ヒトデの正しい食べ方 -食べられるヒトデと食べられないヒトデ-

あなた方のヒトデの食べ方は間違ってる!
と僕は声を大にして言いたいのだ。

のっけから何訳わからんことを言っとるのか、とおっしゃる読者諸兄は置いといて、今回はヒトデがテーマです。

ヒトデ,食べる,料理

こいつだよー

 

●ヒトデはおいしいよ

まず皆さんにお伝えしたいのは、ヒトデの中には美味しく食べられる種類がある、と言うこと。

近年のいかもの食いブームのせいか、ヒトデが食べられること、特定の地方では食文化として伝わっているということは比較的知られるようになってきた。

そもそもヒトデはウニと同じ棘皮動物で、熊本・天草地方では黄ガゼ(「ガゼ」はウニの地方名)や五本ガゼと呼んで珍重しているのだ。
美味しくないわけがない。

ただそう言ったキワモノ知識は得てして大事なところが伝わっておらず、中途半端な情報でトライして痛い目に遭ったひとは結構いるようだ。

●食べてはいけないヒトデ

ヒトデのうち、釣り人や漁師以外にとってもっとも身近なのは、きれいな星形をしているイトマキヒトデだろう。
彼らは水深の浅い磯にも多数生息しており、親水公園などでは格好の遊び相手となる。
裏側の明るいオレンジ色を見てはっとした経験があるひとも多いと思う。

そんな身近な彼らだが、実は食べるのには向いていない
どんなヒトデも体内にサポニンという毒成分を蓄えており、外敵に襲われないようにしているのだが、イトマキヒトデの場合このサポニンが多いようで、食べても美味しくない上、舌に痺れるような刺激を感じるのだ。

腕が短くて付け根部分が大きい分、肉が多くて食べがいがありそうなのだが、誘惑に負けると後で後悔する。

また、投げ釣りでキスやカレイを狙っているとエンドレスで掛かってくる刺々しいヒトデ・モミジガイも身近な種類だが、こちらは恐ろしいことにフグ毒テトロドトキシンを含有する場合があるので絶対に食べてはいけない。

●食べてもいいヒトデ

美味しいのはキヒトデという種類で、黄色基調に紫がかった中型のヒトデだ。

ヒトデ,食べる,料理

投げ釣りの外道で釣れた。アナゴは小さく、ハゼがでかい。パースが狂いそうな図…

やや水深のあるところに生息しており、時に大量発生してホタテやアサリに壊滅的被害をもたらす。

食性は貪欲なようで、身餌でもゴカイでも沖アミでも、底に這わせると食ってくる。

●美味しく食べよう!

基本的には何の役にも立たない外道中の外道だが、冬になると彼らは腕の中にパンパンに卵を持つようになる。

そう、彼らのなかで美味しいのは卵巣であり内臓ではない。
様々なサイトや書籍で、灰色の内臓を食べているのを見るが、そこはエグくて渋くてちっとも美味しくないのだ。

冬~春のいい時期に釣れた、雌のマヒトデを割るとこんな感じ

ヒトデ,食べる,料理

ひゃっはー!

ウニと何ら変わらない、黄金色に輝く卵がみっちり詰まっている。

ウニと違うのは、サポニンが含まれているので生では食べられないということ。
蒸したり焼いたりするレシピを見かけることがあるが、サポニンを取り除く意味でも茹でた方が良いだろう。
茹で汁はサポニンの発泡作用で激しく泡立ち、鍋の汚れは漂白作用でキレイに落ちる。一石二鳥だ。

また、美味しい卵を持つ個体は1/3ほどで、一見食べられそうでも渋かったり、舌の上に痺れが起きたりする。
面倒でもいきなりかぶりつくのではなく、端っこを少しかんでみて味を見た方がいいかもしれない。

とまあ色々とめんどくさいマヒトデだが、美味しい卵はウニをよりまったりと濃厚にし、旨味を深めたような他にない絶品だ。

釣れるときにはいくらでも釣れてくるので、持ち帰って片っ端から茹でてしまえば、この美味しさを楽しめる可能性は高いだろう。

カレイ釣りに行ったがヒトデしか釣れないなんてことはこの季節はよくあること。気落ちせずに、いいお土産が手に入ったと思って試してみてほしい。

●末記

ところで、Wikipediaのヒトデのページを見てみると、次のように書いてあった

-体内にカドミウムや鉛などの重金属を多く含むこともあり、基本的に食用には適さない。熊本の天草諸島では、春の抱卵期に、地元で「ゴホンガゼ」と呼ばれるキヒトデを塩茹でし、その卵を食べるという食習慣がある。味は薄味のウニミソのようで多少の苦味がある。-(wikipedia ヒトデ より引用)

マジかよ…

と言うことでヒトデを食べる場合は、できるだけ付近に人の住んでいない外洋に面したところで穫れたものにしませう。
川崎港とか死ぬほど釣れるけど、絶対に食うなよ!絶対だぞ!

 
 
 

コメント

  1. 近藤昌次 より:

    熊本在住で、たまにテレビでヒトデの特集を見ます。おばあちゃんがゆでて食べてましたよ。私は食べたことありませんが、沢山食べたり個体によっては頭が痛くなることもあるようです。おばあちゃんは
    せいがつきすぎて頭が痛くなるとテレビで言ってました。

    • wacky より:

      コメントありがとうございます!
      「精がつきすぎ」とはまたよく言ったもので…(笑)
      たしかに食べ過ぎはよくない食材ですので、それを戒められる言葉なら何でもいいのでしょうね。
      頭が痛くなるのはおそらくサポニンのせいだと思います。

  2. 海星 より:

    ヒトデの食品を製造販売している会社の人間です。
    管理人さんがおっしゃてることは間違いありません。
    綺麗な海で育ったキヒトデ(マヒトデ)を食用にするのがベストです。
    中国やベトナムでは食用どころか、精力増強や足腰の痛みしびれ対策に利用しています。

  3. 三太郎 より:

    こんにちは。

    ヒトデを湯がいて食べたことがあるのですが、あまりの不味さに一口食べて捨ててしまいました。天然のものですから大分個体差があるんですね。

    • wacky より:

      ヒトデは本当に個体差が大きいと思います。不味いのはどうやってもだめですね。そのあたりがウニと違って広く食用にされない理由なんだと思います。。

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