干しマツバガイは乾鮑の夢を見た

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先日、右カラム⇒のコンタクトフォームが不調になっているのに気づき、慌てて修正を施した。
いつごろからおかしくなっていたのだろうか。
へたすると数カ月の間、問い合わせメールが受信できない状態が続いていたかもしれない。

翔さんをはじめ、このフォームからご連絡をいただくことで繋がりができた方は少なくない。
基本的にかまってちゃんである僕にとって、ここはコミュニケーションツールとして非常に重宝しているのだ。
今後はこまめに動作確認をしないといけない。


さて、不具合を修正してすぐに、フォームからお便りを頂いた。
30分くらい「待て」を食らった犬はこんな気分なのかな…と嬉ションしかねない勢いで開いてみると

干しマツバガイのこと、忘れていませんか?」


忘れてました。

アワビとナマコは塩が析出しただけで、マツバガイだけカビた

アワビとナマコは塩が析出しただけで、マツバガイだけカビた


ぎゃーカビてるー!!
あれだけ塩水で煮てからっからに干しあげたのに、しかも二重にしたジップロックにしまってたのに、なぜこんなにもみっちりとカビが生えるのか…


チクショーもう捨てるしかないのか…と思いながら手に取ってみると、非常に細かいカビで、手でこすると簡単に落ちた。
KIMG0803
これ、むかし鹿児島・山川の鰹節工場で見た、本枯節に吹き付けられるカビに似てるな…

いや、でもカビやし、見た目からじゃなんも分からん。
分からんけど、これだけ高塩分・低水分の環境に生えるカビってそんなにないんじゃないかな。
もしかして、カツオブシカビ系のアスペルギルス、もしくはペニシリウムかな…?


分からないけど、量も少ないし、きれいにこすり落として食べちゃえ。
海産物のカビならアフラトキシンはないし、へーきへーき(白目)

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干しマツバガイを戻して「姿煮」を作る

マツバガイ,ベッコウガサ

マツバガイとベッコウガサ


さて、もとより「干しアワビ(乾鮑)」にどこまで近づけるか、をテーマに始まったこの企画。
大きさこそ違えど、干しマツバガイも乾鮑と同様に料理してあげるのが筋だろう。

ということで、きれいにしたマツバガイ&ベッコウガサを、水から茹でて沸騰寸前で火を止める。
KIMG0804
ゆっくりと冷ましながら、水分を含ませていく。

これを3回ほどくり返し、時間をかけて柔らかくする。
もともと2.5㎝位だったマツバガイが、二回り位大きくなった。
KIMG0833
箸でつんつんすると、消しゴムと耳たぶの間くらいの軟らかさになっている。


その後、鶏がらスープを入れてもう一度行い、味を含ませる。
KIMG0835
さらにごま油、オイスターソースを入れて煮ふくめ、煮汁が減ってきたら水溶き片栗粉でとろみをつける。

皿に盛りつけて
KIMG0836
干しマツバガイの“乾鮑風”姿煮、完成!!

うーんいい感じ。
KIMG0838

磯の香りとオイスターソースの香りが相まって非常に美味しそうだ。

まあ、大きさはMaxでも4㎝ほどなんですけど…


でも大事なのは味!
さっそく食べてみよう!

…(≧~≦*)
うまーい!!
弾力がある中にもサクッと歯が入っていく食感、そして口内にあふれ出る磯の香り。
乾鮑の魅力であるこの要素が、マツバガイからもしっかり感じられる。

見てよこの照り

見てよこの照り


出汁も力強く、オイスターソースの風味にまったく負けていないのだ。

これ、普通に中華料理屋さんで出てきても全く違和感ないよ。
干して戻して、ちょっと時間かけて煮ただけなのにこんなに美味しくなるなんて…やっぱり乾物ってすごい!!


ただいかんせん、小さい

たくさんあればまあ何とか

たくさんあればまあ何とか


大きく、食べごたえがあることがアワビの魅力の1つであることは間違いないので、そこはどうしたってかなわない。
チンゲンサイは芯の部分を使った

チンゲンサイは芯の部分を使った


さらに、アワビ独特の甘みを伴う旨味はマツバガイからは感じられない。
まあ、これについては相手が悪すぎるよね。
200勝投手相手に社会人チームで挑むようなもんだもん。

味:★★★★☆
価格:★★★☆☆

干してマズくなる海産物ってあるのかな

マツバガイという、海辺ならどこでも、タダで手に入る食材がここまで美味くなるとは驚きである。
まあ、生やシンプルな調理法でも美味しい貝なんだから、干して美味くなることは予想の範囲内だけど。
それでも、非常にオススメできることは間違いない。

時間がかかるったって、つきっきりで作業する必要はないのだから大した労力ではないだろう。
干すことで大きく縮んでしまうので、大きな個体(殻長でいえば6㎝以上)を探す必要があるが、もし見つけたらぜひトライしてみてもらいたい。
テトラに居るやつは大型が多いよ!


※マツバガイ・ベッコウガサなどの「磯物」は採りすぎるとすぐにいなくなってしまうので、採集の際は節度を心がけましょう。
小さいのは食べでもないし、採らないでいいでしょう。
デカいほど美味いしね!

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コメント

  1. 水野真由美 より:

    早速リクエストに答えてくださってありがとうございます!
    とっても楽しく読ませてもらいました♪
    もう試したくてウズウズです(o^^o)

    うちの近所では小さなマツバ貝しか見つけられなかったので、まずは大きなマツバ貝を探さなくては!
    ちゃんと言いつけ守りますね〜。

    まゆみ

    • wacky より:

      こちらこそ、思い出させていただいてありがとうございます(笑)
      マツバガイは大きくなるほど美味しいですが、その分固くなるので、戻す時は長時間煮るか、圧力鍋を使ったほうが柔らかくておいしくなると思います!

      テトラで採取する時は波に気を付けてくださいね!

  2. さかどくん より:

    こんばんは。
    なんでカビたのでしょうねぇ。。
    カビてなかったら、もっと美味いのかも…。

    • wacky より:

      たぶん、乾燥させきれていなかったんでしょうね…
      身質が締まっているからか、予想以上に長い時間がかかるようです。
      今後作るときは、できる限り野外に出して水分を飛ばすようにしたいと思います。

      ただ、味についてはカビの影響はほとんど感じなかったように思います。
      美味かったですよ!

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