巨大なミミズ(オオフサミミズ)が採れたので蒲焼きで食べてみた

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サバイバルものSFの大傑作といえば、やはりさいとうたかをの「サバイバル」

この作品のなかで主人公のサトルくんは実に様々なものを食べているのだが、そのなかでも最終盤に出てくる「ミミズを食べるシーン」は強烈なインパクトがあった。
(初めは生魚も躊躇していた彼が、半分ヤケとはいえミミズを煮て食べられるようになるまでの過程が、この作品のキモでもある)

実際のところミミズの栄養価は非常に高く、捕獲難易度の低さを考えても、非常時にはまず念頭に置くべき食材だろう。
であるにも関わらず、僕はまだミミズを食べた経験がなく、一度トライしてみたいと思っていた。


そんな明くる日、キノコ狩りツアーの最中に、山道の脇にのたくっているデカいミミズを捕獲した。
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これは何かの啓示であるに違いないと確信し、ビニール袋に入れて持ち帰ってきた。

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関東屈指の巨大ミミズ「オオフサミミズ」

持ち帰って改めて観察してみる。
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……キッチンに似合わんやつやな……

とはいえ、個人的にはミミズは昆虫よりも(食することに対して)抵抗がない。
近縁と言えるケヤリムシやウミケムシの、アミノ酸の塊のような旨味を知っているからだろう。


「ミミズ図鑑」(2014、石塚小太郎ら著、全国農村教育協会)によると、このミミズはオオフサミミズということで良さそうだ。
山地に生息する種で、赤褐色で横縞が目立ち、帯のすぐ下にある生殖孔の特徴も当てはまる。
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(はじめタカオミミズかと思ったが、生殖孔の数が異なっていた)
普段は土中の深いところにすむが、雨後になると抜け出してきて地表をはい回るらしい。

最大で35cmほどになる種らしく、今回採れたものは種としては決して大きい方では無いようだが、それでも色味も相まってかなりのインパクトだ。

オオフサミミズを食べてみた

これだけ大きいミミズなら調理もしやすかろう。
さてどうやって食べようか。。


サトルくんは特に処理もせずに煮て、ラーメンのごとくズルズル食べていたが、小型種とはいえ泥が詰まっていただろうしかなり食べづらかったのではなかろうか。
臭いもかなりキツいし、味付けも濃いめである必要があるなぁ。

……蒲焼きにでもするか。

ほら、ウナギを釣りにいってボウズだったときってよく冗談で「(餌の)ミミズを蒲焼きにしたら?ww」とか言うじゃんね?
今度そう言われたときに「ミミズの蒲焼き食べたことあるよ( ̄ー ̄)」って言えたら相手を黙らせられそうじゃない?


ということでやってみた。

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まずは気分を出すために目打ちし、
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小出刃でサクサク開いていく……

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……が、やはりやりづらいので後半からキッチンバサミに持ちかえた。

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内臓の詰まった前半部と比べると、筋肉の発達した後半部はかなり弾力的で硬い。

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開いたら内臓をよく洗い流し、更に塩をかけてよくもみ洗いする。

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……臭いな。。。
ミミズ独特の、生臭さにケミカルな要素が入った不快な臭いが立ち上ってくる。
ドブ川で釣れたウツボを掴んだ後のタオルの臭いにも似ている。
アオイソメのケミカル感とはまた違ったベクトルの臭いだ。。
ちとキツイなコレ。

ウナギの臭いは、身の中の脂を爆ぜさせながらじっくりと焼き入れることで蒸散させることができるが、ミミズの身にそこまでの脂が含まれているとは思えない。
しょうがないのでフライパンに魚焼きシートを敷き、その上にサラダ油を塗り拡げて、揚げ焼きになるようにしてみた。

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串を打って、

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じーっくり焼いて……

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たれをかけてもう一度軽く焼き、

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完成。
ホントはここでご飯に乗せたかったけど、まずかったら目も当てられないのでやめた。


いただきマース……
……(~~~;)
臭い……
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加熱することでミミズ臭さはより化学的な方向に向かった。
化学実験室の香りにペパーミントを加えたような、実に表現の難しい臭い。
トラウツボで時々皮がこんな臭いのやついるなぁ……


……あ、でも、身自体はやっぱりゴカイ類と似て旨味と甘みがある!
歯ごたえはあるが噛み切れないというほどでもないし、脂がよく当たっていたところは臭みもなく、カリッとしていてなかなかイケるかもしれない。

味:★☆☆☆☆~★★★☆☆
価格:★★☆☆☆



これ、何も考えず揚げちゃうのがたぶん正解。
低温でじっくりと揚げて、臭みを全部飛ばしてしまえばきっと美味しく食べられるだろう。

ホントは伝説のミミズハンバーグもやってみたかったけど、混ぜ込み系は爆死しか見えないからやめとこうかな……w

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野食ハンマープライス

コメント

  1. たきあ より:

    思ったよりもまともそうな料理になってて驚きました。なお味

    • wacky より:

      味もやりようによっては十分食べられるようになると思いました。なお調理前の見た目

  2. らんらん より:

    佐々木孫○空という裏のお笑い芸人が生のドバミミズを大量に踊り食いをしてるのを見たことがありますが…
    気になってはいたのですがやはり臭いんですね

    • wacky より:

      臭いはともかく、お腹壊さないかどうかが心配ですね……野菜くずだけで育てたとしても何らかの細菌はいるでしょうし

  3. ひろまえ より:

    貴重なタンパク質です

  4. nonnoko より:

    鉄鍋のジャンでジャンがミミズ使って色々作ってましたね。

  5. すいーと より:

    おれはうどんを食うんだーっ!

    • wacky より:

      今回のミミズを出したらサトルくんも「きしめんを食うんだーっ!」って言ってたはず

  6. 鏡の破片 より:

    でも「これを餌にして魚を釣る」「こいつらに土壌改良してもらって野菜を育てる」の方が栄養価も食味も優れた物を食べれそうですけどね。言わない約束ですか?

    • wacky より:

      あなたそれサトルくんの前でも同じこと言えるの?
        ノ从从从从ヽ
       (⌒/゙゙゙゙゙゙\⌒)
       ノイ _  _|ヽ
       彡|ヽ・〉〈・ノ|ミ
       彡|  ▼  |ミ
       彡ヽ _人_ / ミ
      `/ヾヽ `⌒′/ ツ\
      | ヾ ゙゙゙゙゙゙ ツ |
      | | ヾ从从ツ | |
      | `――――――⌒)
      (\________)
      (⌒       ノ
        ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄T

  7. ssxsr より:

    趣味友遊のゴミカスヘタレバカクソ野郎さんも作ってましたねミミズハンバーグ。普通に美味しそうでした。本人もこれは肉って言ってましたし。
    処理の仕方次第で普通に美味しく食べられそうですね。

    • wacky より:

      ハンバーグみたいなひき肉・混ぜ込み系は臭いが閉じ込められてしまうんじゃないかという危惧がありまして、今回はやりませんでした。結果としてやんなくて良かったかなとも思ってます。ミミズ臭、苦手みたいなんです(笑)
      生の状態で匂いを消し去れる何かがあればいいんですけど。。

  8. わんわんちゃん より:

    鰻の蒲焼きでも食べる時に「山椒」をかける事で臭みを消すから、蒲焼きの時に酒をふりかけ、食べる前に山椒をたっぷりかければ、臭みはかなりなくなると思います。

  9. […] >>76 ミミズは肉自体も臭いらしいな 泥じゃなく化学物質みたいな変な匂いがするようだ https://www.outdoorfoodgathering.jp/insect/oohusamimizu/ […]

  10. […] >>76 ミミズは肉自体も臭いらしいな 泥じゃなく化学物質みたいな変な匂いがするようだ https://www.outdoorfoodgathering.jp/insect/oohusamimizu/ […]

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