ウツボの油かすと、ウツボ煮干しで仕立てたつゆで「かすうどん」を作ってみた

「野食のススメ」第8回の記事が公開されました。
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星海社Webサイト「ジセダイ」
「野食のススメ 東京自給自足生活」
を連載しています!!

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来週末に予定されている野食新年会ですが、おかげさまで多くの方から魅力的な持ち込みオファーを頂戴しています。
以下、その一部です。


●肉
・クマー(筋肉、レバー、ハツ)
・ロバ
・シカ(レバー、ハツ)
・イノシシ
・ウズラ
蒲原ゴム


●魚介
・ウツボ
・ハゼクチ
・スズキ
・オニカサゴ
・スミイカ
佛跳牆


●その他
・虫(大量)
・干しキノコ(大量)


……ナニこのワクワクが止まらないラインナップ!
史上最高レベルに豪華になるのでは……?

乞うご期待。
※満席になりました(1/20 19:00)

 

ウツボの皮下脂肪を油かすにしてみよう


先日釣ったウツボだが、大きいサイズのものは黄色と黒の色味のバランスが非常によかったので、久しぶりに皮をなめしてみたいという欲求にかられた。




そこで、上半身を背開きにし、皮を剥いで見たのだが、旬の時期だけあって皮下脂肪がとてもよく乗っていた。

ウツボの皮下脂肪はたたきなどで食べるとまさに絶品なのだが、皮をなめすにあたっては、なめし液がうまく浸透しなかったり、腐敗の原因になるためきれいに除去しないといけない。

失敗した時のようすがこちら


ということで裏漉きを行う。
動物の皮をなめす際には、毛皮を傷つけないように鉈のような切れ味の悪い刃物を使うのが一般的らしいが、ウツボの皮下脂肪は膠質で皮下組織と一体化しているので、小出刃等の丈夫で切れ味のよい刃物を使るほうが楽だ。


カミソリで髭をそぎ落とすように、小出刃の先端部を使い、皮下脂肪をこそぎ落とすように削っていく。

1時間ほどかけて、まな板1枚ほどのサイズのウツボ皮を裏漉きすることができた。


さて、このとき採れた皮下脂肪だが、

純白で透明感があり、プルプルとしておいしそうだ。
ウツボの皮は結構磯臭さが強く、個体によってはケミカル臭がして食べられないものもあるのだが、皮下脂肪だけを取ってみると意外なほど臭みがない。
臭い成分は皮下ではなく、表面に溜まるのだろうか。

この皮下脂肪を食べてみたいなと思ったのだが、刺身にするにはちょっとゼラチン質が強く、食べ辛い。
まるで豚の脂肪のようだ。



そこで、フライパンで乾煎りしてみたところ、


自らの脂で揚げ焼きされ、カリカリになった。

つまんでみると、魚の脂ならではのさっぱりとした感じと、サクッともニチャッとも違う不思議な触感のするものができた。
これは……魚版油かすってやつだな。

油かすといえば大阪名物かすうどん。
ということで、うどんを作ってその上にトッピングしてやろうと考えた。

ウツボ煮干しで出汁を取って「ウツボかすうどん」を作ってみた

ウツボの上半身はいつもきれいに開かれ調理されるのに対し、下半身は小骨の多さもあっていつも利用法に悩む。
普通の調理法や、骨切り程度だとまったく食べることができず、かつては悩んだ挙句廃棄してしまうこともあったが、カチカチに干して出汁を取ると美味しいということに気づき、それ以降は干物にして保存するようになった。



で、最近では開くのも面倒くさいので、ぬめりを取ってからそのままぶつ切りにし、乾燥させて保存している。


なのだが今回は、その一部をさっと塩水で煮てから干す「煮干し」にして保存しておいたのだった。



ウツボの素干しは脂が非常に強く、煮たてるとすぐに白濁して白湯スープになる(これもまた美味しいのだけど)
うどんの出汁にするにあたり、素干しよりは煮干しのほうが雑味の少ない出汁が取れるのではないかと考えられた。


そこで、煮干しを4つほど用意し、一晩水につけておき、


濁りが出ないように、脂やゼラチンを大量に含む皮を剥ぎ取って昆布とともに加熱し、沸いたら昆布を取り出して弱火でじっくり煮ていく。


途中、皮下脂肪から脂がどんどん浮き出てくるので、こまめに掬い取って捨てる。

半分になるほど煮詰めたら、薄口しょうゆとみりんを少々。
うん、透き通ったいい出汁ができた!

うどんは市販のものを軟らかめにゆでて、

どんぶりに入れてウツボ油かすを乗せ、先ほどの出汁を回しかけて、


小口ねぎを散らせば、完成!


いただきマース

……(≧~≦)
美味いーッ!!

すごいなウツボ出汁、関西風うどんつゆも行けるんか……

いりこと昆布で作った出汁と比べるとクセが強くなるかと思いきや、皮&脂肪を丁寧に取ったおかげかむしろ爽やかで、一方でうまみが十分にありとても完成度が高い。


そして、油かす。

脂の臭みが怖かったのだがまったくの杞憂に過ぎず、本家油かす同様、つゆに心地よいうまみとコクを与えてくれている。
そして油かす自体がうまみたっぷりのつゆを吸って柔らかくなり、天かすの上位互換として存在感を発揮している。

柔らかめに茹でたうどんとの相性は抜群の一言!

味:★★★★★
価格:★★★☆☆



新しい調理法にトライするたび、こちらの予想を上回る味わいを提示してくれるウツボ。
こんな魚が身近にいてくれることを心から感謝したい、改めてそう思った。




でも咬むのはもうカンベンな!!

 
 
 

コメント

  1. 食通 より:

    まだアオイソメ食べてないよね?

  2. 浅野 より:

    蒲原出身者です。いつも楽しく拝見させております、ありがとうございます。
    蒲原ゴム(イルカの鰭皮と脂肪)は「スマシ柔らか・普通・かため」とあるうち70歳すぎのオジジだけが好む「かため」です。「柔らか」や「普通」は別ものですので誤解のないようにお願いします。

    • wacky より:

      おお、種類があるのですね! 僕が食べたことがあるのは「かため」だけのようです。
      ありがとうございます。勉強になります。。

  3. rennzann77 より:

    魚でもセシカラが出来るんですね!

    • wacky より:

      そっか、そちらでは「せしから」って言うんでしたっけ(`・ω・´)

      • rennzann77 より:

        クジラや豚の油粕のことをセシカラというんだそうです。
        食品問屋でセミクジラとブタのセシカラを見たもので・・・。

  4. ウピスコ より:

    ウツボ大量杉ワロタ
    しっかしこのうどんは旨そうだなあ…。
    なんだろう、タイとかベトナムとかの路面店にありそう!!
    この時間に見る物ではなかった(‘A`)

    • wacky より:

      そうですね、予想以上に澄んだスープが取れて、なんだかフォーみたいですね。
      うどんの澄んだつゆって夜中に見ても胃に優しいカンジしません?w

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