中国4大海味が1つ「魚肚のスープ」をクログチで作って食べてみた

「野食のススメ」第10回の記事が公開されました!(2017.4.1)
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近年、日本各地ではナマコの密漁が問題になっております。

密漁ったって、釣り人が針に引っかかってきたナマコをこっそり持って帰ってナマコ酢にして食べた、というようなレベルではなく(もちろんイカンのですが)暴力団が集団で組織的にやる「シノギ」としてのそれが全国で多発しているそうな。


先日話題になった静岡・網代漁港の立ち入り禁止問題も、集団でのナマコの密漁が発覚したのが決定打になったという噂を聞いた。(噂レベルで恐縮ですが)

密漁によってとられたナマコがどうなっているのかというと、グローバルな闇ネットワークに乗っかって流通し、最終的には中国のマフィアによって購入され、富裕層の口に入るという。
乾燥ナマコは近世から対中国の輸出品として大切にされてきたが、今はそれがブラックマーケット化してきてしまっているということだ。


同様の問題が、カリフォルニアでも起こっている。
しかしカリフォルニアで密漁されているのは、ナマコではなく魚の浮き袋

絶滅危惧種の魚の浮袋を密輸、米国で3.6億円相当を押収

浮き袋を乾燥した「魚肚」は、ナマコ、アワビ、フカヒレと合わせて「参鮑翅肚」と呼ばれ「中国四大海味」の一つとされている。
どれも非常に高価なものだが、トトアバという魚の浮き袋は大きくてゼラチン質に富み、乾物は1個100万円以上という超高額で取引されることもあるのだそうだ。

中国や香港では、トトアバは乱獲がたたって絶滅危惧種に指定されてしまい、現在は禁漁となっている。
ということでアメリカの各種マフィアやメキシカンマフィアが、アメリカ近海のトトアバに目をつけ「シノギ」として活用しているのだ。

いまや日本もアメリカも中国の購買力の恩恵を受けないとやっていけない時代、表の経済力だけでなく裏の経済力の影響をも受けてしまうのは、大変遺憾ながらも防ぎようがないのかもしれない。

 

クログチの浮き袋でも同じような味になるんじゃね?

さて、トトアバは写真を見るとわかるが、ニベ科の魚だ。
ニベ科の魚は「○○グチ」という名前のものが多いが、これは彼らがその浮き袋を用いて「ぐうぐう」という音を出すことに由来している。
どの種も捌いてみると、魚体に比してよく発達し、他魚と比べると明らかにゼラチン質が多くて分厚い浮き袋を保持している。



先日捌いたクログチも、まさにそのような浮き袋を持っていて、魚体のサイズもあってかなり食べごたえのありそうなものが取れた。


魚肚は買うと高いし、ブラックマネーに寄与するのも好ましくない。
だから、この浮き袋がチャイナマフィアの手に渡ってしまう前に、我が家で消費してしまうことにした。



浮き袋は組織構造に従いながら手で開き、内部の血液をよく洗い流して、


天日でカチカチに干しあげる。
そしてそれをまた戻すのだが、戻し方にもお湯だけで戻す、あるいは低温の油にかけるなど、いくつか流儀があるらしい。
今回は失敗の少なそうなお湯戻しにトライ。


多めの湯を沸かし、沸騰したら火を止めて浮き袋を投入。

冷めたら取りだし、また湯を沸かして投入。
これを何度も繰り返すそうだ。


今回のものは本家と比べると小さい浮き袋だからか、2回でかなり柔らかくなった。



ちょうど、先日干しておいたウツボの浮き袋&胃袋もあったので一緒に戻しておいた。


浮き袋自体に味はなく、スープの味をしみ込ませて美味しくするという。
フカヒレと考え方は同じ。

高麗人参、しょうが、ベーコン、アミガサタケ、乾燥マテガイ、スダチ、ポルチーニ


ということで、それっぽくゴージャスな食材をそろえて


沸騰させないようにことことと煮出す。


出汁が出たら素材を取り出して塩で味をつけ、



細かく刻んだ浮き袋を入れて


これまた弱火でことこと煮る。


こんなもんでいいかしらね。

いただきマース

……(`・^・´)
おおお! なんだこの浮き袋、めっちゃ脂乗ってるな!!
プリプリもしくはコリコリ系の食感を想像していたのだが、全く予想外だった。
プルンプルンのゼリー系の食感で舌で切れるくらいに柔らかく、脂も乗ってまるで……豚の背油(はんぺん)のようだ。
いやまあアレよりはずっとくどくなくて食べやすいけれども。


ウツボはムチップニュッってカンジでだいたい予想通り。
人によってはこっちの方が美味しいと感じるんではないだろうか。

味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆


「魚肚」はその味だけではなく、滋養強壮にも強い効能を発揮するとのことで、医食同源の考えからも珍重されているようだ。
今回はそれもあったのか、あるいはスープに入れた高麗ニンジンの力か、翌朝の目覚めが近年稀にみるレベルで良かった。
これを書いている今も力がみなぎっております。

とはいえ、やっぱり珍味のために特定の種を絶滅に追い込んでしまうのは絶対にいけないこと。
トトアバを今後採らないのは当然として、我が国においてはクログチやらシログチやらを加工するときに出るアラを、廃棄せずに中国に売ってしまえばいいんじゃないだろうか。
特に小田原とか、すり身の生産にあたってシログチをめっちゃ処理してるんじゃないかと思うので、よかったら検討してみていただきたいのです。

 
 
 

コメント

  1. 魚好き より:

    家でも材料さえあればファーカーウ作れそう((((;゜Д゜)))

    • wacky より:

      中華料理って、材料を集めるのがともかく大変で、それさえなんとかなれば後は時間をかければ何とかなるような印象があります。。

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