毀誉褒貶の激しいオキシジミ(東京湾奥産)を食べる

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先日の潮干狩りの際に、満ちてくる潮に追い立てられながら帰投していると、潮干狩り客が穿り返した干潟の穴の周囲に大量の貝が転がっているのを見かけた。


一般的に潮干狩りの対象とされていないシオフキとオキシジミだ。
アサリを採る最中に副産物として採れてしまうこれらの貝を、みんなが干潟に放り捨てていくのだ。
潮が満ちてくれば、彼らも再び砂の中へと帰っていくことができるのだが、それまでは殻を固く閉じて太陽光に耐えながら転がっている。
その気になれば拾いたい放題だ。

しかし、普通の人はこれらの貝を拾っていくことはないだろう。
シオフキはその砂の吐かなさから「食べられない貝」と認識されているし(実際は食べておいしい)オキシジミはなじみがなく真っ黒なためか毒があると思われている節すらある。



実際のところオキシジミは食べられるのかというと……
以前、東京湾奥の某河口で採取したオキシジミをみそ汁にしてみたが、化粧品のような謎のケミカル臭があって、飲み込むのに大変難儀した。
ネットで調べてみると他にも「厳しい」という評価を下している人が少なくなく、あらゆる可食物にトライしようとしている僕にとっても、この貝は獲物と認識されることはなかった。


更にこの貝、その形状ゆえか閉じた殻が開きにくく、陸に上げた時に、生きている貝か死んでいるものか見分けがつきにくい。
そのため選別・砂抜きを終えてなお死貝が混ざりこんでいることがあり、鍋の中で煮られる段になって突然中に詰まっていたヘドロをまき散らすというテロ行為を行うことがある。
一度これを食らうと「二度とこんな貝食うもんか!!」という怒りがわき上がってくる。

だから、今回も「へーそうかいそうかい」くらいな感じでスルーして通り過ぎた。
……はずだったのだが、なぜか今、大量のオキシジミが我が家の台所で元気に砂を吐き散らしている。

 

オキシジミを美味しく食べたい

この時「オキシジミ拾っていかないの?」と引き留めたのは連れ。
彼女はなぜかこの貝がそこまで嫌いではないようで、手軽に収穫量を増やせるということもあり拾っていきたがるのだ。

しかし、決して彼女の舌がおかしいということはなく、魚介の食味評価の権威にして生鮮界のロバートパーカーJr.の異名をとる(茸本が勝手にそう呼んでいる)ぼうずコンニャク氏のサイトでも「美味」との評価を受けている。
どうもこの貝、採れた場所によってその味が大きく変異するようなのだ。

沖シジミ、という名前の割には河口部岸よりの、ヘドロっぽい軟泥が堆積したところに棲息するために、その川の水質が身の風味に大きく反映されるのかもしれない。

匂いについて無視できれば、出汁はかなり出る方だと思うし身も決して小さくはない。
水質がよいところで採れたものなら間違いなく美味しいだろうし、吉池やアメ横で売られているのもたびたび見かける。(売られるくらいだから死貝の選別は徹底されているのだろう)

これをいい機会として、美味しく食べる方法を探してみたい。

オキシジミを食べてみた


まず、一晩砂抜きをしたオキシジミを蒸し煮にして、殻が開いたらすぐに取り出す。
むき身にして、残っている砂を煮汁で洗い落とす。
経験上、オキシジミが砂抜きだけですべての砂を吐き出すことはありえないので、やや面倒ながらこの行程を踏まえる。

ここでひとつ齧ってみると

……(´・ω・`)
やっぱりちょっと匂うなぁ。
匂いの系統としてはシジミの轍臭さをもうちょっと強烈にした感じで、いわゆるケミカル臭ではなかったのだが、薄い味付けだとちょっと気になるかもしれない。
もし、シジミがオキシジミと同サイズだったら、匂いが強すぎて食べづらくなると思うでしょ?
そんな感じ。

しかもこう、砂がね……めっちゃ残ってるね……
あんだけ吐き散らしたのにまだ残ってるのか……

例によってだしは出ているので、これを何とか利用しつつ、濃い味付けにしたら食べられるんじゃないかな。
何か参考にできるレシピはないだろうか。


いろいろとオキシジミについて調べていると、どうも韓国ではオキシジミが好んで食べられているということが分かった。
さらにドラマ「深夜食堂」の韓国バージョンがあるらしいのだが、その中に「オキシジミ汁」が出てくる回があった。
向こうじゃ割と大衆的な食材のようだ。

オキシジミ汁について調べていくと、実にそれっぽいレシピを見つけたので、これに倣って作ってみることにした。



まず、むき身にしたオキシジミのだしと身を分け、身をざるに入れてボウルの中でじゃぶじゃぶ洗う。
これで砂と匂いが多少はましになるだろう。

だしを鍋に入れて水を足し、洗った身を入れて煮立てる。


ここに輪切りにした青唐辛子、さらにニンニクを入れて加熱し、アクをとる。
沸騰したらコチュジャンを溶かしいれて、あればダシダ(韓国の顆粒だし)を好みで追加。

最後にざっくりと切ったノビル(本当はアサツキかも、Google翻訳がしょぼくてわからん)を入れる。
写真によるとノビルのひげ根ごと入れているが、この辺のダイナミックさについてはマネするかしないかはお任せしたい。
韓国料理こういうの多いよね。

ノビルにさっと火が通ったらお皿に盛って

完成。
ステンレスの箸と柄の長いスプーンがあればそれを使って食べるとよりそれっぽいかも。

いただきマース

……(`・^・´)
オッいいんでないかい?
さすがの匂いも水洗いとニンニク、コチュジャンさらにノビルの香りで上書きされて全く気にならない。
身質は硬すぎず柔らかすぎず、旨味も強くてとても美味しい。
大きくて食べ出もあるよね。

でも……やっぱり、砂が。。。
外套膜と貝柱をひとつずつ取り外してから水洗いしたほうがよかったかもなぁ。

味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆


大きくて数も採れるので、匂いがきついものでなければ利用価値はあるかなという気もした。
ちょっと見直しました。
水洗いは面倒だけど、シオフキよりは幾分ましだしね。。

 
 
 

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