「栗虫」クリシギゾウムシを食べる

先日、群馬の山間の県道を走っていると、路上に大量のヤマグリが落ちているのに遭遇した。

ヤマグリは大きくても2cmかそこらの小粒の栗で、体積でいえば市販の栗の10分の1程度しかないが、極めて味が良いことで知られている。
軽く炒っただけでも天津甘栗をしのぐ甘さがあり、落ちているものを拾うだけとあって手間もなく、秋の山の味覚の筆頭として人気が高い。

路肩に車を止めてしばしの栗拾いタイム。

 

ヤマグリの虫出し

拾った栗は天日の当たらないところで2週間ほど陰干しし、殻の表面が少し凹むまで待つ。
これは乾煎りをしやすくするためであるが、それ以上に大事なのが虫出し。

野生の栗の8割は、何らかの虫に食害されていると考えたほうが良いだろう。

クリシギゾウムシ 料理
クリシギゾウムシ 食べる
クリシギゾウムシ 食べる
最も多いのがこの写真のクリシギゾウムシの幼虫で、干している間に終齢幼虫が這い出てきて蛹になるための場所を探し求め彷徨う。
お腹がつっかえているのが萌えポイントだ。

他に、20匹に1匹の割合でクリミガの幼虫も見つかる。
実際は栽培の栗も同程度寄生されている(産卵されている)のだが、農薬の燻蒸処理を行うため孵化せず、結果的に出会わずに済んでいる。
だから燻蒸処理無しが売りの、山の駅などで売られている栗を買うときはかなりの覚悟が必要だ。

栗虫を食べてみる

干す場所を室内に移し、新聞紙の上に置いてしばらく観察していると、コロコロと太った幼虫が次々と這い出してきた。

クリシギゾウムシ 食べる
どうも1個の栗に対して5~6匹ほど寄生しているようだ。かなり窮屈だと思うのだが、1匹しか入っていなかった場合と比べても個体の大きさにそれほど差はない。

這い回るままにしておくわけにもいかないので、近くにあった小皿に集めておいたのだが、すべての栗をチェックしたところ小皿がいっぱいになるほどに捕獲できた。

最初は庭にでも放っておいて、夏に成虫が孵化してくるのを観察しようかとも思ったのだが、調べてみると成虫になるまでに2年以上もかかるらしいので断念。

普通に捨てるのももったいないし…と思いながらネットで引き続き調べていると、ひとつ気になる記述を発見した。

「信州では食べる地域もある」

でたよ信州。ほんと大したもんだ。虫を食べることにかけては信州人は他の追随を許さないね。
でもハチの子にしろざざむしにしろ、食べてる虫は美味なものが多いから、きっとクリシギゾウムシも美味しいんだろうな。
試してみよう。

栗虫調理編

匂いを嗅いでみると極めて温和で、ほんのりと栗の香りがする。

調理法についてはできるだけ手を加えたくないが、寄生虫などいると怖いのでとりあえず炒ってみた。
薄く油をひいてフライパンに乗せると途端にぱちぱちとはじけだすのでビビる。

できたのがこれ
クリシギゾウムシ 食べる

味は…うん、これはうまい

栗風味のポップコーン味で、味がしっかりしているので塩をかける必要がない。
さくっと軽い風味や形が何となくカールを連想させる。これは信州人じゃなくてもイケるわ。

さらに茹でもトライ。
こちらはより栗風味が増幅されて、ジューシーさも残っているため違った味わいになる。頭部が固いのと、かんだときにぶちゅっとつぶれてエキスが出るところが上級者向けか。エキスはナッツ風味、食べたことないけどミールワームと似たような感じかも。

せっかくなので踊り食いも試してみたが、臭みはないものの軽い苦みがあり、香りも薄く面白みがなかった。丈夫な顎で舌を噛まれる危険性もあるので良い子は真似しない方がいいです。

栗虫まとめ

うーん、うまいんだな栗虫って。
これは全然、ゲテモノでも何でもない。イナゴよりおいしいんじゃないかな?

今回は試さなかったけど、クリミガなんかもひょっとすると美味しいかもしれない。
いずれにしても小さいから、満足するほど集めるのが大変だけどね。今後も栗を拾ったら食べてみようと思います。

ちなみに同じゾウムシの幼虫ではるかにデカくなるヤシオオオサゾウムシは、南太平洋諸国で食用にされ好まれているという。

これもヤシの木の芯のでんぷん質を食べてるから、きっと臭みもないし甘くておいしいんだろうな。
特定外来生物で、南日本にも進出しつつあるらしいので、見つけたらぜひ食べてみようと思います。

 
 
 

コメント

  1. せつな より:

    ヤシオオオサゾウムシはTVでよく見たことがあったけど、あれは美味そうですよね。ほとんどカブトムシ並のサイズでありながら生木みたいな中から出てくるから多分美味いと思います。

    幼虫ってだいたい食べてるもの由来の風味しますよね。
    そりゃカブトムシの幼虫が不味い訳ですよね。
    ナミアゲハが濃縮非還元ミカン味らしいのですが食べたことがなく、そのうち経験したいもの。
    でもサンショウについてるのとかだと鼻ぶっこわれそうですが。

  2. wacky より:

    アゲハはあの角の風味がすると思うとどうにも手を出しづらいですが、以前昆虫食の女性が食べていた記事を見たのですがそれほど悪くないみたいですね。
    コブミカンの葉を入れるようなタイの料理か、あるいは京都の木の芽鍋的な料理を想像すればイケる気がします。

    キノコも木についているものと土から出るものでは、木の方が温和な風味で食べやすいですからね。でもそうするとクワガタの幼虫は美味しいのかな…?

  3. taro より:

    以前、川で釣ったオイカワやハヤを、親父が自宅の水槽で飼っていました。
    普段は市販の金魚の餌をやっていたのですが、たまに山で拾ってきた栗から出てきた栗虫を水槽に投入。
    その途端。
    魚たちがパニックのようになって、エライ歓迎っぷり。
    栗虫って、栗喰ってるだけにとっても美味しいのかなーと思ってました。
    美味しいんですね(笑)。
    なんとなく「うまそー」って思ってましたけど…。

    あの、一瞬で大騒ぎになる反応って、なんでしょう?香り?
    渓流魚の釣り餌に、喰い付きは抜群って思ったら、既に商品はあるみたいですね。

    山の栗、味濃くて美味しいですね!
    歩留りと手間の点では悪いけど。

    • wacky より:

      コメントありがとうございます!

      ころころして美味しそうですし、脂っぽさもあるので魚たちにも人気なのかもしれませんね。
      栗虫に限らずイモムシ・ウジムシ系はハイカロリーなので餌に向くと思います。ミルワームとかね。高いけど…

      今年もそろそろヤマグリの季節が近づいてきましたね!
      一日拾っても食べられるのはボウル1杯にもならないんですけど、それがまたいいんですw

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