ツルナはアイスプラントの代用になるか

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4月になって、多くの食品が値上げになった。
日配品や輸入品の小麦・油が高くなるのはまあわからなくもないが、国産品、特に野菜の値上げについてはいまいち納得しがたいものがある。
施設園芸のための資材が高騰してるとか、運送用の燃料費が上がっているとか、もっともらしい理由はあるけれども…こうも右肩上がりだと、庶民にはつらい。

しかし季節は春、見渡せば周囲は食べられるものであふれている。
河川敷のハマダイコンも、植え込みのノビルも青々として美味しそうだ。
今年は今一度、このサイトの目標であるところの「エンゲル係数を下げる」ことの実現を目指して野食をがんばっていきたいと思っています。

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ボウズ逃れ用山菜「ツルナ」

先日網代に行った際、港の際のテトラポットの下に、大量のツルナが生えているのを見かけた。

ツルナ,網代

一面にびっしり生えていた。カバープランツにも用いられるという

オカヒジキやハマボウフウなどの有名どころを含め、海岸性の山菜は意外とたくさんあるが、その中でも最も見つけやすいのはこのツルナだと思う。
他のものが比較的きれいな砂浜にしか発生しないのに対して、このツルナは砂が吹き寄せられて溜まっているようなところや、防波堤のかどのゴミ溜めみたいなところにもしぶとく発生するからだ。

一年中青々とした葉を茂らせているが、春先が一番柔らかくておいしそうな色合いをしている。

ツルナ,採取

みずみずしくて柔らかくておいしそう


温帯を中心とした世界中に生息しており、ニュージーランドでは先住民のマオリ族が食用に利用していたため「ニュージーランドのホウレンソウ」などという別名も存在する。

一年中採取ができるというのは大きな利点で、とくに冬~春先の魚が釣れない時期にはいいお土産になる。
もっとも、これを持ち帰ってきて「ボウズじゃなかった」と言えるほど開き直れる人が僕以外にいるのかどうか。。

ツルナはアイスプラントの代わりになるか

さて、このツルナは「ハマミズナ科(ツルナ科とも呼ばれる)」に属するのだが、おなじハマミズナ科に所属する野菜が数年前に登場した。
アイスプラントである。

アイスプラント google画像検索

ちょっとお高いサラダなどに入ったちょっとお高い野菜で、ちょっとお高く留まったマダム御用達のお店に行くと売られている。
ごらんの通り特徴的な透明のつぶつぶにおおわれているが、これは塩嚢細胞と呼ばれるもので、土中から吸い上げられた余計な塩分を隔離しておくための場所だ。
海岸などに適応した塩生植物には、この細胞を持つものが多くみられる。
この塩嚢細胞が塩味を持つため、「そのまま食べても塩味がする」ということで注目されたのだ。

さてこの塩嚢細胞、同じ科に所属し同様の生育環境で生きるツルナにも当然存在する。

ツルナ,塩嚢細胞

ツルナと比べるとかなり小さいけど


肉厚のぱりぱりした食感もあり、外見的にもアイスプラントにかなり似ているツルナ、このちょっとお高い野菜の代わりにならないだろうか。

さっそく、中心部の芽のところを摘んで食べてみた。

(*~*)…
塩味はあるし食感もぱりぱりしてるけど、青臭くて渋い。
ちょっときついかも。

調べてみると、ツルナはアイスプラントと異なり、アルカロイドの一種であるシュウ酸を大量に含んでいるため、茹でこぼしたりして取り除かないと食べられないという。

生で食べられないんでは、アイスプラントの代用にはならないなぁ…

味:★★☆☆☆
価格:★☆☆☆☆

ツルナはホウレンソウの代わりになるよ

しかし、シュウ酸を大量に含むという点では、ホウレンソウに似ていると言える。

ツルナ,ホウレンソウ

色とか、葉っぱとか、似てるよね


見た目もちょっとホウレンソウっぽさもあるし(多肉質ではないけど)、意外と茹でておひたしにしたりすると美味しかったりして…
ツルナ,茹でる

茹でて


ツルナ,おひたし

水気をきるとよりホウレンソウっぽい

(・~・)…
お、悪くないじゃん。
結構強い渋みがあるので、よく水にさらす必要はあるが、茹でても歯ごたえある食感は悪くない。
塩味は…あまり感じられないが。

さらにベーコンと合わせてバター炒めにすると、ホウレンソウで作ったものよりも歯ごたえや風味が強く美味しいものができた。
ニュージーランドスピナッチの通り名に偽りはなかったのである。

味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆

というわけで、ホウレンソウの代用としてはなかなか行けそうな感じだったツルナ、今後も状態のいいものを見つけたら採取したいと思う。

ただwikipediaによると、塩嚢細胞には塩分だけでなくカドミウムのような重金属も蓄積しやすい傾向があるそうなので、ゴミ溜めのような場所に生えたものや、工業用地沿いの海岸に生えたものの採取はやめたほうがいいかも。
野草で体調崩しても、だれも慰めてくれないからね…

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コメント

  1. せつな より:

    売ってるツルナってめちゃくちゃデカい上に、そんなクセもないんですよね。
    あまり気にしたことなかったけど、あれもわざわざ品種改良したのかな?

    • wacky より:

      そもそもツルナが売られているという事実が初耳です…
      ただ、品種改良とまで行かなくとも、環境を整えて栽培したら大きく、味もよくできそうな感じはありますよね。野菜としてのポテンシャルが高いというか…
      場所によってはめちゃくちゃエグイのもあるんですが。。

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