イバラヒゲは揚げれば普通のタラ

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超深海釣りで一番釣れ、かつ嫌われている外道は、イバラヒゲで異論はないと思う。
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タラ目ソコダラ科という極めて生息量の多いグループに属するこの魚は、深海底を埋め尽くすように生息しているんじゃないかと錯覚するほどよく釣れる。

大きいとメーター近くまで成長するが、ご覧の通りのシルエットなので遊泳力が弱く、アタリもぶよんぶよんしている。
掛かってもすぐにそれだと判るのでがっかりされることが多い。


ただ、嫌われる理由はそれだけではないようだ。
なんでも、様々なソコダラ類の中でもとりわけ美味しくなく、釣ってももて余してしまうのだという。


でもホントかな?
深海タラなんてどれも同じような見た目で、同じとこで同じもの食べて暮らしてるんだから、そこまで大きくは変わらなさそうな気がするけど。

食べてみよう。

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イバラヒゲを調理する

イバラヒゲとは、鱗が鋭く茨のようにトゲトゲしていることと、ソコダラに共通する顎髭が特徴的であることからこのように名付けられた。
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この鱗が意外に鋭くて、不用意に触るとキズになることがある。
バラムツほどは鋭くないけど、気を付ける必要がある。

鱗を引くのが難しいので、つけたまま3枚におろす。
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身質は若干の水っぽさはあるが、普通のタラに近い。
今回は非常に新鮮なので、刺身にしてみよう。

右の3枚

右の3枚


…(´・~・`)
なんか…僅かに塩化アンモニウム系の臭みとエグみを感じるような…?
身質こそ違うけど、深海ザメ(サガミザメ)にそっくりの味だ。
これは加熱した方がいいな。

味:★★☆☆☆
価格:★★☆☆☆



タラならやっぱりフライでしょ!
深海魚やサメのアンモニア風味は揚げると消える、これ野食ニストの常識。

ということで、衣をつけてカリッとね。
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いただきマース
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…(`・~・´)
いい!
実に美味しいフライドフィレオフィッシュになった。

ってか、フツーのタラになった。
タラはやっぱり揚げ物がおいしおすなぁ…

味:★★★☆☆
価格:★★★☆☆



さて、鱗つきの皮は簡単に手で引っ張って剥がせるのだけど、
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これを「松かさ揚げ」みたいに揚げたら美味いんじゃないかと思ってやってみた。
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…なんかすごい見た目。
とげとげだし、松かさじゃなくて「茨揚げ」だな。
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いただきマース

…(・〰・)
すっごいサックサク。
クリスピー過ぎて口の中に刺さる。
あとものすごい油をかんでいて、ちょっとしつこい。

味:★★☆☆☆
価格:★★☆☆☆



食べてみて、とりわけまずいとは思わなかった。
確かに生で食べるとちょっとクセが強いし、水分が多いので鮮度落ちが早いけど、加熱してしまえば普通のタラだ。
大きいから食べでもあるし、捨てるのはもったいないと思う。

神奈川県ではこの魚の有効活用について研究がすすめられているらしいけど、フィレにして揚げるだけの状態で流通させればそれだけでいいんじゃないでしょうか。
むしろすでに世の中に出回ってそうな気が…

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魚介その1(魚系)
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野食ハンマープライス

コメント

  1. doiken より:

    頭と内蔵がどうなったか非常に気になってます。
    食べられたのでしょうか?

    • wacky より:

      内臓は食べてみました。なかなか乙でした。こちらもレポします!
      頭は冷凍にしてあります。どうしようかな。。。

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