べらくらべ

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というわけで4種のベラです。

左上からアカササノハベラ、ホシササノハベラ、テンス、キュウセン。
どれも20cmオーバーの良型ですね。(このほか、小さいものが1~2匹ずつ釣れています)

それぞれ生息環境が違うので、これだけ釣れ揃うのもなかなかなく、壮観です。
こういうのがボート釣りのいいところ。

さっそく食べ比べていきましょう。

 

ベラ4種食べ比べをやってみた

さて、種にかかわらずベラは関東ではないがしろにされています。
釣りでは外道扱い、しかもネズミゴチやサッパのような「外道だけど持って帰って食べる」ということもなく、多くはそのままリリースされます。
当然、お店で売られるようなこともありません。

キュウセンs


しかし、関西や瀬戸内、九州では、ベラの仲間をよく食べますし、高級とは言いませんが市場で流通もします。
これについては、多くの釣り本などで指摘されるとともに、よく「瀬戸内海のキュウセンは急潮の中で暮らしているので身が締り美味しい」「関東のは身が水っぽくておいしくない」といった理由が述べられています。

ササノハベラs


でもそれが正しかったとしても、ササノハベラまでが利用される理由にはならないし、そもそも潮が速いのは瀬戸内だってごく一部、三浦だって伊豆だって局地的に潮が飛ぶところはあるわけで、それでも食べられてこなかった理由にはならない。
西日本の人の言うことが正しければ、東京湾など水温は低いし潮は早いしでめっちゃ美味くなりそうな気がするんですが……


テンスはちょっとだけレアなので、食べる文化はあまりないかもしれない


まあこの辺は釣り人特有の思い込みというやつで、実際のところはどこのベラも身質が柔らかく、水分が多いのは変わりません。
ベラ利用度の西高東低については、関東人の舌にこのやわらかい身質、薄めの味が合わなかったからではないかと思うのですがどうかしら。。


で、それではベラは美味しくないのかというとそんなことはなく、どんな料理でもとても美味しい魚です。
食べる文化が存在しなかったのは完全に、関東人のミスと言わざるを得ません。

もちろん水っぽさはありますが、それはひと工夫で何とでもなるもの。
全体的に骨が固いのは難点ですが、大きいものだと身もそれなりにとれて食べ甲斐があります。

咽頭歯に気を付けましょう




個人的に、良型のベラが釣れた時に一番やりたいのは刺身。
彼らは冬眠をするので、それに備えて餌を食べまくる秋は、いつものさっぱりした味からは想像できないほど脂がのります。

捌くときには、そのやわらかい身がつぶれたり身割れしたりしないよう注意を払ってあげる必要があります。
一番難儀するのは鱗。まるで鎧のようにしっかりと貼り付いているからね。。
出刃包丁でこすっても落とせないので、


おなじみベルモントのハイパーうろこ取りを使って落とすか


あるいは柳刃包丁ですき引きするのが一般的。

でもぼくは面倒くさがりなので、たっぷりの塩で表皮のヌメリを取ってから


キッチンばさみで皮に切れ目を入れて、鱗をそのままに3枚におろし、そのまま皮も引いてしまいます。
鱗が大きいので、身に付いちゃってもすぐにわかるしね。


皮を引いた身は小骨を抜いた後、できるなら軽く塩をして一晩おくのがよいでしょう。
ベラ類はこれで味が大きく変わります。



良型4種の刺し盛り。
かつてはアカササノハベラとホシササノハハベラは区別されておらず「ササノハベラ」として一緒にされていましたが、近年の研究で別種であることがわかりました。
果たして味は違うのか?

まずはアカササノハベラから、いただきマース

……(≧〰≦)ウマーイ
やはり、旬のアカササノハベラはメバルみたいな美味しさです。
塩で締めることで旨味と身の甘みが立っていいですね。

ホシササノハベラはどうかしら。
アカ~と比べると、若干身の赤みが淡いようですが……

……わーずかに旨味が弱いか。いや十分合格点ですけど、若干アカ~のほうが濃厚に感じる。
でもこれじゃ誤差や個体差の範疇です。もっとたくさんの個体を食べないとわかんないや。。


キュウセンは色がかなり白いですが、身の味もササノハベラ類と比べ明らかに弱いです。
刺身には向いてないな。。

そしてテンス。刺身にするのは初めてです。

……! 結構旨味あんじゃん!? 甘みも……。
これはなかなか美味しいですね。連れもお気に入りのようです。

ササノハベラより甘みがありますが……なんかこう、もうひと頑張りするとアマダイになりそうでもどかしいです。
テンスをうま味調味料で締めたらアマダイそっくりの味になりそう(罰当たり)


小型のものは


焼き魚と


煮つけに。

焼き魚は鱗をつけたまま焼くと、身の水分が残ってふっくらと焼きあがります。

上下の鰭を引っ張って取ると身がはがれるので、そこに醤油とショウガを乗せて食べると超美味い。
キュウセンなんかはこの食べ方が一番うまいかもしれません(あと天ぷらね)


煮つけは逆に鱗を取ってから、しっかりと素焼きにして水分を飛ばし、煮るとしっかりと仕上がります。

食べ終わった後の残骸に熱湯をかけて飲むのがめっちゃ美味い。
骨湯というそうです。


カワハギ釣りにおいて、特にササノハベラ類は「税金」と呼ばれるほど必ずついてきます。
上手な人でもベラのほうがカワハギより釣れてしまうことはしばしば。
そんな時、関東の釣り人は苦い顔をしますが、関西の釣り人は嬉しそうです。
どっちが幸せかは言うこともない。

舌が寛容で心が広い人のほうが、釣り人生は豊かになると思います。

 
 
 

コメント

  1. えむっち より:

    テンスはダイバーからすると、幼魚のヒラヒラ木の葉感が愛しいのですが、
    こんなにプックリと育って、パックリと美味しく食べられてしまうんですね~。

  2. アオ より:

    釣り場に行くとこれはマズイだ猫またぎだ言う人がたくさんいます
    ボラだって昔はタイの代わりベラだって上品な白身ギンポだってうなぎタレで蒲焼きです外道だなんて言いかた好きじゃないです
    美味い不味いは人間が勝手に決めたもの
    マズイ魚はいないし己の血となり骨となってくれた命に失礼ですね!
    どんな魚も最高に美味しい

  3. たま より:

    ベラ一族は天ぷら塩焼き煮付けで幾らでも食べれる美味しい魚なのに
    なぜこんなに評価が低いのか…
    やっぱり色…?

  4. 西洋呑み屋 より:

    瀬戸内出身なんで、日常の魚ですね~。夏は、焼き物。あっ、キュウセンは、背骨ごと薄切りで酢で〆る食べ方も御座います。(^q^)

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