食べられる凶器・クモエビ(オオコシオリエビ)の塩茹で

戸田のお土産屋で見たことないエビを見つけた。

甲羅はトゲだらけで細かく皺が入り、腹部はぺったんこになるほど鋭角に折り曲げており、先端は白い。そしてテナガエビのようにハサミが長く伸びている。

オオコシオリエビ,戸田

一番デカいので全長25㎝くらい


氷付けになっているので正確な重さはわからないが、2kg程度は入っていて1500円ととても安い。

店員さんに聞いてみると、戸田で「クモエビ」と呼ばれている深海性のエビである、とのこと。
購入して、いろいろ試してみることにした。

オオコシオリエビはエビではない!?

クモエビは正式な和名を「オオコシオリエビ」といい、水深200mより深い深海に生息する甲殻類である。

東京ではメジャーでないが、静岡では深海漁の網に掛かるために昔から食べられてきたという。

実はこのオオコシオリエビ、エビと名がついているものの、エビよりはヤドカリに近い仲間であるという。
同じくヤドカリの仲間ながらカニと呼ばれているタラバガニと状況は似ている。
エビ、カニ、といった呼び方は、種類に関係なく見た目で決まってきてしまうのだろう。

とは言え普通の人はヤドカリを食べたことがないと思うので、「エビとヤドカリ、何か味が違うの?」と言われてしまうかもしれない。

オオコシオリエビを食べてみる

お店の人にオススメの料理を聞くと「ここいらでは味噌汁が塩茹でで食べてますけどねぇ…いい出汁が出るんですが、身はあんまりなくて」と言うことであった。

まずは身の味を知りたいので、シンプルに塩茹でで食べてみることにした。

明るいオレンジ色をしたエビを茹でてみたが、とりたてて赤みが増したりということはなかった。

オオコシオリエビ,塩茹で

茹で加減が分かりづらい


見た目の変化もなく、火の通り具合もいまいち分からないが、加熱しすぎて出汁が全部抜けてしまってはどうしようもないので、5分ほどでお湯から揚げた。

 

うまいはうまいけど…

少し冷まして、殻を剥こうとすると殻のトゲが全力で手に刺さった。
これがかなりの凶器だ。

痛さで言えば毛ガニの脚よりも上で、お湯でふやけた皮膚を容赦なく貫く。
そして出血

それでもなんとか頭部の殻を剥ぎ、ミソをすする。
これはなかなか美味しいが、足のトゲが唇に刺さって大惨事に。

気を取り直して肉をせせる。
腹部の内側の柔らかい部分にハサミを入れて切り開くと、ぷりっとした触感の筋肉があらわれた。

これは美味しい。
そしてこれは、完全にオニヤドカリの腹部の味と同じであった。
カニの繊維感とエビのぷりぷり感を併せ持つ独特の風味。
ヤドカリを食した人間にしか分からないアハ体験。

ただそれにしても…

オオコシオリエビ,料理,塩茹で

5匹分…


肉が少ない!

長大なハサミにもそれなりの筋肉があるが、それをていねいに取り出しても、歩留まりが悪すぎる。

オオコシオリエビ,料理,塩茹で,ハサミ

美味しいんだけどね


ただハサミの肉は完全にカニのそれで、独特の風味があってなかなか美味しいものであった。

味噌汁がいちばん?

可食部を残さないようにいろいろがんばってみたが、殻の固さ、危険なトゲ、身の少なさなどから考えると、出汁とミソをしっかりスープに溶かし込めて腹部の肉もしっかり食べられる味噌汁にするのが一番良いのでは、と言うのが結論。
深追いして口中を大けがしてしまっては元も子もない。

味:★★★☆☆
価格:★★☆☆☆

どの部位も味はとてもいいのと、有名なアカザエビなどと比べると遙かに安いという点は魅力的ではある。
変わった食べ物を食べたい欲求の強い人は是非挑戦して、これぞっ!という食べ方を見つけてみてください。

 
 
 

コメント

  1. 本田 より:

    いつも楽しく拝見しております。
    焼津ですがこのエビ、近所の魚屋で腰折りエビとして活きで販売されています。焼いて食べたら殻ごと食すことができました。

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