アユの青竹焼きを作ってみたら見た目以外は完ぺきなものができた

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「野食のススメ」第10回の記事が公開されました!(2017.4.1)
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先日、毎年恒例となりつつあるタケノコ狩りに行ってきた。


その際に、青竹も少量頂いてきた。
今年こそ、これで青竹焼きをするのだ……!!


青竹焼きとは、食材を焼く際に何らかの形で青竹を関与させたものをいう。

軽く調べただけでも
①割った竹を敷いた上に乗せて焼く
②半分に割った竹の下半分に食材を詰め、上半分を重ねて蒸し焼きにする
③竹の筒の中に食材を入れて蒸し焼きにする
などいくつかのパターンがあるようだ。


青竹焼きの存在を知ったのが「美味しんぼ」である僕にとって、青竹焼きといえば③である。
というわけで実際にやってみることにした。

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アユの青竹焼きを作ってみた

まず、青竹はできるだけ切りたてのものを使わないといけないようだ。
実は去年も青竹焼きをやろうと思い竹を切ってきたのだが、ボーっとしているうちに数日が経ってしまい、竹の水分が飛んでカラカラになってしまった。
こうなるとそもそも青竹じゃないし、焼いていると弾けてとても危険な目に合う。
ワイはもう二度とやりたくないンゴ……(涙目)

サイコガン


青竹は好みの太さのものを2節分ぐらい切り、


角材や鉄パイプなどで、中間の節をどついて割り、スルー状態にしておく。

で、魚を用意するのだけど、当然ながら円筒形の細長い魚が望ましい。
一般的にはスズキを使う様だが、近所のスーパーには切り身しか売られていなかった。
やむを得ず購入したのが


アユ(養殖)。

アユで青竹焼きをする場合は上記①の方法を用いるのが基本のようだが、他に丸のままの魚がなかったのだからしょうがない。
それに養殖のアユは良くも悪くも無個性な味風味と味をしているので、青竹焼きの効果を測るのには最適だろうと考えたのもある。


アユは両面によく塩をして、


網脂でぐるりと包む。
うま味を閉じ込めるためだそうだが、効果はあるのか……?


そしてこれを青竹の中に入れて、コンロの火で竹を炙り、蒸し焼きにする。
でもやり方がよくわからない。
美味しんぼでは筒の入り口付近を持って、底(魚が入っているところ)に火を当てていたので、とりあえずそうしてみるか……


なんかパワーのある絵面www


やっていきましょう

まんべんなく火が通るように、時々竹を回転させ、じわりじわりと火を通していく。

いくのだが……ほんとにこれ、加熱されてる?

中を覗いてみよう。
……うーん、まだまだですねぇ……

全然熱くないし


青竹の熱伝導率は予想以上に低く、熱が内部になかなか入っていかないようだ。


ということで作戦を変更し、竹を横倒しにして、食材の真下から火を当てていくことにした。

台所に煙が充満する……火災報知器には少しの間眠っていてもらおう。


でも燃えそうで燃えない、さすがは難燃性物質・竹。
適宜くるくると回しながら、またしばらく様子を見る。

もう一度覗いてみると

蒸気が噴き出してくる


さっきよりましだけど、まだ加熱具合が弱いね。

入り口をふさいでみよう。

この状態で加熱していくと、ようやく熱がこもりだしたみたいで、竹筒全体が素手では触れないレベルで熱くなった。
このまま30分ほど焼いて、とりあえず完了としてみた。

青竹焼きスーパー美味い

食材を取り出す際には、鉈でパーンと割ってしまうことが多いらしいが、残念ながらうちには鉈がない。
なのでやむを得ず、さかさまにして中身を取り出すことに。

焼いているうちに中に液体が充満していく様子が分かったので、まずはお椀を下に受けて、筒をひっくりかえす。

案の定、液体がドバっと出てきた。
これがめちゃくちゃいい香りするのだが、とりあえず脇に置いて、本体を注意深く取り出す。

oh…


……見た目やべえなこれ。
アユ、骨と身が柔らかすぎて、最初に竹を立てて加熱していた時に頭が胴体にめり込んでしまったようだ。
これを人に供したらブラクラ扱いされるだろうな……
ここはやはりスズキやイサキなどの骨のしっかりした魚を使うのが吉だろう。

でもいいんだ、大事なのは味。
いただきマース

……(;∀;**)
な、なんじゃこりゃー!!
めちゃくちゃ美味い!!


アユの身はふっくらと蒸し上がり、ほくほくとしてとても柔らかい。
網脂のおかげか水分が全く抜けていないようだ。
そしてそこに、タケノコご飯を炊いて炊飯器を開けた瞬間のような、爆発的なタケノコ香がしっかりと染みついている。

……いや、これはただのタケノコ香じゃない。
スーパースイートコーンを口に頬張ったときのような甘くて鮮烈でちょっと青臭い、透き通った香りがプラスされてる!!

………………
無言になってしまう。
上手く言葉にできない美味さなのだ。

ふと思い出して、お椀に取った液体の方をスプーンですくって舐めてみると
(≧~≦)
同じ味がする!
こちらは網脂からの油と、アユのうま味と、竹の甘みが合わさってまるで神の御業である。
やはり、青竹のエキスがベースとなっているのだろう。
これだけで見事な一品になりそうだ。

味:★★★★★
価格:★★★★☆



竹に込めて焼くだけでこんなに美味しくなるんだから、多少調理時間が長くたって全然気にならない。
裏庭に竹林がほしくなる……!

次回は絶対にスズキでやるぞ、しかも夏の脂ののったスズキで……!!

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魚介その1(魚系) 植物
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野食ハンマープライス

コメント

  1. nonnoko より:

    茸本さんなら
    これらの工程を食材探しまで含めすべて野外でしてくるであろうこと
    切に願っております。

    • wacky より:

      願われてしまった……(´・ω・`)
      まあ、バーベキュー映えはする料理ですよね。。

  2. キュバン より:

    屋外でやったのかとおもいきや、なんと家庭のコンロでもできちゃうんですね!
    炭火焼きと同じ?で、色んな食材に竹の香りが付けられるって素晴らしい
    ぜひ、いろんなものを入れてレビューして頂きたいと思いました。ウツボとか…

  3. たきあ より:

    この結果には周大人もニッコリ

  4. とっけい より:

    初めてコメントさせていただきます。
    意味はあるのか、とおっしゃっていた網脂を使用する意義に関してですが、包むことのできるものなら他には何でも良いと思われます。

    フランスで料理人として働いていた時に同様に疑問に思いシェフに尋ねてみたのですが意味合いとしてはラップとおなじ役割でかつ、網脂の油脂は美味ではないので特にこだわるものではないよーと言われ、大変衝撃だったことを覚えています。
    参考になれば幸いです。

  5. こーめい より:

    これは美味しんぼを愛読してる人から見たらたまらんです。

    スズキの代わりに鮎を使う事で和食っぽくなってましたね。笑

    スズキの青竹焼き、楽しみにしてます!

  6. マック より:

    茸本はん…あんた何ちゅうものを見せてくれはるんや…!!!(うろ覚え)

  7. k より:

    青竹の中で焼いてるので蒸されてて水分が抜けないのでしょうね。
    竹の枯れ葉を使った笹の葉茶も美味いそうですが、笹の葉自体がハーブとして使えるのかもしれません

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