投げ釣りの外道シロボヤで「ホヤチム」を作る

外房の釣具屋さんで教わったギャング釣りにハマってしまった。

ギャング仕掛け

中心に錘を、先端部に3つのイカリ針をつける


錘をつけたイカリ針を遠投して、底を引きながらあらゆる生き物を引っ掛けるというこの釣りは、小さな底曳き網といえるほどの威力がある。
その無慈悲さ(と見た目の危険さ)から、ほかの釣り人がいるところでは慎みが要求される。

また、底ものであれば貝でも引っ掛けられるため、漁業権が設定されている区域では(ギャング仕掛けを利用するのは)難しい。
この仕掛けを売ってくれた釣具屋さんによれば、外房から九十九里浜ではしばしばギャング釣りによるハマグリの密漁が摘発され、10万円程度の過料を科されているそうだ。
例えカレイやシタビラメを狙っていたのだとしても、ハマグリが掛かってしまった時点で密漁になってしまう可能性がある。

これらのようなリスクがあり、また人に自慢できるような釣り方ではないので、進んで人にオススメできるようなモノではない。

でも僕のような釣り人としてのプライドが皆無に等しく、食べられるものが採れるなら過程や、方法など、どうでもよいのだァーーー!という人間にとって、特に狙いを定めずとも様々なものが採れるギャング釣りは非常に性に合っている。

安全な場所で一度楽しんでみたいという人は、浦安の埋め立て地周辺がギャング釣りの聖地となっており、ベテラン釣り人を始め大漁の人々がイカリ針をぶん投げているので、そこで一度練習してみるといいだろう。

 

対ギャング最終兵器・シロボヤ

というわけで、ゴールデンウィークの緒戦は聖地周辺でのギャング釣りを実施したのだが、大潮の干潮付近というギャング釣りにベストな時間帯を選んで釣行したにも関わらず、生命反応は皆無だった。

唯一掛かってきたのが、先日三番瀬で大量に捕獲したばかりのシロボヤ
シロボヤ
シロボヤがイカリ針に掛かってしまうと自然にはずれるということはまずないため、ほかの獲物が全く掛かってこなくなってしまう。
ギャング釣りの「何でも捕れる」という点を逆手に取った、地球サイドの高度な防御策なのだろうか。

それでも諦めずにギャング仕掛けを投げ続けていると、地元の人らしきおじさんが自転車で通りがかり、いろいろと教えてくれた。

三番瀬の沖合には、浦安の埋め立て地を作るための土砂を採取した幅2km、深さ20mほどの大穴があり、夏の高水温期になると穴の底で嫌気細菌が硫化水素を発生させて青潮の原因となる。
なんでも昨年は3度にわたり大規模な青潮が発生し、ホンビノス貝などの青潮に強い生物をのぞいてほとんどの生き物が死滅したのだという。
通りで先日の潮干狩りでマテガイがちっとも採れなかったのだ…

ギャングで釣れるような底棲の生き物たちはまだ復活しておらず、いるとしてもイワシやスズキのような回遊性のものだけ。
こういうときはギャング釣りは全くの無力だ。

仕方がないので大きいシロボヤを20個ばかり持ち帰ってきた。

シロボヤと「エボヤ」

先日の試食で、シロボヤが普通のホヤと同じように食べられることは判明している。
何か他の食べ方はないかと思い探してみると、韓国の「アグチム」という料理に行き着いた。

アグはアンコウ、チムは蒸し煮という意味で、アンコウの辛い蒸し煮なのだが、その中に「エボヤ」というホヤを入れるのが一般的なのだという。
エボヤはシロボヤと同じく小型のホヤで、韓国以外ではほとんど食用にされていないものと思われるが、当地では外の殻を上部だけ器用に外し、膜でおおわれた状態のものをチムや鍋に入れている。

エボヤ google画像検索結果

この膜が口の中で割れると、中から勢いよくホヤの香りのする汁が吹き出し、それが何ともオツなのだとのこと。

見た目はかなり似ているし、シロボヤで作ってみても美味しくなるかもしれない。
さっそく、試してみることにした。

シロボヤのホヤチム

とはいえ失敗するかもしれない料理に高価なアンコウを使う気にはなれないので、とりあえずシロボヤだけで作ってみることにした。

まずはシロボヤの殻を剥くところから。

シロボヤ,調理

透明の膜がある


エボヤのように、透明の膜をつけたままプリッと剥ければ素晴らしいのだが、シロボヤの膜は外殻にしっかりとくっついておりその境目で外すのは至難の業であった。

仕方ないので殻に薄く切れ目を入れ、
シロボヤ,料理
筋肉が裂けてしまわないように注意しながら、茹で卵を剥くように中身をプリッと取りだす。
シロボヤ,料理
コツがつかめれば簡単だったが、幾つかは内臓が出てしまった。
シロボヤ,料理
こちらを少量の水で蒸し、水が減ってきたら
ヤンニンジャン
ヤンニンジャンという旨味の強いコチュジャンのような辛みそを入れて、汁気がなくなるまで蒸しあげる。
シロボヤ,料理,チム,韓国料理
完成。
なんというか、とても韓国料理っぽい外見。

いざ試食。
(・~・;)

味は悪くない
ホヤから出た良いダシがヤンニョンジャンの辛みに負けておらず、筋肉もぷりぷりしていて歯ごたえが素晴らしい。
噛んだときにピュッと出てくる肉汁は臭みもなく、ホヤの濃厚な香りがして美味しい。

しかし、それらを台無しにする欠点があった。
泥を噛みまくっている

ほぼすべての個体が体内に大量の泥を含んでおり、口の中でじゃりじゃりしてとても味わえたものではない。
前回食べたときは内臓をきれいに洗い流していたのでそのようなことはなかったのだが…調理法に変な色気を出してしまったのが完全に裏目に出た形だ。

味:カウント不能
価格:カウント不能

強調しておきたいのは、味そのものは良かったという点である。
ちゃんと内臓を除去して調理すればなかなか美味しいものができただろう。
とても悔やまれる結果になってしまった。

似ていても生態が違うのだろうなぁ

エボヤもシロボヤも、波の静かな内湾に生息し、海水を濾して食物を得ている。
しかし、何らかの理由で泥を噛んでしまうものとそうでないものに分かれているのだろう。

それとも韓国の人はちょっとの泥は気にしないのだろうか…?
福岡に住んでいたころなら日帰りで釜山にアグチムを食べに行くこともできただろうが、現在ではそういうわけにもいかない。
誰か事情通の人、教えてくださいな。

 
 
 

コメント

  1. エルヴィン より:

    うちは好きでマボヤを捌きますが、みたところ中の下処理してないですね。

    マボヤでも普通にウンチはいってますよ

    自分ははさみで捌いしまいますが殻から剥いたら開いて流水で流しながら腸に当たる部分を開いていきます

    ウンチが内臓のビラビラしたところの奥に入りやすいので気を付けて処理します

    http://www.sansan-minamisanriku.com/archives/sansan-tv/843.html/
    参考にURL貼っておきます
    次は美味しくいただけるといいですね

    • wacky より:

      コメントありがとうございます。
      普通のホヤは宮城の漁師さんに食べ方を教わって以来、好きでよく食べてます!それからこのシロボヤも、前回食べたときは2つに切って内臓を洗い流して食べたんですが、その時はおいしく食べられました!

      今回はエボヤのように「口のなかでぱつんと弾ける」のを試してみたかったのですが…シロボヤではどうもうまくいかないようですね。
      でもエボヤだってホヤには変わりないし、アグチムのときはやっぱりウンチごと食べているのか…?謎が深まるばかりですw

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