほうが絶対美味しいっすわ。。

 
 
 

コメント

  1. 1ファン より:

    これはアカエイとかアブラツノザメみたいなクセが全く無い軟骨魚でやればかなり美味しいのではないかという気がする

  2. えむっち より:

    臭みが強いのをゼリーで閉じ込めてしまうってのがもう、ですね(゚Д゚;)

    私的ベストなウツボ料理は何ですか?
    まったくウツボを食べた事がありませんが、
    拝見してきた感じだと、干したのを焼くのが美味しそうに感じました。

    • wacky より:

      ベストは…やはり刺身でしょうか。メーターオーバーの腹身を使った薄造りはサイコーです。
      あとは干物と、天ぷらも非常にグッドですね。
      干してスープを取るのも捨てがたいし…

  3. タイ在住 より:

    初めまして。
    イタリアではウナギを白焼き、レモン、塩、オリーブオイルで食べ日本人も絶賛するくらい美味しいそうです。水系、泥抜き、そしてセンスの問題では。
    http://butako170.exblog.jp/16204656/

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