人間の餌としても非常に有用だったトウゴロウイワシだが、釣ったものを数匹活かしておき、日没後にそれを餌に付けた胴突き仕掛けを沈めていると
まあまあ型のいいメバルが掛かった。
このサイズならまずは刺身!となるのだが、今回はメバルで試してみたい料理があったので、そちらを作ることにした。
はぶて焼きである。
省手焼き?怒り焼き?むくれ焼き?
はぶて焼きは広島の郷土料理で、煮付けにした魚を焼くというものである。
祖父の住む岡山でも似たような料理が存在していた記憶がある。
はぶて焼きの語源についてははっきりしていないようで、一度に大量の小魚を煮ておけば、あとは食べるときに都度焼けばいいことから、下処理や準備の手間が省けるということで「省手焼き」となったという説や、広島弁で怒りで膨れたりすねたりすることを「はぶてる」というのでそれが元ではないか、という説もある。
個人的には、わざわざ煮つけてから焼くというのは非常に手間がかかる調理法だと思われるのだが。
メバルのはぶて焼きを作る
メバルは丁寧に鱗を落とし、内臓を出してよく洗う。
いわゆる磯の金メバルと呼ばれるタイプで、学術上はアカメバルの一種になるのかと思うが、クロメバルやシロメバルと比べて鱗がとりやすいように感じる。
煮汁はふつうの煮魚を作るときよりみりんを多めにして、身を締めるように良く煮る。
煮汁に漬けたまま冷まし、できれば味がしみるまで一晩ほど置いておく。
これで同時に身が締まり、扱いやすくなる。
味がしみた煮魚を、焼き網に乗せて遠火でじっくりと焼く。
このとき、焼き網にサラダ油を塗っておかないと煮汁が焦げて網にくっついてしまう。
また焼きはじめてしばらくは、トングなどでこまめに揺すりながら網にくっついてしまうことを防ぐ。
強くしすぎて身を崩さないように注意してほしい。
両面をじっくり焦げるくらいまで焼いて、
完成。
煮汁が焦げて黒くなり、見た目はやや凄惨なものになってしまった。
この外見を「はぶて」ているとしたのが自然な考えに思えてくる。
でもまあ、大事なのは味でしょ。
…( ̄~ ̄)
…
うん、美味い。
美味しくならないはずがない。
シンプルに言うと香ばしい煮つけで、特に皮がぱりぱりとして素晴らしい。
みりんを多めにして糖分を大目にしたことで、皮目がまるで北京ダックのようにカリカリになった。
煮魚で身がもろいので、初めは網でなくフライパンにホイルを敷いて焼こうとも思ったのだが、香ばしさとぱりぱり感をプラスすることを考えればやはり網で焼くのが良いと思われる。
味:★★★★☆
価格:★★★★☆ 手軽な惣菜ではあるけれど、手間がかからないわけではない
キュウセンのような身の柔らかい魚で作っても美味しくなりそうだなぁ。
こんどベラ釣ったらやってみよう。
コメント
通りすがりの元高松人です。ええメバルですなー。
キュウセン、香川では焼いてから砂糖醤油で煮付けます。ヌメリを塩で洗って内臓を取り、「ウロコをつけたまま」焼いて、熱くした砂糖醤油でかるく煮付ける。煮るというか、浸す感じです。
塩焼きや煮付けの方が一般的ですが、夏になったらお試しください。
ベロコ、結婚して神奈川にきましたら、とんと見かけません。船釣りで釣れるそうですが「派手な熱帯魚釣れちゃったー♪」でリリースされてしまうとのこと。瀬戸内の小魚が恋しいですわ-。