魚の生命力と再生能力に驚愕させられた…

スポンサーリンク

先週末、いつものポイントにゴンズイ釣りに行ってきた。
KIMG3014
夕マズメと満潮が重なる極めていい潮で、これは爆釣間違いなしと意気込んで向かったのだが…
残念なことに先端の1級ポイントには先客がいて、しかもこまめに撒き餌をしてきっちりと底まで効かせているご様子。


冬の落とし込み釣りはオキアミを餌にして、その匂いで周囲の魚を寄せつつ釣る。
はじめはうんともすんとも言わないことが多いが、やがて匂いに寄せられたゴンズイたちが海底でゴンズイ玉を形成する(妄想)と、あとは入れ食いになる…のだが、撒き餌の釣りをしている人が近くにいると、当然そちらに寄って行ってしまう。


というわけで僕の竿につけた鈴はリンともチンとも言わず、はぐれものの小物が一匹掛かっただけという大貧果に終わってしまった。
ゴンズイでこれはきついぜ…

スポンサーリンク
スポンサーリンク
 

不思議な魚が釣れた×2

鳴らない鈴を見つめながらぼんやりとしていると、堤防の付け根から近づく人影があった。
なんだろう、お巡りさんかな?と思いつつ待っていると、突然「すみません、これってアナゴですか?」との呼びかけが。
付け根あたりで落とし込み釣りをしていた人だった。

照らしてみると長物のシルエットで、ここで釣れるならマアナゴかクロアナゴかな…と思いつつ見てみると、
KIMG3017
…マアナゴ…だよね?
体側の斑点やこのとぼけたような顔、間違いなくマアナゴなのだけど、やたらと顔が大きい。

…いや違う、顔が大きいんじゃなくて尾っぽが短いんだ!
KIMG3018
よく見てみると、明らかに尾を切られて再生した跡がある。
きっと幼魚の時に何者かによって切られ、そこに鰭が再生したのだろう。


そのほかに異常は見られず、至って健康的な個体のようだったので、美味しそうなマアナゴですね!と言うと
「あげますので外してもらっていいですか…?」とのこと。
どうやら長物が苦手な方のようだ。

ありがたく頂戴し、お土産ができたことにほっと胸をなでおろす。


その後も釣れず、紅茶を飲みながら寒さに耐えていると、隣のおじさんの竿が曲がっている。

覗き込みに行くと、なんだか鰭の大きなチョウチョウオみたいな魚が釣れていた。
色は地味だけど熱帯魚系かな…と思ったのだが、
KIMG3021
これ、ひょっとしてメジナ…?

釣ったおじさんも「何だろうねこれ、初めて見たよ…」とドン引き。

よく見てみると、こちらも先ほどのアナゴ同様、尾びれが切れて治癒した跡があった。
それだけでなく、背鰭と尻鰭が大きく成長し、無くなった尾鰭を補うような形になっているのだ。
それでチョウチョウオに見えたのだ。


先天的なものかとも思ったが、目の上にも傷跡が残っており、やはり幼魚の時に何者かに襲われてひどいダメージを負ったのだろうと思われる。
よくぞここまで成長したものだ。

魚の再生能力について調べてみた

正直、アナゴはなんとなくわかる。
全身をしならせて泳ぐ性質や夜行性で死肉や小動物を漁る食性から考えれば、尾びれを失うことはそこまでのダメージにはならなそうだ。
なにより開きにしても動き回るほどの生命力があるから、尾をかじり取られて生きていてもそこまで不思議じゃない。


でもメジナはちょっと信じがたい。
タイ型の魚が尾鰭を失うというのは遊泳力を失うのとほぼ同義だろうし、それだけの傷を負っても死ななかったというのは不思議だ。
海中で傷を負えば出血は止まりにくいだろうし、ましてや動脈を切られても死なないというのはいったいどういうメカニズムなのだろう。
そしてなにより、他の鰭が尾鰭を補うように成長したというのは本当にすごい。


インターネットで調べてみると、同様の例が見つかった。
アロワナカサゴ!?尾びれを失った魚の自然治癒能力が凄すぎて感動した!
こちらはカサゴなので本来活発な遊泳はしない魚ではあるが、最大流速10ノット(=18.52km/h)という激流の関門海峡で生き延びたというのだから大したものだ。


また、魚類は本来、再生能力がかなり高いのだという。
心臓を再生できる魚とできない哺乳類・その違いはどこに?
ゼブラフィッシュはコイ科の魚でオイカワやフナに近い、ごく一般的な魚類の一種である。
彼らは実験で心臓の再生能力を持つことが確認されており、なんと20%が失われても1月そこらで再生するとのこと。


何キミたち、実はナメック星の生きものなのかい?

この港で何が起こったのだろう

ここに通い出して早10年ほどになるが、このような魚を見かけたのは全く初めてのこと。
それが1日に2匹もとなると正直ブキミなところではある。

せつなさんによると「ダイナンアナゴかウツボでしょうね」とのこと。
この港にはウツボはほとんどいなさそうなので、ダイナンの仕業だろうか。

いや、もしかするともっと恐ろしい何かがこの港の中に居るかもしれない。
以前にはカスザメがぷかりと浮いてきたこともあるし、ここには何が居ても不思議じゃない。


ダイナンか、カスザメか、それともウツボか、ヒラメか、クロアナゴか…
暫定的にヤツのことは「リヴァイアサン」と呼ぶことにして、いつかそいつも釣り上げてやりたいと思う。

スポンサーリンク
 
スポンサーリンク
魚介その1(魚系)
スポンサーリンク
茸本 朗をフォローする
野食ハンマープライス

コメント

  1. rennzann77 より:

    尾のないカサゴ釣ったことあります。
    魚って結構生命力強いですよね。

    • wacky より:

      強いですねぇ…感動すら覚えます。。
      そういや昔、特ホウ王国かなにかで板前さんがイシダイを2枚おろしにして、尾頭付きの方を生簀に放したら泳いだのでびっくりしました。

  2. 夢の天秤 より:

    すごい形だ・・
    元からの奇形っていうことはないんですかね?

    • wacky より:

      いくつか傷跡があるので、おそらく襲われてこうなったのではないかと思います。

  3. chita より:

    ハートテールパロットという尾びれを欠いた熱帯魚(シクリッド)、どうやって作ってるのかと不思議に思っていたけど、このメジナみたいにちょん切ってたのかな。

タイトルとURLをコピーしました