剣呑のようでちゃんばらな「マガキガイ」を食べた

吉池の北側入り口から入ってすぐのところは魚以外の魚介類コーナーになっていて、変わった魚の入荷がない日でも、そこに行くとユニークなものが売られていることがある。

ミズダコの卵ミネフジツボもこのコーナーで見つけたものだ。
購入したことはないが、大きなカメノテもよく見かける。

先日の二枚貝シリーズのネタ探しでも何度かそこに通ったのだが、そのときに面白そうな巻き貝を見つけたので購入してみた。
マガキガイ,チャンバラ貝

見た目は剣豪、中身はチャンバラ

それを見つけたとき、とっさに手を引っ込めてしまった。
そして「イモガイって食えるんか!」と本気で驚愕した。

南の海に棲息するイモガイは、危険生物ランキングで常に上位を伺う猛毒生物だ。

イモガイ Google画像検索

磯の潮だまりに棲み、毒針で餌となる小魚などを捕らえる彼らはまさに海中の剣豪。
ヒトに対して攻撃してくることもあり、最強毒種のアンボイナガイにやられると死の危険もある。

むかし家族でグアムに旅行に行ったとき、何も知らない母親が拾って持ってきたのを見て肝を冷やしたことがある。

しかし、値札にはそのようなことは一切書かれておらず、「ちゃんばら貝」という間の抜けた名前が記されていた。

調べてみるとこの貝はイモガイとは全く別種のマガキガイ(籬貝)というもので、毒を持たず食用にされているとのこと。

黒潮域ではふつうに見かける貝で、ちゃんばら貝とは高知での呼び名なのだそうだ。

なぜチャンバラなのか

このマガキガイ、イモガイに似ているのはベイツ型擬態(有毒生物に姿を似せることで敵から身を守る)によるものだと言われているが、よく見ると殻の入り口に波打っている部分があり、イモガイとはそこで容易に見分けることができる。
マガキガイ,チャンバラ貝
生きているときはこの隙間から顔を覗かせているようだ。

さらに特徴的なのはその足の形。
マガキガイ,チャンバラ貝
縦に平で大きく切れ込みが入り、先端に細長い蓋が斜めにくっついている。
マガキガイ,チャンバラ貝
実はこのマガキガイ、敵に襲われるとこの足で海底を蹴り上げ、大きくはねて逃げるのだという。
当然、人間に捕まったときも足を動かして逃げようとするのだが、そのときにこの斜めについている蓋が空を切る。
マガキガイ,チャンバラ貝
そのようすをして「チャンバラ貝」と名付けられたそうだ。
なかなかユニークで、ぜひ生きているところを見てみたいと思わせる貝である。

マガキガイを食べる

高知では主に塩ゆでで食べられているそうなので、それに倣って食べてみた。

一般的な食用の巻き貝と比べて、殻の入り口が非常に狭い。
また非常に持ち重りがするので、殻が分厚いことが想像できる。
ということは…身、あるのか…?
マガキガイ,チャンバラ貝
ありました。
爪楊枝を刺して引っ張ると、多いとはいえないけれどしっかりとした身がずるりと出てきた。
殻の形を保っているのが面白い。

食べてみると…

(・~・)…
ああ、こりゃいいね。
身の味が濃いし、小さいのに歯ごたえがしっかりしている。
ツブ貝のような食感だが、若干の磯臭さがあって良い。

味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆

そもそもイモガイって食べられるのかな?

マガキガイは果たして美味しかったのだが、そうなるとイモガイそのものの味も気になってくる。
捕獲難易度がクソ高いのはおいといて、茹でてしまえば毒も変質するだろうし、毒吻と唾液腺、中腸腺を取り除けばいけるんじゃないだろうか。
肉食だから美味しいだろうし。

誰かやってくれないかな?(他力本願)

 
 
 
 

コメント

  1. rennzann77 より:

    今は消えてしまいましたが、南西諸島に在住の女性のブログで、チャンバラガイやスイジガイに交じってイモガイを採ってましたよ。
    食用とか書いていた記憶がありますが、ハイリスクすぎますねwwww

    • wacky より:

      手づかみでないことを祈りましょうw
      でも割と大きくなる種もあるし、殻もきれいで副製品できそうだから採っている人はいるかもしれませんよね

  2. せつな より:

    マガキガイはかなり好き。
    少し醤油入れて煮るとぬめりも美味いし。

    イモガイも一応食べられるらしいけど、遭遇する機会も少ないですしあまり知ってても意味ないかな。
    それより、たまに当たる巻貝の辛いやつってテトラミンなんじゃないの?

    • wacky より:

      あ、醤油煮の方が良かったのか…身の味がいいですよね。内臓が抜けにくいのが残念だけど。。

      テトラミンってそんなにいろんな貝にあるんですか?小さい貝だと中腸腺抜くのめんどくさいし厄介ですよね。
      となるとイボニシのアレも…?

  3. 貝好き より:

    イモガイ食べれますよ。
    アンボイナは食べたこと無いですけど、
    タガヤサンミナシは普通においしかったですよ。
    ただ、さすがに毒成分が怖かったので、口の周りは切り取りましたが・・・
    コノトキシンは熱分解するという話もありますが、あてにならないので。
    ちなみにイボニシとかの辛味が苦手ならパープル腺を取り除いて食べると
    苦味がなきなりますよ。

  4. 浅野 より:

    マガキガイは静岡や愛知では「ぴょんぴょんガイ」と言います。爪で跳ねるのを見て言うんでしょうね。沖縄では冬に産卵で岸に集まるので普通においしく食べてるようですね。居酒屋なんかで「ティラド貝・ティラジャー」の名前でベンチ入りしてます。おっしゃるように美味しい貝ですね。

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