ミノカサゴに刺されつつ活造りをつくってみた

 
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網代定置網シリーズ、まずはミノカサゴから調理してみることにした。

ミノカサゴ,網代,定置網

観賞魚と思われがちですが食べます


水族館では優雅に鰭を広げてのんびり泳いでおり、人気の魚種であるが、性質は獰猛で、水中でダイバーに向かってくることもあるらしい。

また貪欲なので、同じ水槽の小魚を食べてしまうのでないかという危惧もある。

同属のハナミノカサゴは、アメリカ東海岸では人為的に持ち込まれて増殖し、生態系に大きな影響を与えているという。
以前、ディスカバリーチャンネルでやっていたVTRでは、遊泳力の低いハナミノカサゴたちが複数で協力しながら小魚を追い詰め、次々と吸い込んでいく様子が見られた。

この鷹揚で攻撃的な性質はやはり、その刺毒に因るものではないかと思う。

全ての鰭がきわめて派手なので毒針の有無がわかりにくいが、背鰭、腹鰭、尻鰭には鋭くとがった条があり、刺されると危険である。
「派手な衣装の下に武器を隠している」ことから「キヨモリ(平清盛)」と呼ぶ地方もあるという。

今回、定置網に大量に入ったスルメイカ・ヤリイカたちも、ミノカサゴは全くかじっていなかった。
網代の海に敵はいないと言えそうだ。

ミノカサゴの鰭マジ凶器

そんな網代のミノカサゴに、天敵となるべく立ちはだかった僕。
4匹で200円だった彼らは全長こと25cm程度とそこそこの大きさに思えたが、普通のカサゴよりも顔が長く、吸い込み摂餌のためか吻が前に出っ張っているので、かなり歩留まりは悪い。
ただ鮮度はよかったので刺身にすることにした。

腹を割くと大量の内臓脂肪が詰まっており、脂ののりに期待を抱く。

ミノカサゴ,網代,定置網,内臓脂肪

白子ではないのです


ミノカサゴのうろこはカサゴと比べるとはがれやすく、出刃包丁で撫でるだけで簡単に取れる。
内臓を出し、頭を落として…とここまでは良かったのだが、
3枚に卸そうとして背に包丁を当てた瞬間に
あっ

あっ


ぷすりと鰭が刺さった。

油断していたわけではなかったのだが、予想以上に毒針のリーチが長かったこと、そして皮膚から突き出した棘が細く透明だったため、先端に気が付かなかったことで見事にやられてしまった。

針先は非常になめらかで、軽く触れただけなのだが抵抗なく突き刺さった。
ツベルクリン反応の注射よりも痛みは少なかった。インフルの予防接種くらいかな?

慌てて毒を吸い出し、流水でよく洗ったのだが、やがて包丁を持つのがつらくなる程度に腫れた。
それでもハオコゼの時と比べて症状は穏やかだったのだが、これは応急処置が効いたのか、それとも魚が死んでいたからか。

いずれにせよ、天敵となるにはまだまだ修行が足りないことを痛感させられた。

ミノカサゴのお造り

気を取り直して作業を続ける。
ミノカサゴの身は柔らかくて淡泊、ということを聞いていたので、普通の刺身ではなく焼き霜に造り、皮目の美味さを活かすことにする。
鰭をできるだけ開くように器に盛って

ミノカサゴ,活造り

威嚇するライオンみたいになった


完成!
ミノカサゴ,活造り

吻の長さ伝わるかな?


毒針が残ったままの活造り、きっとどんなお店でも食べることはできまい。
というかネタ作りのために負傷する板前なんか皆無だろうなぁ…

見た目的に、醤油の味に負けそうなので、

川奈,わさび塩

わさびと塩の絶妙なバランスが美味い


川奈で購入したわさび塩につけていただいてみると

…(・~・)


まあまあかな。
やっぱりカサゴにはかなわない
身のしたたかさ、味の濃さ、ゼラチン質、どれをとっても本家には遠く及ばない。
しかし淡泊な奥に光る甘み、魚食魚特有の風味は捨てがたい。

アラは他の魚とともにごった煮にしてみたが、単体でもそれなりの出汁はとれそうな気がする。

味:★★★☆☆
価格:★★☆☆☆

ミノカサゴは加熱調理が吉?

とりあえず刺身で試してみたけど、この身を活かせるのは加熱料理だろう。
から揚げは間違いないが、この魚の繊細な風味は消えてしまいそうだ。
煮つけは一度試してみたい。

でも今回試してみたいのは…

干物!

ということで次回はとある干物に挑戦。

 
 
 

コメント

  1. せつな より:

    お久しぶりです。
    サケガシラから今年に飛んで、あまりに記事が増えていて来たとこ間違えたかと思いましたが、やっと追いつきましたw

    相変わらず守備範囲が広くて面白いです。
    ツノロウムシ加熱すれば白いのが楽に取れるというのが、よく考えれば当然だけど、考えたことなかったので一番驚いたかも。
    サンショウやミカンにも異常につくので、そいつらから絞れば香りもいいかも?

    最近つまらない食生活になっていましたが、春先からまた少し余裕ができる希望的観測なので、深海でもなんでもご一緒できる機会があるかもしれません。
    雄山には小言いわれるかもしれませんが、他人で実験するんでなければ良いと思うし、そういった先代の積み重ねの上にある食材だけを使っててエラそうに言われてもね。

    • wacky より:

      せつなさま

      どうも、ご無沙汰してます!すみません、昨年暮れぐらいから更新速度の限界に挑戦してまして…
      せつなさんにそういっていただけるととてもうれしいです。僕とせつなさんでは、鳥谷とジーターくらいの守備範囲の差があると思いますがw

      ぜひせつなさんと一緒にいろいろ採ったり捕ったりしたいです!お暇なときお声掛けいただければいつでも参じます。深海も興味があればぜひ。小坪で穴釣りとか、裏磯でダイナンウミヘビとかでも全然オッケーですよ!w

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