黄色味が強いウツボは本当に脂ノリッノリなのか

ウツボ釣りのシーズンも終わりが近づいてきた。
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間もなく初夏になると、生殖器官が大きくなってくるので、脂の乗りが悪くなっていく。
さらに水温の上昇とともに皮と身の臭みが強くなってきて味が落ちる。

資源保護のためにも、初夏~夏のウツボは釣らないことが望ましいと考えている。


逆に言うと抱卵期直前である今の時期は、体内に栄養をため込む時期なので脂の乗りがよく美味しい個体が多い。
水温も気温も上がり出すので釣りやすくなり(とくに夜)、ウツボ釣りの入門にはふさわしい時期と言えるかもしれない。


閑話休題。
先日、いつもの港でウツボを釣っていると
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かなり黄色いものが釣れた。

一瞬違う種類のウツボかとも思ったが、これくらいなら個体差とも言えるだろう。
80㎝ほどのレギュラーサイズだ(以下、Aとする)。


さて、今年の頭に、テレビでウツボ漁のようすが放映されたとき、漁師さんが「黄色いほど脂がのっていて美味しいんだ」といったコメントを発していた。
釣りの本などでも「黄色い脂ノリノリの個体」みたいなフレーズを見かけるので、一部関係者の中では常識になっていることなのだろう。


しかし、自分はこれまで体表の色味と味の相関性を意識したことはなかった。
どちらかというと大きさのほうが重要なポイントで、メーターを超えるような大物は間違いなく脂ノリノリで美味しいというのは経験的に理解している。
80㎝ほどではそこまで強い脂を感じないのだ。


今回はさいわい、この個体のほかに、平均的な色味をしたメーターオーバーの個体(以下、Bとする)をゲットしている。
また以前、90㎝ほどで真っ黒の個体(Cとする)を釣り上げて食べている。
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これらの個体の味の差を比べてみれば、何かしらの考察を見いだせるかもしれない。

試してみよう。

 

ウツボの体色と味覚の相関性を見いだせるか

どちらの個体も、前半身を使い、

個体A

個体A


B

B


背身と腹身を薄造りにしてみた。
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色が淡いほうが個体B、色が濃いほうが個体Aだ。
まるでブロイラーとキジバトみたいな色の差が出てしまったが、どちらも血抜きはしっかりとやっているので筋肉の色の個体差と思われる。

ポン酢で食べ比べをする。

…(・~・)
……(・~・*)

はいっ、差はありません!
どちらも脂がよく乗っていてたいへん美味しい。


これは…どう考えればいいのだろう。
通常はメーターオーバーと80㎝の個体では脂の乗りに有意差を感じるので、個体Aがこの大きさにもかかわらず個体Bと同様の脂の乗りであることは、黄色味の強さと関連性があると言えるかもしれない。


ただ…
個体Cも、べつだん脂の乗りが悪いわけではなかったんだよね。
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それでその時は「やっぱり色よりも大きさが大事なんだなぁ」という思いを強くしたのだ。


それからこれも疑問点の1つなんだけど、昔真夏にもウツボを釣っていたころ、釣れるウツボの半分ほどが黄色みの強い個体だったように記憶しているのだ。
でも真夏のウツボは先述の通り生殖器が発達していてどれも脂の乗りは悪い。


なので、これは個人的な推察にすぎないのだが、ウツボの色味はその個体の性的な成熟度合によって変化するもので、性的に成熟したり繁殖期が近づいてくると黄色味が強くなっていくのではないだろうか。
繁殖期の前は活発に餌を摂るため多くの個体で脂の乗りが良くなるが、黒い(繁殖期でない)からと言って食が細い個体とは限らない。
そのため、有意な差を感じないのではないだろうか。

ウツボに聞いてみたい

と当て勘的な推察をしてみたが、実際のところはウツボ自身に聞いて見ないと分からない。
まあそれは無理だとしても、よりいろいろな地域で獲れたウツボを食べ比べて水温・時期・色などの要素を1つずつ記録していかないと事実は分からないだろう。

日本で一番ウツボを愛している」茸本としては、ここで安易に結論付けはせずに、今後も引き続き調査を続けていきたい次第であります。

 
 
 

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