夏のキノコ入門とハナビラタケ

キノコ狩りの魅力は色々あるが「毎年同じことを楽しめる」というのはそのひとつだと思う。
マツタケやホンシメジ、ヤマドリタケといった菌根菌は特定の木と共生関係を持つため、環境が変わらない限り同じ木の下に出続けるのだ。

タマゴタケもそう

タマゴタケもそう


それから腐生菌(有機物を分解する菌)でも、マイタケやトンビマイタケのように巨大な枯れ木を何十年にもわたって分解し続けるものは、当然同じところに何年ものあいだ発生する。
トンビマイタケ

トンビマイタケ

そのため、年毎に多少の差はあれど、よいシロ(ポイント)を見つけさえすれば、毎年同じ時期に同じ場所で同じキノコに出会える。
約束の木の下で必ず出会えるというのはなんだか……アレだな、そんなゲームあったな。


一方で、そのようなシロは他人に見つかったり、また環境が変化することで出なくなってしまうこともあり、常に新しいものを探し続ける必要がある。
1つのシロを見つけられれば、すなわちその後数年の収穫は担保されたともいえ、キノコ狩り名人と呼ばれる人もつまりは「シロを沢山知っている人」に他ならない。
そのため、シロ探しは労力は大きいが見つかったときの喜びは大きい。

さらに自分が採ったことのない種類であれば、シロを見つけるためには経験値だけでなく、知識や推論をもとに緻密な計算をしていく必要がある。
それがすべて噛み合い、新しいシロを見つけ出したときの喜びは言葉にするのは難しい。

 

夏のキノコ狩りとは如何や

先日末のキノコ狩りで、行き先を横浜市内の森から富士山に変更した理由は2つあった。
ひとつはともかく暑く、平地でキノコを探す気になれなかったということ。
そしてもうひとつは、この時期にしか出ないキノコを探しておきたかったということだ。

キノコ狩りやその他のレジャーで年中富士山と周辺山域を訪れるが、5月のシャグマ狩りが終わってから9月のキノコハイシーズンまでは毎年空白期間となっていた。
しかし平地ではこの時期になるとテングタケやイグチ系の夏キノコが元気に発生し、街中でも見られるようになってくる。
秋とはまた違ったキノコが富士山周辺でも顔を出していることは間違いないのだ。


しかしこの時期は秋とは違った思考の要素が必要になる。
まず、秋のキノコは高所からだんだん標高を下げてくるが、春夏のキノコは平地からどんどん標高を上げていく。
いつもと全く逆の感覚が必要で、慣れるまでは迷いの原因になる。

また富士山の場合は静岡側と山梨側で湿度が大きく変わり、富士五湖方面はからっからでも須走・富士方面は湿り気が有るということが多い(逆もまたしかり)。
暑い時期のキノコは一雨くるとさっと顔を出し、猛暑で乾燥するとすぐにいなくなってしまうので、ピンポイント降水や霧、さらにはそれを左右する風の強さと向きも頭に入れなくてはならない。

そして、夏のキノコは何よりも分解者に弱い。
いわば森の中に生肉を放置しているようなもので、あっという間に虫や小動物に食べられ、腐敗してしまう。
せっかく発生ポイントを見つけてもグズグズになってしまっていることも多いのだ。


週末キノコ狩りストにとっては上記の要素は運が左右する部分も大きい。
さらには平地であればヤブカ、里山にはヤマビル、高所ではアブやヌカカといった害虫たちも無視できない要素だ。
そういった苦労の分、目当てのキノコが見つかると秋とはまた違った充実感がある。

ハナビラタケを採ったぞー!

さて、今回は季節風の風下になり、どんよりと雲が広がる地域に目標を定めてみた。
昼ごろに到着したが、標高の割に暑さがあり、低いところで探すのはちょっとつらさを感じる。
そこで、高いところから入って徐々に高度を下げていく作戦に出た。


まずは高いところのカラマツ林に入るが、小型菌すら見つからず。
地面は湿ってコンディションは良さそうなのだが、ここまではまだキノコシーズンは来ていないということだ。

下がってきてウラジロモミ林、これも空振り。

さらに下りて、再びカラマツの植林ゾーン。
微妙に下がってアカマツが混ざりはじめたラインで
KIMG0015
キター!
この時期に針葉樹林に発生するA級キノコ、ハナビラタケを発見。
本来は7月中旬ごろのキノコなので、これから標高を上げていくのだろうか。
KIMG0022
このキノコは数年前に制ガン効果をうたって人気が沸騰し、栽培品が多く出回った。
最近ではブームも収束し下火ではあるが、コリコリとした歯ごたえと見た目の美しさが受けたのか今でもスーパーで購入することができる。


僕にとっては前回日光で見つけたのに次いで2回目だが、あの時はハルニレの林でタモギタケを探していたので全く予想外で、交通事故のような出会いだったので今回のシロ発見とは比べるべくもない。
他のキノコがまだ出ない時期に、予測を頼りに空振り覚悟で採りに行くキノコなので、見つかると本当にうれしいのだ。

ギンリョウソウの出る時期、と覚えよう

ギンリョウソウの出る時期、と覚えよう


結局、今回の遠征で採れたキノコはこの周辺のハナビラタケのみだった。
それでもバレーボール大のものが3株とれたので結構な収穫になった。
さて、どう調理してやろうか……

 
 
 

コメント

  1. Nao より:

    暑い日が続きますね~。
    スーパーで見掛けるものより綺麗ですね、そして、美味しそう♪ 我が家では、プランターのゴーヤの根本にコガネキヌカラカサタケがズモモっと出てきました(^-^) 

    • wacky より:

      コガネさんといえばプランターか植木鉢ですよね~。可愛らしいし色もきれいで、出てくれると嬉しくなりますよね。

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