ひょっとして磯の魚って夏のほうが旬なんじゃないですかねぇ……?

「磯の魚は冬が旬」という釣り人が少なからずいます。
夏、いくつかの磯魚は磯臭さが強烈になり、食べられないレベルまで行ってしまうこともあるからです。
ウツボとかアイゴとか、結構すんごいもんね。

磯臭さの原因成分はジメチルスルフィドらしいので、都市ガスと同じ匂いということですね。
個人的にはそこにアンモニア臭さを1:2くらいでブレンドするとより近くなるかと思います。
真夏に腐敗タマネギ多めの生ごみを作って、その横でタイの塩焼きを食べたら追体験できるかもしれません。

でも、実際のところはどうなのか。
決してそんなことないんじゃないの? と思える体験がありました。

 

先日、とある大物ゲストの方を「絶対釣れるから、タコ釣ってパーティーしましょう」とお誘いしたのですが、無事に吸盤のキの字もないほどの完全ボウズを達成しました。
直近の大雨のせいで極度の水潮になっていたのが原因と思われます。お前何年タコ釣ってんだよ……それくらい読めよ……

まったく釣れる気配もない中時間が経過していくのは本当に地獄の一言で、切腹ののち自分の皮下脂肪を短冊にしてタコテンヤに乗せる(普通は豚の脂身)寸前までいったのですが「タコ釣れなかったら、お店で買っていくのでも大丈夫ですよ」という救いの一言があり、すんでのところで免れました。



タコを購入しに向かったのは、おなじみ佐島の丸吉商店さん。
タコといえば佐島、これ関東の常識アルからね。

こちらのお店は佐島の定置網以外に、東京湾やほかの地区からの鮮魚も仕入れているそうで、到着が14時を回っても、さらにお盆の真っただ中でもちゃんと変わった鮮魚が置いてあります。
ICからも近くてアクセスも抜群。



タコ以外にもいくつか、ゲストの方が「グッと来た」魚を購入し、楽しく調理していきました。

そしてできたのがこちら。


タコは刺身、から揚げ、アヒージョとして大変美味しくいただきました。
地ダコとヤマドリタケモドキのアヒージョは「ぼくのかんがえたさいきょうれしぴ」としてリストに記載されました。ワンチャン野食会でふるまわれることもあるでしょう。

でも、正直タコよりも強く感動した食材がありました。

三浦のタカッパとメジナは夏が旬なのか?

今回、選ばれた魚は


タカノハダイ


メジナ


そしてマルソウダ。

どれもめちゃくちゃ美味しかったんですが、とくにタカノハダイとメジナがやばい。


活けを購入し、すぐに締めてもらい、血抜きをしながらキッチンに持ってきたので状態はもちろん最高なのだけど、


それ以上になんですかねこの脂の乗りは!


期待に胸躍らせながら刺身にしたのですが、これはヤバい。

タカノハダイの背鰭の下にできたエンガワは、旬のヒラメのそれをも凌駕する厚さととろけっぷり。
メジナはそこまではいかないけど、味全体にちりばめられたような脂肪が噛むたびに口の中で弾けます。お前はクロレッツのマイクロカプセルか。
当然ながら臭みは皆無。


半身を塩焼きにしたら、新鮮すぎてグリルの中で反りまくり、グリルから出てこなくなって焦りました。


タカノハダイは鱗つきのままでじっくり焼いたのだけど、おかげで蒸し焼きになってプリップリです。
筋繊維の1本1本がシャキシャキとして、そこにゼラチン質の弾力が加わるとまるでエビとかホタテみたいだ! 食感の宝石箱やー!
一般的に、磯臭さというのは加熱により強くなることを考えると、磯臭いタカノハダイの塩焼き(しかも蒸し焼き)なんてとても食べられるはずがないのだけど、まったくその心配は必要なさそうです。

メジナは対照的に、いかにもタイ型の魚という感じのホクホクしっとりとした舌触り。
こちらもやはり脂が絡んでたいそう美味しゅうございます。

味:★★★★☆
価格:★★★☆☆



夏に脂がのることについてはあまり違和感はありません。
マアジやスズキ、ゴマサバのように夏に脂がのる魚というのは少なからずいます。
ただ、以前伊豆で真夏に突いたタカノハダイは脂ののりが皆無に近く、痩せこけていたので、生態よりも地域性なのかなという気がします。
やたらアミエビ食べてるとか、脂ぎったプランクトンが多いとかね。

でも、夏に磯臭さが消えるっていうのはどういうことなんだろう。
海中を覗くと、タカノハダイにしろメジナにしろそれはそれは美味しそうに海藻をついばんでます。
メジナとかめっちゃ海苔で釣れるし。
内臓も海藻でぴっちりなので、磯臭くなくなる理由は全く不明です。
しかもフツー皮下脂肪が磯臭いんだよな……脂のってるのに磯臭くないってどういう理由なんでしょう。
まだまだ分からないことがたくさんありますなぁ。

まあ、結論として言えそうなのは「この時期に佐島で揚がったタカッパはまず買うべき」ということでしょうかね。
万一ハズしても、300円/kgとかだし。

 
 
 

コメント

  1. 鳩を返せ! より:

    はじめまして。最近このサイトの影響で定期的に吉池に通うようになったものです。

    先日40㎝オーバーのでかいアイゴが入荷しているのを見かけ、ここを含む多くのサイトで「夏は臭い」「大きい物はとくに臭い」と言われていたためかなり躊躇したのですが、勇気を出して購入してみました。

    刺身とバター焼きで食べたのですが、大変美味しかったです。プリプリの身、ねっとりとした皮、コクのある卵、口の中にへばりつく程濃厚な肝…最高でした。
    腹出しされていなかったので身に内蔵の匂いが移っていないか心配でしたが、まったく問題無かったです。というか内臓の匂い自体も「これだったら鰹の塩辛のほうが臭いな」と思う程度でほとんど気にならなかったです。

    やはり時期よりも産地で大きく味が変わってくるのかな?と思いました。今度見かけたら店員さんにどこ産なのか質問してから購入してみたいです。
    まあ、ヒレの毒について質問した所「毒?どうだったかなあ…?そんなに気にしないでいいんじゃないですか?」なんて適当な事言われたのでもしかしたらあまり魚に興味ない店員さんが多いのかもしれませんがw

  2. goboh より:

    6月頃に片瀬漁港で釣れたタカッパは脂は乗ってても死ぬほど臭かったですね…。
    美味しいタカノハダイ、食べて見たいですわ。

  3. rvo より:

    初めまして、いつも楽しく記事から学ばせてもらっています。
    さて今回の記事のタカノハダイですが、私は釣りが趣味でして、外道として釣れてくることも多いのですが、写真のタカノハダイは一般的なものに比べてかなり黄色が鮮やかに思います。先日水深60mで釣れたものも写真のように鮮やかな黄色をしていました。いつも陸から釣っていて現れるのは黄色ではなく黒の横縞のものなので、その時は珍しいなとは思いつつも食べはしませんでした。
    そこでこの記事を読んで、タカノハダイもマダイが浅場で日に焼けて黒ずむように、深いところに住むものは鮮やかな黄色をしていて、磯臭さがなく脂がのって美味しいのではないかと思いました。つまり季節ではなく、生息する水深とその環境が味に影響しているのではないかということです。
    あの時釣れた黄色いタカノハダイを食べてみればよかったと今激しく後悔しています…

  4. nonnoko より:

    タカノハこっちでもよく陳列されてます。
    塩焼き用ってシール貼ってありますが、
    夏の磯魚だからでしょうかね・・・刺身かぁ・・・
    活けのタカノハは見ないなぁ

  5. タカッパは美味しいですよね。
    夏も冬も食べますが西伊豆のタカッパは季節関係なく美味しいと思いますよ。
    我が家では特に塩焼きが人気です。
    刺身も美味いですが、塩焼きにした時の繊維質な身が美味しいと思います。
    そしてメジナも夏冬関係なく食べます。
    冬は大型のメジナが多いのでお刺身にしますが、夏は手のひらサイズのメジナが多く釣れるので、塩焼きにして食べます。
    別に臭いとか思ったことはないですね。
    ただ釣ってすぐに血抜きとはらわたはすぐに抜いてます。
    それがいいでしょうかね?

  6. おまめ より:

    いつも楽しく拝見させていただいております。

    幾つか推測
    ・太平洋側は台風等で荒れたので、適宜濁った水質が撹拌された
    ・食性にもよるが、食べる物自体の匂いが低下する時期でもあった
    ・この時期は皮や皮下よりも身に匂いが付く傾向があると思うので、身の油のノリに左右された
    ・今年は水温が低かった(平年差-1前後)
    ・撒き餌などの自然以外の餌を食べていた

    などなど

    私が住む所(日本海側)は、そもそも潮の匂いが薄いので、夏場でも磯魚はそれほど苦ではないのです。

    個人的には、栄養補給で身自体が臭う時期なので、脂が乗るからこそ、臭いが抑えられるのではと思っております。
    鯛などでも脂のりが悪いと、磯の臭いが特に気になると感じております。

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