イシモチ界の中ボス「フウセイ」が絶品だった件

連日のアメ横通いが続いております。
野食しろよーという周囲の声がものすごく聞こえてきているのは重々承知なんですが…4月はホント厳しい。
山菜には早いし、海水温もようやく底を切ったあたり、シリヤケちゃんもまだこれからということで、もうしばらくは御徒町に通い続ける日々だと思われます。

来週から本気出すのでどうかご勘弁を…

アメ横イシモチパラダイス

まあそれはそれとして、アメ横センタービル地下の食品店街は本当にわくわくする場所だ。
値札が読めない、言葉も一部通じない中で、魚も肉も野菜も、見た目で判断し食べ方を推測しながらついでに値段交渉も行うという「アジア力」が非常に鍛えられる。
山菜狩り、キノコ狩りとおなじ「狩り」の力が必要になるのだ。

さて、そんなセンタービル地下街にはいくつかの魚屋さんがあるのだが、それぞれ中国人向け、韓国人向け、その他のアジア人向けでちょっとずつ品ぞろえに差がある。
しかしどの店でも常に扱われているものがある。

イシモチ,フウセイ

黙秘します


イシモチだ。

ニベ科に属するこれらの魚群は、日本では年々なじみがなくなっていっているように感じるが、東アジア諸国では非常に重要なものだ。
特に中国と韓国では、魚と言えばとりあえずイシモチ類のようで、焼いたり揚げたり炒めたり、生でも乾してもあらゆる形で日々食べられている。

イシモチ類は日本では局地的な利用が多い。
東北以北ではあまり食べられておらず、関東周辺ではやや深場に生息するシログチのみ、西に行くにつれてニベコイチもわずかであるが流通するようになる。

しかし昨日のアメ横には、これらのほかに全身が黄色いキグチ、1mをはるかに超えるオオニベ、そして今回のテーマのフウセイまで売られていた。
かの国の人々がいかにイシモチが好きかが伝わってくる。

フウセイを食べてみた

そんな大量のイシモチ類の中でなぜ今回フウセイを購入したかというと

1.レア度

そもそもアメ横以外でフウセイを見たことが無い。(築地にはときどき入るらしい)
日本では東シナ海でのみ漁獲されるらしい。
順当に考えて長崎辺りで挙がったものだろうけど、主要産地は黄海ということで、中国か韓国で挙がったものを鮮魚のまま仕入れてる可能性もある。
ちなみに日本ではなじみのない魚のため地方名は無く、和名も韓国での呼び名「プウセ」から来たのだそうな。

2.ビビットな黄色

最初はコイチかな?と思ったのだが、それにしてもあまりに黄色すぎる

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生きているときはもっと黄色かったのかな


であればキグチか?と考えたが、そちらは受け口(しゃくれ)なのに対してこれはどちらかというと鼻の吻が前に出ている

3.大きさ

店頭に置かれていたのは40㎝位で、それでもなかなかの迫力だったのだが「冷蔵庫にもっと新鮮なのあるヨー」と持ってきて見せてくれたのが60㎝近いサイズ
最近よくこの店に顔を出すからか、隠しアイテムみたいなものも見せてくれるようになった。ありがたいが、購入しないといけない気にかられるからほどほどにしてほしい。

4.価格

イシモチ類では高級扱いをされているようで、小ロットずつ氷漬けにして売られていたが、それでもキロ1000円程度だった。
ちなみにオオニベは間違いなく10㎏以上はあったが、7800円で売られていた。
そっちも購入しかけたが「どうやって終業まで会社に置いとくんだ!」という天の声が聞こえたので、すんでのところで我慢した。

 

フウセイを捌く

会社の冷蔵庫を半日にわたって占拠し、同僚の皆さんから浴びせられる冷たい視線をかいくぐって無事家に搬送されてきたフウセイ。

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57cm2kgオーバー


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写真には写りにくい黄色


やっぱり、黄色い…w
いつも東京湾で純銀のシログチばかり釣っているので、違和感がハンパない。
そして大きい。
シログチは大きくても30cm後半なので、2倍近いサイズだ。

さっそく流水を掛けながらうろこを落としていくが…
…生臭い。
鮮度にも若干問題があるのかもしれないが、イシモチ特有の生臭みが、鱗と飛び散る水からもんもんと立ち上る。
それはシログチを30匹ばかり捌いたときと同様の強さ。
この生臭みが、日本での消費量の減少につながっているのかもしれない。

ただ臭いのは鱗のグアニン色素のようで、鱗を剥ぎ切って流水でよく洗うとかなりマシになった。

続けて腹を割き、内臓を出す。
腹がパンパンに膨れていたので期待していたのだが…

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鰾は20㎝オーバー


殆どだった。
まあこれはこれで中華4大乾物の一つらしいし、取っておきましょう。
ちなみにこのニベ科の魚の鰾を煮溶かしたものが、ここから“取り付く島がない”ようすを「にべもない」と呼んだ…なんていまや誰でも知ってることかな。。
また、この大きい鰾を使って、繁殖期には大きな声で鳴くらしい。
当地では船底に耳をつけて、鳴き声を探し当てる漁も行われているそうな…
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ここも珍味


腹膜もゼラチン質でかなり分厚い。
こちらもぺりぺりと剥いてとっておく。
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頭を落としても40㎝以上ある。
潮汁用にかぶと割りにしたら、イシモチという呼び名の由来にもなった大きな耳石が出てきた。

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ずっしりとして重い

丁寧に3枚おろしにする。

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血合いの色も悪くない


身は柔らかいが、シログチと違って水っぽさはあまり感じない。
断面を見ると繊維質で、きめの細かさを感じられる。
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すごいもちプル

フウセイを食べる

皮を引き、生臭みが身に移らないようにまな板を拭いてから一部を刺身にしてみた。
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(゜~゜*)!
美味い!
繊維質で、ゼラチン質にも富んでいるニベ科らしく、もちもちとして滑らかで、脂の甘みがある。
鮮度がぎりぎりであるにもかかわらず、生臭みはほとんどない。
醤油もいいが、塩で食べるとより美味しさが際立つ。
美味しいことで知られるシログチの刺身と比べても数段上だ。

味:★★★★★
価格:★★★★☆

白身魚の中では相当上位にあるだろう。
新鮮な釣り物で造ったら絶品だろうと思われる。
そしてこの

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鰭が大きいので結構まとまった量採れる


エンガワ
天然ヒラメのそれより美味しい。回転ずしのエンガワとは全くくらべものにもならない。

鮮度の心配があるので刺身は味見程度にとどめるつもりだったが、1サク食べつくしてしまった。
残りの身は

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右上のは腹膜 シャキシャキして美味しい


塩焼き
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良いキツネ色


ポワレに。

加熱すると繊維質な身がほぐれてまるで貝柱のような食感になる。
アマダイにも似ているが、より水分が少なく締まっている感じがする。
塩焼きにするときは、低温でじっくり焼いて水分を飛ばし気味に、そしてポワレの時は表面をまずカリッと揚げ焼きにして肉汁を内側に残すように仕上げた。

味:★★★★★
価格:★★★★☆

この魚が常に手に入るなら、今後アマダイを購入することはなくなるかもしれない。
価格は数分の一、味はほぼ変わらないか、人によってはこちらの方が上だというだろう。

オオニベ食べたい

美味なものだらけのイシモチ類の中でも、フウセイはトップクラスだと聞いたことがある。
確かに、シログチから水っぽさを抜いて甘みをさらにプラスしたような味わいで非常に美味しかった。
せつなさんオススメのつなぎ無しのさつま揚げにも挑戦したかったが、予想外の美味さについ食べ過ぎてしまいできなかった。次回はぜひトライしたい。

ただ、経験した人が口をそろえて言うのが「一番おいしいのはオオニベ」という事実。
とても一人で食べきれないが、キロ単価で考えると非常に安い魚でもある。
「オオニベ食べようオフ会」でも開催しようかなぁ…でも誰も来てくれないだろうなぁ…w

 
 
 

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