食味評価ってホント難しいよね……とエビスダイを食べて思う & トークイベント開催のお知らせ×2

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「僕は君を太らせたい!」第2集発売記念トークイベントやります!
しかも2日連続!!!

『僕は君を太らせたい!』第2巻刊行記念トーク!~野食のハナシ2~
3/29(金)19:30~  @阿佐ヶ谷ロフトA


詳しくは↑↑のイラストをクリック!!


トークでヒモ解く、グルメマンガの創作レシピ
3/30(土)15:00~ @株式会社ピースオブケイク(東京都港区北青山3-1-2 青山セント・シオンビル4階)

詳しくは↑↑のイラストをクリック!!
記念すべき初回ゲストは「ミスター味っ子」「将太の寿司」の寺沢大介先生にお越しいただきます!!


アミガサタケ捜索や山菜採り等多忙な時期とは存じますが、ぜひぜひお越しください! 両日とものご参加ももちろん大歓迎(≧ω≦)


↓↓ここから本文です↓↓


「野食ハンマープライスって食材の評価がガバガバじゃね?」と言われることが時々あります。
これについてはすみませんというほかなく、そもそもぼく自身なんでも美味しいと感じるたちの上、自分で苦労して採取して来たものに対してはどうしても評価が甘くなってしまうところがあるんですよね。
みずからのバイアスを自覚しつつやっていかないといけないなと思っています。

一般人(おもに連れ)に食べさせて評価を引っ張ってくるのもしばしやりますが、自分の中のものさしの精度を上げると同時に、世間の基準と自分の基準のすり合わせを行いたいという理由があるのです。


ただ、時々「なんでも美味いって言ってりゃ角も立たないし、楽にお金貰えていいな」なんて筋違いの批判をもらうこともあります。
マズい野食材を無理やり美味いと言うことでどっかからお金でももらってると思っているのでしょうか。
ぼくは創造主と宣伝契約でもしているのかなw

そんなことを言う方はきっと、何を食べても美味しく感じられないような不幸な日々を送っているのでしょう……涙を禁じ得ません。
美味い食材に囲まれて暮らせているぼくは幸せ者です。

知ってる人だけが得する「美味いもの」がたくさんあるからね




そんな茸本ですが、食材を評価するときの一応のルールとして「美味いと思ったときは、他の美味いものと何が共通し何が異なっているかについてをできるだけ仔細に言語化する」ことはやろうと思ってます。
つまり「どんな食材からも美味さの要素を嗅ぎとれるソムリエ」でありたいわけです。これはワイン屋さんに勤務していた時代からの矜持でもあります。

田崎真也氏とか、世界一になったこともあるソムリエでありながら、カップ麺のテイスティングみたいなことまでしてて、仕事とはいえマジでスゲーなって思っています。彼みたいになりたいんだなぁ。(頭髪の話はよしたまえ)

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エビスダイ、美味しいんだけど……

さて、先日吉池を久々にブラついていると、鮮魚コーナーに大変目立つ魚を見つけました。


これは……エビスダイ

近縁のマツカサウオは食べたことがありますが、エビスダイはまだ食べたことがありません。

先日、友人の誘いでイイダコを釣りにいったのだが、釣り始めてすぐに降り出した雨が強まる中、心が折れて途中で戦線離脱してしまった。 このま...

ぜひ購入しようと思ったのですが、キロ3000円という値段は決して安くはなく、その日懐が極めて寒かったのもあって購入をちょっと迷ってしまいました。

こんな時はどうするか。
みなさん色々な手段を取られると思いますが、ぼくはぼうずコンニャクさんのサイトを見て購入を決めることが多いです。
かのサイトは魚介類の食味評価において、他の追随を許さない情報量があり、載っていないものを探す方が難しいほど。
エビスダイも間違いなくあるはず……

ぼうずコンニャクの市場魚介類図鑑 エビスダイ

あった!
えっ星5つ「究極の美味」ってなってるやん! これは買わなきゃ(使命感)

というわけでうちまで搬送されて来たわけです。



こんななりをしていますが、意外にも浅場に棲息しているエビスダイ。


ウロコは非常に厚く、1枚1枚に棘が生えているうえ極めて強固に貼り付いています。
すき取り型のウロコ落としでは手も足も出ず、タイ用のウロコ落として力一杯取っていかないといけません。

当然めちゃくちゃに飛び散ります。台所が大変なことになり、床に落ちたものに気づかないでいると後々足に刺さって大惨事になります。

クラッシュアイスみたい


処理中何度か手にも刺さり流血沙汰に。。

硬いのはウロコだけでなく、頭もです。

完全に一枚板で覆われています。
出刃を当てるとカンカン言いますね。当然包丁が入るわけがなく、兜割は断念。



三枚におろし、刺身、塩焼き、煮付けにしました。

へへっ、いよいよ試食タイム! 究極の美味、たーんと堪能してやるぜ……!
まずは刺身から、いただきまーす!

ノーマルと焼霜造り



…(・〜・)
うん……美味しいね……サクサクっとして、皮目がムチっとしてる……
けど……これ、そこまでかな?
夏のマダイとキンメダイの中間ぐらいの食感と味です。脂のノリもそれくらい。

個人的にはキンメダイの方が遥かに美味いです。でもぼうずコンニャクさんとこではキンメダイは星4つ「非常に美味い」のランクなんだよなぁ。
もう数日置いたらねっとりしてくるのかもしれないけど、しかしすでに水揚げから2日くらいは経ってそうだしなあ……


塩焼きにすると骨周りやヒレの付け根を周辺に脂がバチバチいうので期待しましたが、食べてみるとやはり身はマダイ寄り。


煮付けにするとキュッと硬く締まるところは、マダイよりもキントキダイに似てる気がするけど、それもまた「美味いんだけど飛び抜けてはない」という感じでした。

個人的にはマダイって、明石産みたいな一部のブランドものを除くと実に「標準的な味」の魚だと思っていて、究極の美味とまではいえないと思っています。
そういう「無難さ」がエビスダイからも感じられます。味はいいんだけど……期待が高かった分、正直残念です。


ぼうずコンニャクさんはご自身でもおっしゃっているけども、基本的には脂がのっている魚や大きくなるもの、色合いの良いもの(とくに寿司にした時に映えるもの)に高い評価をつける方だと思います。
その評価基準から行くと、エビスダイよりキンメダイの方が高評価になるんじゃないかと思うのですが、そうはなっていません。
個人的にはやや不思議に思われますが、もちろん知る由などありませんしその必要もない。他人がクレームをつけることではありませんし、そのつもりもないからです。


ただ、今回はあえてここから語りましょう。

評価の一貫性は担保できない?

まず今件については、氏が食べられたエビスダイがぼくの食べたものよりはるかにコンディションの良いものだったのでは? というご意見がまず出ようかと思います。
そして今回のテーマ、というか問題はそこにあると考えます。


我々---ぼうずコンニャクさんと自分を同列に置くなど失礼の極みであると存じておりますが、あえて“我々”と言わせていただきます---の業界、つまり「食べたものの食味評価をする仕事」は「どんなコンディションのもので評価をつければいいのか」という極めて難しい命題に常にぶち当たっています。
なぜ難しいのか、それは「自分が食べたものがその食材における“平均値”かどうかなんてまずわからない」から。

世界一有名なソムリエのロバートパーカーjr.氏は、ワインの評価に得点の概念を持ち込んだパイオニアとして有名ですが、その彼ですら得点基準の一貫性のなさや、一緒に飲んだ他のワインに評価が引っ張られていた疑い、ワインにつきものの「年ごとの出来のバラつき」への対応の不足を指摘されてきました。
ぼうずコンニャクさんは日本産魚介類の食味評価においてロバートパーカーjr.に匹敵する方であると思いますが、それでも舌が1枚しかない以上、同様の難題から逃れることは不可能でしょう。


ぼく自身はこの問題への対策として、時々、過去の記事で「この評価はちょっと高すぎ/低すぎたな」というのを見つけて修正をしています。
別の個体を食べたら評価が変わるなんて絶対にあることだし、そうやって精度が高めていくしか現状、対応策はないから。

しかしこの行為も、テキスト論的な話からいえば「後から修正を加えることは読者への不義」と言えてしまうのかもしれません。。
「野食ハンマープライスで『めちゃ美味い』って言ってたから友達にも薦めたのに、いま見直したら評価変わってるじゃん、やっぱり茸本は信頼ならねぇな」と言われてしまえば、もう言い返す言葉はないです。変わるも地獄、変わらぬも地獄。。


個人サイトなんだしそこまで気にすることない……という慰めはありがたいですが、それでもやる以上はデータベースとして機能できるようにやっていきたい。
いきたいけど、できることしかできないのでいろいろご容赦いただきたい。
そんな気持ちで頑張って評価していきたい所存です。今後ともよろしくお願いいたします。


というわけで最後にエビスダイの評価を。
味:★★★★☆
価格:★★★☆☆

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コメント

  1. たつ より:

    エビスダイってこないだの「江戸前の旬」に出てましたね。

    そこだととても美味しい魚という風に紹介されてたような(鱗の堅牢さにも触れてました)

    やっぱコンディションで味が大きく変わるから難しいですねー

  2. よぉーり より:

    こんにちは。いつも楽しく拝見させていただいております。

    食味評価は、本当に難しいと思います。
    特に魚は、鮮度・産地・季節・サイズによって全く違う味になります。まして、個人の評価なんて経験も価値観も違うのですから、万人にあてはまる評価をつけるのは難しいのではないでしょうか。それこそ、成分分析でもして定量評価するしか方法はないと思います。

    ということで、茸本さんは茸本さんの思う評価をすればよいと思います。それが、使えると思う人が使えばよいだけです。もちろん僕は、いつも参考にさせて頂いてます!

    これからも、ブログ更新楽しみにしてます。

  3. より:

    仰っていることは至極ご最もですが、面白そうな新着記事のスタートが喧嘩腰の説明文だと少々ゲンナリします。理不尽なクレームが多々あってのことだとは思いますが、クレーマーには何を言っても言うだけ無駄というものです。抑も、真っ当な価値観を持ち合わせた方は主観的な評価にケチをつけたりしないでしょう。
    これからも更新楽しみにしています。どうかご自愛のうえお過ごしくださいませ。

  4. へほへも より:

    そんな事言うてくる人は好き嫌い無いんですかねぇ
    みんなが美味しいといってても自分は苦手って食い物の一つや二つ誰もがあると思う。逆パターンも
    人の味覚なんか環境や今までの生活で簡単に変わるのに
    家族の中でも好き嫌い別れるのに他人なんか違って当たり前とは思わないんですかね(笑)
    あくまでも一つの参考って所だと思いますのでこれからも今まで通り楽しみに読ませて頂きます

  5. こみや より:

    いつも楽しく拝見させていただいております。

    もう何年も拝見しておりますが、、正直「味」と「価格」の星印は、ほとんど参考にはしておりませんw

    それよりも「どこにある」「何を」「どうやって」食べるかというところが私個人としては醍醐味でございます。あとは茸本さんのノリツッコミとかw
    「味」の感じはひとそれぞれ、「価格」も時期や場所で変わりますからねぇ。。

    これからも楽しみにしております。

  6. こめ粉 より:

    初めまして。茸本さんの知識がどのようにして蓄積されてきたのか気になります。

  7. マイワシ より:

    味など自身の調子で変わるもの。ましてや対象の魚などは工場で作られた均一なものではなく不確かさが二つもある中で保証など求めるのが間違いですね。大量のデータから平均化されたのが市場の評価でしょうけど、それでも安い物は低く見られがちですしね。