ムキタケa.k.a.“山のフカヒレ”を姿煮にして食べてみた

ムキタケに「山のフカヒレ」なる二つ名があると知ったのはつい先日のことである。
きれいな扇形に開いた傘、ぽってりしたゼラチン様の質感などをフカヒレに例えたものらしい。
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キノコ界には他にも二つ名を持つものはあって
「山のサキイカ(トンビマイタケ)」
「山のクラゲ(キクラゲ)」
「山のアワビ(エリンギ、アワビタケ)」
など、海産物に例えられることは多いようだ。

ただそれにしてもフカヒレとは大きく出たものだ。
いくらムキタケが好きと言っても無茶じゃないかなぁ…とずっと思っていた。

 

ムキタケのフカヒレ“風”姿煮を作る

しかし先日、その二つ名をも納得させるようなムキタケを見つけた。
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どーん!
傘径18cmに迫ろうかという巨大なものだ。

ムキタケは水分を多く含み、大きくなると腐りやすく、また柔らかくなったり虫が入ったりして自壊してしまうものが多くなる。
しかしこれが採れた山は標高が高く、冷え込みが強かったために虫が入らなかったようだ。

ここのところの乾燥のおかげか、ゆっくりと成長したようで肉がよく締まっている。
傘の厚さは3cmほどもあり、まさに極上品だった。
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これならばフカヒレの名に恥じない味わいかもしれない。

ということでフカヒレ“風”姿煮を作ってみることにした。

まずフカヒレ、もといムキタケをさっと洗い、細かい汚れを落とす。
一般的にキノコは洗い過ぎると良くないとされているが、ムキタケは洗った後に両手で挟んで拝むようにすると水分が抜け、同時にアクのようなものが抜けるのでむしろ洗ったほうがいいように思う。
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その後、傘の付け根、石突きとの境目に包丁を入れ、皮1枚を残すように切る。
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そして石突きを持って傘の表側に向けてゆっくりと引っ張ると、ゼラチン質の表皮がぺろりと剥ける。

ムキタケが「剥き茸」なのは広く知られているが、晩秋の色が濃いものは表皮に軽い苦みがあり、個体によってはかなり気になるので面倒でも剥いた方が良いと思う。
剥けなかった皮はあまり神経質に取る必要はないが、ペティナイフなどで軽くこするとかんたんに落ちる。
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下処理を済ませたフカヒムキタケを水を張った鍋に入れて、弱火でゆっくりと加熱する。
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数分おだやかに沸騰させたら火を止め、蓋をしてそのまま一晩おく。

フカヒレの姿煮においては、この作業はフカヒレを柔らかくするために行なわれるのだが、ムキタケの場合は出汁を取るために行う。
フカヒレに限らず、ヌメリのあるキノコでは煮てから一度冷まし、もう一度加熱することで出汁がよく出るのだ。


冷ましたムキタケを再度煮たて、中華スープの素を入れて15分ほど煮込む。

その間に青梗菜…が欲しかったのだけど手元になかったので、はくさいの中心の葉を数枚折り取って鍋に投入。

火が通ったら水溶き片栗粉でとろみをつけ、ごま油をひと垂らし。
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完成!!

うーん、フカヒレ…?
いや、心眼を使えば見えないことはない!
何せ傘がデカいからね。

普通サイズのムキタケだとフカヒレよりもむしろ貝(トコブシとか)っぽいかも。

いただきマース

…(・~・*)
大変美味しゅうございます。ムキタケとしてね。

まあキノコでフカヒレの代用品が作れたら苦労はしないわね。
フカヒレの姿煮は鰭の付け根のむっちり感とばらけた先端部のぷつぷつ感が身上だが、ムキタケは全体的につるっとしていてぷりぷり感はあるがむちむち感が足りない。(オノメトペ全開ですみません)

もちろんキノコ料理としては非常に上の部類。
それなりに手間もかけてるし、そもそもムキタケが非常に優秀なキノコなのだ。

味:★★★★☆
価格:★★★☆☆

キノコシーズン終焉を彩る「二つ名キノコ」

樹から生える傘型のキノコは、食菌として優秀なものが多い。
それはただ味がいいというだけでなく、シーズンが長く(ウスヒラタケ、マスタケ)晩秋や真冬に至るまで出て(ムキタケ、ヒラタケ)キノコ狩りの対象としても非常にありがたい存在なのだ。
毒菌も少なく、ツキヨタケにさえ注意していれば危ない目に合うこともない。

そういえばムキタケのフカヒレ以外にも、ヒラタケは牡蠣(オイスターマッシュルーム)、マスタケは鶏肉(チキンマッシュルーム)などの二つ名を持つ。
キノコシーズンの終わりを彩るこれらのキノコに感謝して、たまには雅称で呼んであげるのも良いかもしれないな。。

 
 
 

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