ノビルの塩漬けは島ラッキョウの代わりにはならないけど、オリーブの代わりにはならなくもない

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「野食のススメ」第10回の記事が公開されました!(2017.4.1)
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先日、アミガサタケを探しながらうろうろしていると、道路のわきにノビルが生えているのを見つけた。

ノビル Google画像検索

ノビルは漢字で書くと野蒜、言わずと知れた野生ネギで早春の便利な山菜のひとつ。
便宜上山菜といったが、実質的には「食べられる雑草」と言うべきで、畑や草むらはもちろんのこと、ちょっとした植え込みやアスファルトの隙間にすら生えてくる生命力の塊のような存在だ。
地下5~10㎝にニンニクを小さくしたような地下茎があり、草刈りや引き抜きに遭っても、これが地中に残れば何度でも生えてくることができる。
優秀な食用野草(≒厄介な畑地雑草)なのだ。

小さくともしっかりとしたネギの風味があり、葉の香りは食欲を刺激してくる。
街中を歩いていても、立派なものを見かけるとつい引き抜きたくなってしまう。


今回見かけたものも、葉の長さが1mを超すほどの大きなサイズだったので期待したのだが



果たして地下茎も直径1㎝を超えるような大物だった。

浅葱色で筒状になったひょろりと長い葉を伸ばしているので、慣れればすぐにそれとわかるし、量を採るのも実に簡単。
のだが、それを地中に残さないようにうまく引き抜くにはコツを知る必要があって(スコップなんて邪道だぜ)意外にゲーム性があって楽しい。

採りすぎると処理が面倒なのだが、それも含めてノビルの魅力だと思うのだ。

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ノビルは美味しいけど島ラッキョウの代わりには……

さて、僕はネギ科の食用種は基本的にどれも好物なのだが、特に島ラッキョウの塩漬けが大好きだ。


強い辛味としょっぱさに引き立てられたうまみ、強烈な香り、吹き出す汗と食欲。
エンドレスに食べ続けてしまい、食後は吐息のネットで周囲の人間を皆殺しにできるレベルになる。

でも島ラッキョウは、首都圏で購入しようとするとけっこう高い。
だからノビルで代用できたら最高なのだが、どうだろうか。


近所のスーパーで購入してきた島ラッキョウと今回のノビルを比較してみると


ノビルのほうが鱗茎が大きく、パッと見ではどちらが野菜でどちらが山菜なのかわからない。


塩をかけて軽くもみ、一晩寝かせたものを


かじって比較してみると

……(´・~・`)
うーん、やっぱり島ラッキョウのほうが上だなぁ。
ノビルは鱗茎のカリッとした歯ごたえとぬめりがなかなか魅力的だとは思うけど、はじめに感じられるピリッとした辛さの後に追いかけてきてくれるはずのうま味がないし、甘みも少ない。

このあたり、やっぱり島ラッキョウのバランスは素晴らしい。
塩味だけで美味しくなるってすごいことだと思うんだよね。

ノビルのほうは、スライスしたハードチーズ(スプリッツ)に乗せて食べたらいい感じにうまみが補われて美味しかった。


……あ、でも

偽茎の部分についてはノビルのほうが美味しい!!
新玉ねぎみたいな甘さがある!
塩で引き立てられているのもあるけど、この甘みは素晴らしいなぁ……

ノビル、どうしても鱗茎ばかり気にされちゃうけど、むしろ白ネギみたいに偽茎の部分を食べるものとして考えたほうが真のポテンシャルを発揮できそう。
とはいえ相当太い奴じゃないと偽茎の部分が細くて食べ出がないからなぁ。

味:★★★☆☆
価格:★★☆☆☆

オリーブの代わりにマティーニに入れてみたけど

ノビルのユニークな利用法がないか探していると、このようなページが見つかった。

HEAPS 地球に優しい美食家は「花食家」。
“最近の発見は、オリーブの代わりに、どこにでも生え放題なノビルの塩漬けを入れるとマティーニが病みつきな程美味しいこと。”

へー(`・ω・´)面白そうじゃない。
やってみよう。


ジンとベルモットを混ぜて(ワイ将こども舌、ベルモット多めの甘めが好き)


ひとつめのグラスはオリーブを添えて。


もうひとつのグラスは塩漬けノビルを。

……(`・ω・´)
ハーンなるほどね~。


ノビルね、悪くないですよ。
甘めのマティーニだから、ノビルの刺激的な辛味が映えるね。
ジンの風味とノビルの刺激臭もよくかみ合ってると思う。

でもやっぱりオリーブのほうが美味しいなぁ。。
塩気とか、酸味とか、本当にちょうどいいんだよね。

実績の差だな。

味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆


ちなみにマティーニの派生版で、オリーブの代わりに小さな玉ねぎを使ったギブソンというのがありまして、ノビルを使うというのはそのまた派生版かなと思います。
だから、オリーブよりもノビルのほうが好みだって人もいると思うよ。
気になる人は試してみていただければと。。

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コメント

  1. 通りすがり より:

    私も先日、ノビルで色々試してみました。
    葉の部分をネギみたいに使おうとして失敗。
    鱗茎部分は甘酢漬けにしましたが、
    ラッキョウと比べると、どうにもぼんやりしてる印象でした。
    良い使い方をご存知でしたらご教授頂きたい。

    • wacky より:

      あれ、ネギの代わりになりませんでしたか?
      緑の部分は確かに固いですけど、地際の白い部分(偽茎)は柔らかくて香りも強く、美味しいなあという印象です。
      鱗茎は確かにあまり面白みのない味ですね。美味しいは美味しいんですけど……

  2. 魚好き より:

    これはノビソンですね。
    ひともじのぐるぐるにして食べてます。

    • wacky より:

      ググってみたらなるほど、手の込んだヌタみたいな感じですか。これは美味しそう。。
      ノビソンっていうとなんか……脱力系ですねw

  3. 鏡の破片 より:

    ノビル…。そういえば我々の身近な毒草として知られるヒガンバナは、秋の彼岸の時期以外は我々がよく知るぶっとい茎に毒々しい花を咲かせる姿とは全く違い、まるでノビルやアサツキのような細長い茎に鱗茎を有す形状になるとか。で、山菜採りの初心者が見間違えた結果中毒事故を起こす結果になるとか…。ベテランに言わせれば「匂いが全く違うからへーきへーき」とのことですが、果たして。

    • wacky より:

      ヒガンバナは言っちゃあなんですけど全然似てないですよ。ヒガンバナの葉はぺたんこですし偽茎部分もほとんどなく、さらに鱗茎は茶色い皮に覆われているのですぐにわかります。間違える人は野食やめた方がいい……(^_^;)

  4. 12 より:

    この記事で思い出しましたがギブソンを小玉葱ではなくラッキョウで作るとむっちゃおいしい(保障はしない)のでぜひ一度試してみてください
    なぜかほんのり和風になって刺身なんかとも合います

  5. いも より:

    ノビルの季節なので検索して辿り着きました。
    ノビルは緑のかたい葉部分以外をじっくり素揚げにして塩を振って食べるとめちゃくちゃに美味しいことを発見したので、良かったらお試しください。

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