ダイモンジソウの味覚のバランスは天下一品:佐渡の山菜シリーズ③

沢周りや高原地帯に出る山菜は、関東周辺では貴重すぎて採取できないものが多い。

先月も、ワサビの出ている沢で、しぶきを受ける岩の側面にへばりつくように生えていたダイモンジソウを見かけたが、株の数も少なくとても可憐だったため手を出すことができなかった。

葉の鋸歯が大きいタイプ

葉の鋸歯が大きいタイプ

ダイモンジソウは「天ぷら専用山菜」として名高いユキノシタと同じ仲間だが、街中や石塀の隙間にも見られるユキノシタとは異なり、関東だと山地の沢沿いなどでしか見ることができない。
保護区などがあるわけではないが、常識のある山菜採りなら手を出すのはためらわれるだろう。
「大」の字の形をした花を咲かせることで園芸種としても人気が高く、山菜として見られることはほとんどない。
山菜図鑑に載ることも少ないようだ。

 

ダイモンジソウを採取して食べてみた

ところが今月頭、佐渡島で山菜を探していると、湿り気のある斜面にウワバミソウに混じって大量のダイモンジソウが生えている場所を見つけた。
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ここは海岸から100mちょっとしか離れておらず、年中冷涼な潮風が吹きつけている。
それでいながらヤマメの棲みそうな渓流沿いにあって、湧水の多く染みだす崖になっているこの場所は、よほどダイモンジソウの生育に向いているのだろう。
佐渡にはこういう場所が数多くあるので、ダイモンジソウの楽園になっているのかもしれない。

これくらいあれば少し頂いても大丈夫そうだ。
葉を5枚ほど摘んで持ち帰ってきた。



ダイモンジソウはユキノシタの葉をトンカチで叩いて圧し拡げたようで、シルエットこそ近いものの、より薄くて大きい。
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加えてユキノシタを特徴づける表面の毛がダイモンジソウにはなく、とくに葉柄はつるっとして光沢がある。
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ユキノシタはこの毛と、強いアクのせいで天ぷら以外の料理はそこまで美味しくない。
逆に天ぷらにすると葉の厚みを活かすことができ、またアクも個性に置き換わるので、比較的人気が高い。

ダイモンジソウも天ぷらが美味しいと我が家の図鑑には書いてあったが、ユキノシタと比べると葉が薄いのでよほど上手に揚げないと葉っぱなんだか衣なんだかわからなくなってしまいそうだ。

ここは敢えて、ごくシンプルな料理でそのものの味を確かめてみることにしたい。

というわけで、さっと茹でて水に晒し、刻んで
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お浸しにしてみた。

茹でることで葉裏からかなりのヌメリが出て、美味く盛り付けることができない。
諦めてさっそく食べてみると…
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…(・~・*)
これ、なかなかいいんじゃないの??

特筆すべきは歯応え。
その姿からは想像しづらいジャキッジャキッとした噛み応えがあり、歯切れもよくとても心地よい。

香りはキク科の山菜のようで、さわやかな青い香りがあり、臭みはない。
味はやや苦みがあるものの、山菜としては平均的なレベルで食べ慣れた人ならアクセントに感じられるレベルだ。

味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆



これは…茹でたものを高温でさっと炒めるか、ないしは塩麹などで漬物にするとなかなかの逸品になりそうだ。
個人的にはユキノシタよりこちらの方が数段上に感じられる。

とはいえ採取できないんじゃどうしようもない。
次回はまた佐渡に行ったときかなぁ…

 
 
 

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